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2018.12.14

会社の後輩、即戦力になってもらうためには?【原田曜平の「後輩世代のトリセツ」】

今回のテーマは会社の後輩を即戦力にするために必要なこと。サイバーエージェント次世代生活研究所・所長の原田曜平さんが、若者のインサイトを発掘する必要性について語ります。

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会議で若者の意見が出ないなら、環境づくりとモチベーションUPから

「会議で若手が発言しない!」そんな先輩世代の声を聞くことがあります。職場の戦力になってもらうにはどうしたらいいのか。今回は若者と一緒に「会議」について議論してみました。 まず彼らが共通して口にしていたのは、「自分の意見を求められたときに、批判されるんじゃないか不安。でも、何も考えてないとは思われたくない」という気持ち。

読者のみなさんは「今の子って、守りに入ってるよね」と思うかもしれません。でも巻き戻して過去の感覚を取り戻してみると、これって若いうちはだれしも普遍的に感じることで、年と共に忘れているだけ。私も新人のころ、著名なクリエイターの先輩に「このロゴの赤色どう思う?」と聞かれてテンパってしまい、「すごくイイと思います!」と浅い答えを返して悲しそうな顔をされました。自分でもショックで、もっと時間をもらえたらうまく言えたのに! と根拠もなく言い訳したものです。 対して、今の若者ならではの考えだなと感じたのは、「大勢の前で発表するときに、ひとりだと自信がない」「上司がちょっと席をはずしてくれたら、若手で疑問を出し合える。ひとりではなく、みんなの質問や意見として伝えられるといい」というもの。

▲一般の高校生や大学生たちのグループワークではさまざまな表情が垣間見えます。白熱して、ときには涙を流す若者も! やはり若者向けの商品のアイディア出しは得意です。もちろんまだ0から1を生むには経験値は足りないものの、情報検索能力は高くなっているので、ヒットの二番煎じ的なアレンジアイディアを出すのがうまくなっていると感じます。取材協力/上迫凜香、小野里奈々、牧之段直也

今は、ひとりで目立つのを昔より嫌う傾向があります。幼いころから、個人の発信が炎上したり叩かれるのを見てきているせいもあるでしょう。また、日常的にグループLINEで仲間と合意形成していることも背景にあるかもしれません。ある学習塾では、個人成績を貼り出して競わせるより、5人くらいで組ませてチーム戦にしたほうが成績が伸びるとか。ひとりひとりより、「あなたたちで考えて意見を出して」と指示してみるのもひとつの手だと思います。 ただ、みんなでやることによって「個人のベストを出そう!」というほどには意識が高まりません。なので、馴れ合いで話し合い、最大公約数のぼんやりした意見になりがちです。

逆に、苦しくてもひとりで考え抜いたほうが、シャープでロジカルな意見になるケースは多い。ある学生は、「私たち世代は、突き詰めて考えることが苦手で逃げがちだなと感じる。考えるルートの助言がもらえたら」と認識。トレーニングとしてひとりで思考し、純粋な孤独を体験する研修があると有効なのではと感じました。「自分が否定されるのが怖いので、人の意見を否定したり削ったりできない」というのも象徴的です。彼ら自身が「争いごとなくどう生きようかと気を配ってきた」「無理して近くにいなくても、躊躇したら離れればいいと思っている」と自覚しているように、相性の合う子とだけ関われる時代。気まずくなればブロックすればいいし、オンラインで別のコミュニティにつながれるので逃げ場がある。そうやって衝突を怖れるので、無難な意見に落ち着きやすいんですね。ゼミで協調性を優先するあまり、「今の流れでその意見はなくない?」と出る杭が打たれてしまって、本音で意見が言えなくなってしまった子もいるとか。

別の例では、企業のインターンでグループワークをさせると、「それ、いいね!」と言い合ってるうちにタイムアップ。いろんな人の言葉を聞くという能力は上がっているけれど、強引にでもまとめる力は落ちて、プロセス重視になっているんですね。とはいえ、会社に入ればビジネスは結果が最重要。アジェンダとタイムスケジュールを用意して、時間内に成果物にするポイントを教えてあげなくてはいけないでしょう。 「会議を推進する人とは別に、若手をフォローしてくれる役割の人がいるとついていけるし、参加意識がわく」という意見も。モチベーションくらい自分で用意してこい!…と思いますよね。でも、豊かで成熟した社会に生きてきた若者は、単純にお金や出世のために頑張れない。企業にとって若手のモチベーションアップにパワーを割く必要性が高まってきています。彼らのチームワークを活かしつつ、生産性の高い議論ができるよう導いてあげるのも、これからの上司の役割かもしれません。

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マーケティングアナリスト

原田曜平

1977年生まれ。慶応大学商学部卒業後、(株)博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーに就任し、世界中で若者研究及び若者向けのマーケティングや商品開発を行う。2018年12月より(株)サイバーエージェントにて、サイバーエージェント次世代生活研究所・所長に就任。若者研究とメディア研究を中心に、次世代に関わる様々な研究を実施。また、実際の若者たちと広告・プロモーション開発までを担う予定。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。「さとり世代」、「マイルドヤンキー」、「伊達マスク」などの流行語の名づけ親。主な著書に「さとり世代」「ヤンキー経済」「これからの中国の話をしよう」「力を引き出す」「平成トレンド史」「若者わからん」「それ、なんで流行ってるの?」などがある。現在、TBS「ひるおび」レギュラー。

Domani2018年10月号 新Domaniジャーナル「後輩世代のトリセツ」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子

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