【お悩み】自発的に宿題をする子に育てるには、どうしたらいい?
宿題をなかなかしようとしない息子。「今日の宿題は?」と促して渋々取り組めばいいほうで、最近は「今日は宿題はない」などと嘘をつくこともあります。(39歳・子ども9歳/男)
【Dr.アグネス・チャンの答え】「宿題、楽しそうでいいな~♪」と言ってみて
「意味がない」と思うことはやりたくないのが人間という生き物。まず、宿題の意義を子どもに教えましょう。ひとつめは「繰り返しやることで、覚えていないことが覚えられる」こと。勉強がわからないと、学校は苦でしかありません。その場合、宿題は勉強を理解して楽しくなる、いわば自分のためです。
宿題のもうひとつの意義は、先生のため。学校の先生たちは「自分の授業で生徒たちが理解してくれたかな?」「私の教え方は正しいかな?」と不安を抱えているものです。私自身も教壇に立って、そのことを実感しました。宿題の内容をがわかりきっていることだったら、自分にとって宿題をするメリットはあまりないかもしれませんが、先生の不安を解消して安心させることはできます。宿題を通じて、だれかの力になること、思いやりを教えられるということですね。その場合、極端な話ですが、宿題をやるのがギリギリになろうが、親と一緒にチャチャっと済ませてしまおうが、私はいいと思っています(笑)。
とはいえ、自発的に取り組んでくれるに越したことはないので、「宿題はつまらないもの、つらいもの」というイメージは植え付けたくないですよね。私は「宿題、楽しそうでいいな~。ママは学校に行ってないから宿題ができないんだけど、やりたいの。ママが帰って来るまでにひとりでやっちゃダメだよ、ママの楽しみをとらないでね♪」と常日ごろから話していたせいか、子どもたちは「宿題、早くやろう!」と楽しみにしていましたよ。
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撮影/田中麻以 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
アグネス・チャン著
定価:1,400円(税抜)
発売元:小学館
教えてくれたのは…
アグネス・チャン
歌手・エッセイスト・教育学博士/ 1955年、香港生まれ。1970年代より日本で歌手として活躍し、上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年、アメリカのスタンフォード大学教育学部博士課程に留学し、1994年に教育学博士号を取得。長男、次男、三男も母校スタンフォード大学に合格して話題となる。現在、ユニセフ・アジア親善大使、日本対がん協会ほほえみ大使など芸能活動のみならず幅広く活躍。2018年春の叙勲で旭日小授章を受章。2019年4月出版の著書『未知に勝つ子育て:AI時代への準備』(小学館)には、AI時代の家庭教育のヒントが満載!