1年通してのUVケアはもはや常識となりつつある昨今。年間の70~80%の紫外線は4月から9月に降り注ぐといわれており(「紫外線環境保健マニュアル」2015年3月 環境省より)、4月はまさにUV対策に本腰を入れるタイミングです。
〈季節別紫外線照射量と年間照射量に占める割合〉
▲出典:環境省ホームページ
東京工業大学大学院でマスク研究を行う飯田裕貴子さんによれば、「紫外線対策にマスクを活用するのもひとつの手なんです」とのこと。
「環境省が1990年に調査を開始して以降、地球に降り注ぐ紫外線の量はゆるやかに上昇しています。肌のたるみやシワ、日焼け、皮膚がんなどのほか、長年紫外線にあたり続けることで人体に現れる慢性傷害などもあるため、紫外線を防止することを日常的な習慣にすることが大切になっています。頭や体は帽子や洋服で直接ガードできますが、顔はそれが難しい。アウトドアで過ごす時間が多くなるこの時期の紫外線対策に、ぜひマスクの活用をおすすめします」
紫外線対策としてのマスク選びのポイント
1 顔を覆う面積ができるだけ大きいこと
2 顔とマスクの間にすきまがあること
3 UVカット機能が付いていること
「紫外線対策としてのマスク選びで大切なのは、顔を覆う部分が大きいことです。鼻のつけ根から頬、あごまですっぽりと覆われるような大きめのものを選んでください。花粉症対策のときと違って、マスクの密着性はあまり必要ありません。夏場だとマスクで顔が蒸れてしまうので、顔とマスクの間にある程度すきまがあるほうが快適に付けられると思います。UVカット機能つきのものだとさらに安心です。
そしてこれらの条件を総合すると、紫外線対策には「立体タイプ」のUVカットマスクがおすすめといえそうです。今は気軽に試せる使い捨てタイプから洗濯して繰り返し使えるものまで、さまざまな立体マスクが出ています。ご自身が長時間快適につけられるものをぜひ探してみてください」
夏の日差しは年々強さを増し、ときには痛さを感じるほど熱いこともあります。ふだんだてマスクをしている方は、たとえば夏場だけは立体タイプのマスクに変えてみる。そうでない方も、長時間屋外で過ごすときは日焼け対策をしたうえで、マスクも使ってみてはいかがでしょうか。
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教えてくれたのは
マスク研究家
飯田裕貴子
東京工業大学 総合理工学研究科 衛生工学衛生管理者
日本でも数少ない“マスク研究家”。大阪府立大学大学院修了後、医療食品会社の衛生管理員や労働科学研究所を経て、東京工業大学大学院に再就学。社会人時代からマスク研究に携り、産業用から感染症予防までさまざまなタイプのマスクに精通。2015年にはバラエティ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)にマスクの専門家として出演。
取材・文
谷畑まゆみ
フリーエディター・ライター。『Domani』「女の時間割。」連載担当。日本財団ボランティアサポートセンターオフィシャルサイトにて、視覚障がい者が運営ボランティアに参加した「パラ駅伝in TOKYO 2019」レポート公開中。