ビジネスで使える「今般」とは？ 意味・使い方・類語をわかりやすく解説

ビジネス文書や案内状などで見かける「今般」という言葉。かしこまった印象があるものの、正しい意味や使い方に自信がないという声も多く聞かれます。

この記事では、「今般」の読み方から意味、具体的な使用場面や言い換え表現までを丁寧に解説します。

「今般」はどんな意味？

まずは「今般」の読み方と意味から確認していきましょう。

「今般」の読み方と意味

「今般」は「こんぱん」と読みます。「この度（たび）」「今回」といった意味で使われる言葉です。

辞書では次のように説明されています。

こん‐ぱん【今般】
このたび。今回。今度。「―左記へ転居いたしました」
引用：『デジタル大辞泉』（小学館）

日常会話で耳にすることは少なく、主に文章で使われる言葉です。副詞的に改まった場で使われます。

「今般」は「こんぱん」と読み「この度」「今回」を表す改まった語。

「今般」の使い方を場面別に例文で紹介

ここでは、メール・書面・口頭での「今般」の使い方を確認しましょう。

メールでの使用例

今般、京都支社に転勤いたしました。

異動や人事変更の通知でよく用いられます。メールや書面で、「この度」という意味を改まって伝えることができますね。

今般のご支援に、心より御礼申し上げます。

相手の協力や援助に対して感謝を表す丁寧な表現です。

今般のご依頼について、承知いたしました。

業務依頼を正式に受けたことを伝える際に使うと、文章が引き締まります。

今般の件につきましては、担当部署に引き継ぎました。

案件対応を伝えるときに便利な表現です。報告メールでも定型句として使えます。

書面での使用例

今般、下記の住所へ転居いたしました。

転居通知での定番表現です。

今般の法改正により、規定が一部変更となりました。

法改正や規定変更などを正式に知らせる文書での使用例です。

今般の不具合につき、深くお詫び申し上げます。

謝罪文で「今回のトラブル」を表すフォーマルな言い方です。

今般のプロジェクト発足に際し、ご案内申し上げます。

新規事業やイベントの通知文で改まって伝えられます。

口頭での使用例（改まった場）

今般は格別のご配慮をいただき、誠にありがとうございます。

会合や挨拶の場で「このたびは」と同義で感謝を伝えることができます。

今般の取り組みを通じて、多くの学びを得ました。

プレゼンや発表で「今回の活動」を丁寧に述べる際に使えます。

今般の受賞は、皆様のご支援の賜物でございます。

表彰式や公式挨拶で使える定型句です。

「今般」の類語や言い換え表現は？

「今般」と近い意味を持つ言葉はいくつかあります。ここでは、3つの言葉を整理しました。なお、英語ではいずれも “this time” と表現します。

今回

「今般」と同じく、物事が行われる時点を指し、直近の出来事を意味します。

この度／この程

「この度」「この程」も、直近の出来事や機会を指す言葉です。「この度」「この程」は特に挨拶文やお知らせ、公式な発表の場で多く用いられます。「今般」と同様に改まった響きを持ちますよ。

参考：『使い方の分かる 類語例解辞典』（小学館）

最後に

「今般」は少しかしこまった言葉ですが、使いこなせるようになると文書に落ち着いた丁寧さを添えることができます。信頼を感じさせる言葉選びを意識して、日々の仕事に生かしていきましょう。

TOP・アイキャッチ・吹き出し画像／(c) Adobe Stock