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2018.12.13

家は買うもの? 借りるもの? 不動産投資の前に知っておきたいこと【飯田泰之 半径3メートルからの経済学】

アパート・マンション投資を考えたことはありますか? アラフォー世代に刺さる経済、社会、働き方などについて、経済学者・飯田泰之さんがわかりやすく語ります!

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気になる不動産投資。その前に知っておくべきこと

アパート・マンション投資を考えたことはありますか?「30年間家賃保証」「高利回りで安定した資産運用」といった宣伝文句に、怪しいと思いつつ、少し興味はある……という方は多いのではないでしょうか。 シェアハウス投資を巡る不正融資疑惑で注目されたように、実際大いに怪しい投資用物件があるのも確かです。その一方で、マンションを何室も所有し、本業以上の収益を上げているという人もいます。その秘密はどこにあるのでしょう。

たいていの場合、マンションを購入した人(オーナー)は管理会社とサブリースという契約を結びます。オーナーは購入した物件を管理会社に貸し付けて家賃を受け取り、管理会社が実際の入居者から家賃を受け取るという、いわば又貸しの契約です。管理会社は、自社が管理する多数の類似物件の空室率を見越して、入居者の家賃とオーナーへの支払いの額を設定します(たいてい家賃より1〜2割低い額が支払われます)。オーナーとしては、直接貸す場合よりは金額は劣るものの、自分が買った部屋が空室か否かにかかわりなく賃貸料が得られるというメリットがあるわけです。 このように書くといいことずくめのように感じるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。「30年間家賃保証」を謳っていても、「建設当初と同じ家賃を保証」とはどこにも書かれていないからです。

実際、そのマンションがある地域の家賃相場が下がる、またマンションが古くなるにつれて家賃を下げざるを得なくなった時には入居者が払う家賃も、そしてオーナーの取り分も下がります。 より大きな、そして不動産に特徴的な問題点が個別リスクの存在です。購入した物件、または隣室や近所で事件・事故が起きた、近隣に迷惑な施設ができたなどなど、大幅な家賃引き下げをせざるを得ない状況に陥った時。その責任はオーナーにとって大きな負担となります。 不動産投資の平均的な利益率は株式投資などよりも高い傾向があります。しかし、これだけでは「不動産投資は有利」ということはできません。不動産の高い利回りは「めったに起きないが、起きたら致命的」な危険を引き受けることに対する報酬なのです。ほぼ毎日売買できる株式と異なり、不動産は値下がりし始めたからすぐに売る、つまりは逃げることができない点にもご注意を。

このように整理すると、不動産の「めったに起きないが、起きたら致命的」な危険があり、「問題が起きてもすぐには逃げられない」という特徴は、自宅の購入の際により深刻に考える必要があることに気づくでしょう。住宅ローンを組んで自宅を購入するということは、これらのリスクを引き受けることでもあるのです。 もっとも、自己所有の家・マンションは税制面や相続面でメリットが大きいことも確かです。だからこそ、購入を決心した場合には地域の特徴、近隣の環境を十分調べ、致命的危険を最小限に抑える努力を惜しんではならないのです。

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経済学者

飯田泰之

1975年生まれ。エコノミスト、明治大学政治経済学部准教授、シノドスマネージング・ディレクター、内閣府規制改革推進会議委員。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。わかりやすい解説で、報道番組のコメンテーターとしても活躍。

Domani11月号 新Domaniジャーナル「半径3メートルからの経済学」 より
本誌取材時スタッフ:構成/佐藤久美子

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