秋分の日の意味を知っていますか?
毎年やってくる秋分の日は、秋の貴重な休日の一つ。敬老の日とうまく重なれば大型連休となりますが、なぜ連休になったりならなかったりする年があるのでしょうか。秋分の日の決まり方やその意味を考えてみましょう。

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秋分の日は年により異なる
秋分の日は、国が定める「国民の休日」の一つです。毎年9月23日ごろですが、具体的な日にちが正式決定するのは前年の2月1日です。この日「暦要項(れきようこう)」が官報に掲載されてやっと秋分の日が決定します。
なぜ年によって秋分の日が異なるのかというと、法律により秋分の日はその年の「秋分日」を採用するとされているためです。秋分日とは、太陽が星空を1年かけて巡るルート「黄道」と地球の赤道を天球まで延長した「天の赤道」が交わる点「秋分点」を太陽が通過する日を指します。
例年秋分日は、国立天文台の計算によって算出されます。このときの計算結果次第では、秋分の日が前後するケースが出てくるというわけです。
祖先をしのぶ日で、祭典が行われる
「国民の祝日に関する法律」では秋分の日を「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日としています。その昔自然信仰が当たり前だった日本では、秋分のころに収穫を祝い祖先に感謝する祭りが行われていました。
しかし仏教が伝来すると、皇族や貴族が「彼岸会(ひがんえ)」を催して先祖供養をするようになります。この風習は江戸時代には庶民にも広まり、一般行事となりました。人々は秋分のころにお墓参りをするようになり、現在のような先祖供養が定着していったのです。
ちなみに戦前の秋分は「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」とよばれ祭典が行われていました。これは「秋季神殿祭(しゅうきしんでんさい)」とともに今も宮中行事として残っています。
春分の日とはどこが違う?
春分の日も国民の祝日です。黄道と天の赤道が交わる「春分点」を太陽が通過する日が「春分日」とされ、この日が祝日となります。春分の日も先祖供養をして過ごすのが一般的な過ごし方といわれますが、国が定める趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」です。
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お彼岸はいつ?何をする期間?
秋のお彼岸は、秋分の日をはさんだ前後3日間、合計7日間を指します。ちょうどシルバーウィークのころなので、お出かけの計画を立てるママ・パパも多いかもしれません。もしも家族でどこかへ行こうと思っているなら、ぜひ「お彼岸らしい過ごし方」を心に留めておいてはいかがでしょうか。
お彼岸の意味や望ましいとされる過ごし方を紹介します。

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お墓参りに行く
最もお彼岸らしい過ごし方といえば、やはりお墓参りです。
太陽が真西に沈む秋分の日は、この世(此岸)とあの世(彼岸)が最も近くなると考えられています。というのも、彼岸は「西の彼方」にあると信じられているためです。ご先祖の霊と向き合うにはちょうどよく、先祖供養にふさわしい日といえます。
連休のお出かけは、1日だけでもお墓参りに足を運んでみてはいかがでしょうか。子どもと一緒にお墓周辺を掃除し、花など手向けましょう。墓前に手を合わせれば、子どもにも先祖供養の大切さが伝わるはずです。