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2025.12.26

「狐につままれる」って知ってる? 意味や由来、間違えやすいポイント

もし「狐につままれたようだね」というフレーズを投げかけられたら、うまく反応できますか? なんとなく分かるけれど、正しく理解できているか自信がないという人もいるかもしれません。「狐につままれる」の意味や使い方を分かりやすく説明します。

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「狐につままれる」の意味や由来

まずは「狐につままれる」の意味や使い方、なぜ狐が出てくるのかをチェック。由来を知ると、古くから狐と人間がどのような関係だったか見えてくるはずです。

「狐につままれる」の意味

「狐(きつね)につままれる」とは「予想もしない事態が起こって訳が分からず驚くこと」ことです。聞きなれない言い回しかもしれませんが、たとえば次のような表現ができます。

【例文】
・さっきまでそこにあったはずの鍵が見当たらず、狐につままれたような気持ちだ
・不思議な出来事が続き、まるで狐につままれているみたいだと彼は言った
・交渉が予想外にあっさり成功し、思わず「狐につままれたようだ」とつぶやいた

ただの驚きではなく「びっくりしすぎてあっけにとられる、きょとんとする」というシチュエーションで使うのがポイントです。

狐につまま◦れる
狐に化かされる。また、意外な事が起こって何が何だかわからず、ぽかんとする。「―◦れたような顔
出典:小学館 デジタル大辞泉

「狐につままれる」の由来

「狐につままれる」のつまむは「抓む」と書き、狐や狸(たぬき)が人間をだます、化かすことをいいます。

狐は獲物をだまして捕まえたり、人間のわなを見破って裏をかいたりする知能の高い動物です。

そのような狐なら、人を化かしても不思議はないと昔の人は考えました。夜行性で姿を見せにくく神秘的な印象も影響していたと考えられています。

狐が人や他の動物を化かす昔話は多く、ことわざに出てくる狐は知恵やずるさの象徴ともいえるかもしれません。

「つままれる」と間違えられる言葉

「抓まれる」は日常においてあまり使われない言葉のため、中には「摘まれる」「つつまれる」「つまされる」と間違える人も。

本来「指先で挟む」の意味を持つ「つまむ」という言葉ですが、後に受身形の「つままれる」が「きつねなどにばかされる。また、人にだまされる」の意味で使われるようになったようです。

「摘まれる」は誤字であり「つつまれる」「つまされる」は一字違いです。「つまされる」は、おもに他人の不幸を自分と重ね合わせて共感・同情することで「つままれる」と意味が異なります。

「狐につままれる」の類語・言い換え

「狐につままれる」という慣用句にはあまりなじみがなくても、類語なら知っているかもしれません。類語や言い換え表現の意味を確認するとともに、「狐につままれる」のニュアンスを再確認します。

驚いて口に手を当てている人のイラスト
(c)AdobeStock

寝耳に水

寝耳に水は「寝耳に水の入るごとし」を略した表現で「予想外のことが起きて驚きあわてること」をいいます。

【例文】
・突然に会社が倒産すると聞かされ、寝耳に水の知らせに衝撃を受けた
・彼が結婚することを知り合いから聞き、私にとっては全く寝耳に水の出来事だった
・全く予想していなかった取引先からのクレームに、担当者は寝耳に水の状態だ

由来は『太閤記』の一説で、寝ているときに洪水の音を聞いたか、またはその知らせを聞いて飛び起きたかした様子といわれています。後世になると「寝ているとき、耳に水を掛けられた様子」という解釈もされるようになりました。

鳩が豆鉄砲を食ったよう

鳩が豆鉄砲を食ったようとは「ふいを突かれて驚き、目を見開いてきょとんとしている様子」です。略して「鳩に豆鉄砲」「鳩豆」ともいわれます。

【例文】
・サプライズパーティーの成功に、主役は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で言葉を失った
・全く予想外の質問をされた私は、思わず鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたと思う
・会議中に突然指名された新入社員は、鳩が豆鉄砲を食ったように立ち尽くした

「食った」を「食べた」と誤解する人もいますが、この慣用句は「不意に驚かされてぽかんとする」様子を表すので、「面食らう」と近い意味になります。

青天の霹靂

青天の霹靂(せいてんのへきれき)の「霹靂」は雷のことで、青く晴れた空に突然雷が鳴るように、予想もしない大事件が起こることをいいます。

【例文】
・健康だった父親が突然病に倒れたという知らせは、まさに青天の霹靂だった
・いつも明るい隣人が実は借金を抱えていた事実は、私にとって青天の霹靂だった
・事業の成功を確信していた矢先の契約破棄は、青天の霹靂としか言いようがない

古代中国で11世紀頃から使われるようになった表現で、元は詩や文章の出来栄えが力強いことを誉める言葉だったとか。それがいつしか、予想外の大事件を指すようになりました。

化かす狐に関係する慣用句

今度は狐に関係のある慣用句です。ことわざや慣用句には、昔の人の生活から生まれた言い回しも多くあります。狐に関係のある言葉からは、昔の人の世界観や狐との関係性を垣間見ることができます。

狐のイラスト
(c)AdobeStock
化かす狐に関係する慣用句
  1. 狐と狸の化かし合い
  2. 狐の嫁入り

狐と狸の化かし合い

狐と狸の化かし合いとは「狐や狸が化かすように、人間どうしが悪賢くだまし合う様子」をいいます。

【例文】
・彼は本心を隠し、相手も手の内を見せない、まさに狐と狸の化かし合いだ
・大物政治家同士の会談は、笑顔の裏で狐と狸の化かし合いが続いている
・ライバル企業との情報戦は、相手の裏をかく狐と狸の化かし合いが常だ

政治やビジネス、ときにはプライベートでも、本心を隠した駆け引きを指して使える言葉です。

狐の嫁入り

狐の嫁入りは「晴れているのに、にわか雨が降ること」を指して、しばしば使われます。天気雨の意味で使われる例文を紹介します。

【例文】
・すぐに止んでしまった狐の嫁入りの後には虹が出て、得した気分になった
・急な狐の嫁入りに、慌てて軒下に駆け込み雨宿りをすることになった
・こんな日に出かけると、途中で狐の嫁入りに遭うかもしれないと祖母が言った

狐の嫁入りには「夜に狐火(きつねび)が連なっているのを、嫁入りの提灯(ちょうちん)行列に例えたもの」という意味もありますが、都市部などではあまり使われない傾向がみられます。

狐火は「鬼火」ともいわれ、夜に山や草原などで青白く光る燐光のこと。天気雨も狐火も、狐が人を化かした現象だとみなされてできた言葉のようです。

まとめ

  • 「狐につままれる」とは、予想もしない事態が起こって訳が分からず驚くこと
  • 「つままれる」は「(人間が狐などに)だまされる」という意味
  • 昔の人間にとって、ずる賢い狐はときに人を化かす存在だった

同じ意味の慣用句に「寝耳に水」「鳩が豆鉄砲を食ったよう」などがあります。覚えておくとボキャブラリーが増え、ビジネスで使える表現に幅ができます。

TEXT
Domani編集部

Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けたファッション&ビューティをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれや美容を楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッション感度の高いエディターを通して発信中。
https://domani.shogakukan.co.jp/

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