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LIFESTYLE 職場の悩み

2018.12.14

持参したのはモバイルWi-Fiとパソコンだけ!南紀白浜で仕事をしながら親子で夏休み【ワーケーションの現場からpart4】

大好評のワーケーション特集。「ワーケーション」とは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)などを組み合わせた欧米発の造語。4人目は、親子ワーケーションを支援している和歌山県での体験をご紹介します。

Text:
南 ゆかり(フリーエディター)
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リモートワークの延長で「考えること」に集中

河田美智子さん
Michiko Kawada/日本能率協会マネジメントセンター
通信教育の教材開発、エグゼクティブを対象としたカウンセリングプログラムなどを担当。

ワーケーションの間、家族は観光ツアーに参加

私自身、ふだんから週に1日は在宅でリモートワークをしていて、自分で時間を調整しながら働く形式は、社内でも定着しつつあります。副業も許可されるなど、働き方のバリエーションは広がっているものの、「ワーケーション」はまだ始まったばかりで手探り状態。今年(2018年)の夏休み、初めてのワーケーションを通して、どんな方法ができるのかを探りながら、4日間過ごしました。

小学生の娘の夏休みが始まってすぐの7月の土日にプラス2日して計4日。京都で単身赴任中の夫も合流して、久しぶりに3人で過ごすことに。行き先に和歌山県の白浜を選んだのは、「親子ワーケーション」というプログラムがあると知ったからです。リモートワークをする場所として設備が整っている和歌山県立情報交流センター ビッグ・ユー(Big・U)があり、そこを中心にして、宿泊先はアクセスしやすいことを条件に選びました。行ってからは、和歌山県から滞在中に役立つレストラン、観光スポットなどのマップや資料がもらえたり、親子ワーケーションをしている家族間の交流があったり、個人で手配するワーケーションとはひと味違う体験ができるのが特徴です。

3泊4日の滞在のうち初めの2日は、家族みんなでホテルのプールで遊んだり、人気のアドベンチャーワールドや絶景の三段壁・千畳敷などを満喫したり。地元食材がおいしくて、お寿司にお好み焼きに流れ子(とこぶし)、地酒まで、大満足。

▲南紀白浜の観光スポットのひとつ、千畳敷。海がきれいで風もさらっとしていて、リラックスできる。

2日間たっぷり楽しんだ後、3日目からはあらかじめ予定しておいた仕事を片付けます。まず、Big・Uを訪れて和歌山県が実施する親子ワーケーションのオリエンテーションを聞いてから、デスクでメールチェックを。その間、夫と娘はプラネタリウム鑑賞やドローン体験など、まだまだ楽しみは続いていました。和歌山の自然や歴史を歩いて探索するツアーに参加したのも、いい思い出になったようです。

この日の夕食時には、夕日を眺めながら親子ワーケーション参加者との交流会も。10家族ほど参加していたでしょうか。和歌山県の方が身銭を切って、親子ワーケーション参加者に打ち上げ花火をサプライズでプレゼントしてくれるといったうれしい演出もあり、家族みんなの思い出となりました。

▲白浜の海鮮市場・フィッシャーマンズワーフでBBQを楽しみながら、ほかのワーケーション参加メンバーとの交流も。

「友達がいっぱいできた」と娘も大満足

そして最終日の4日目も、私は朝食後から3時間、午後に2時間 Big・Uで仕事に向かいました。

▲和歌山県立情報交流センター ビッグ・ユー(Big・U)には、ワークスペースのほかに授乳室、図書館、屋上庭園、カフェやショップなども。写真提供/和歌山県情報政策課

バケーションに仕事を持って行ったのは、今回が初めてでした。とはいえ、ふだんから在宅でリモートワークをしているので、大きな違いはありません。ふだんも今回のワーケーションでも、仕事道具はモバイルWi-Fi(会社支給)とパソコンだけ。専用のモバイルWi-Fiがあれば、自分のパソコンから会社のPCと同じ環境で作業することができるのです。

私の仕事は通信教育の教材開発で、企画を考えたり校正をしたり、じっくりひとりでする作業は、リモートワークのほうが集中できます。一方、社内はいい意味でわいわい仲がよく、楽しくアイディアが出し合えるので、ディスカッションには向いています。仕事内容は適した場所ごとに切り分けて、やること、やらないことを決めておくことが、リモートワーク成功のポイントといえます。

4日目の仕事中、夫と娘は楽しみにしていた水族館へ行き、滞在最後の思い出をつくったようです。Big・Uの中には図書館やカフェもあり、私はここで最終日のランチをとりました。

東京から和歌山は飛行機が1日3便で、移動スケジュールが限られますし、2日間だけだと夏休みとしては少し忙しい。そこに平日2日をつなげるだけで、家族の時間はずいぶんと増えます。平日に夫と合わせて休暇を取るのは難しいかなと思っていましたが、県の施設であるワークスペースが使えることで、休暇と仕事を両立することができました。

帰りの飛行機で、娘が書いた夏休みの絵日記には、和歌山で見たパンダの絵が。私がうれしかったのは、「和歌山で友達がいっぱいできた」と書いていたこと。親子ワーケーションは、小学生の娘にとっても貴重な体験になったようです。

▲南紀白浜のアドベンチャーワールドで見たパンダを小学生の娘が描いた絵日記。東京に帰る飛行機の中で。

▲勤務する日本能率協会マネジメントセンター社内で。メンバーが集まるとにぎやかなミーティングになる。

○和歌山ワーケーションプロジェクト
○和歌山県情報交流センター・ビッグ・ユー

私のワーケーション論
●やる仕事を決め、持ち物は最小限に。
●子どもと遊ぶ日・仕事をする日をきっちり分ける。
●現地では、ひとりで考える仕事に集中する。

南 ゆかり

フリーエディター・ライター。12/28発売の『Domani』では働く女性10人にインタビュー。十人十色の生き方、ぜひ読んでください! ほかに、 Cancam.jpでは「インタビュー連載/ゆとり以上バリキャリ未満の女たち」、Oggi誌面では「お金に困らない女になる!」「この人に今、これが聞きたい!」など連載中。

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