【目次】
・産後、痩せないのはなぜ?
・産後痩せる人と痩せない人の違いは?
・産後痩せない原因は何?
・産後痩せる時期はいつ?
・産後下半身をスリムにする方法は?
・腹筋年齢をチェックする方法
・ぽっこりお腹を引き締める簡単エクササイズ7
出産後の体型戻しはアラフォーママにとって重大な問題です。2児の母である筆者も体型を戻すべく、産後すぐから骨盤ベルトを毎日しめたり、ネットで調べた産褥体操をしてみたり、母に息子を託し、自転車を走らせ整体へ骨盤を締めに行ったり、DVDを見ながら産後ヨガにもトライするなど、あらゆることをしました。長男のときは比較的順調に体重が戻ったのですが、次男の産後はそんな時間もなく、忙しさからついほったらかしに…。
出産後はできるだけ早く妊娠前の体型に戻したいという思いは誰にでもあると思いますが、何をすればいいのだろう…と思い悩んでいるママもまた多いはず。今回はカイロプラクターでご自身も2児の母である碓田紗由里さんに、産後ダイエットに効果的な方法を伺いました。
産後の悩みは人それぞれですが、出産後、多くのママたちが頭を抱えている「体重」「体型」に関すること。もちろん、出産前の体型や体質、出産方法などによってそれぞれ事情は異なりますが、多くのママが「あと○キロ痩せない」「出産前と全然体型が違う…」など、悩みはつきないようです。そんな悩めるワーママのお悩みについて、碓田さんが答えてくれました。
【目次】
- 【悩み1】2人目を出産し、1人目のように体重が戻りません。産後1年経ちましたが、産前の体型とは程遠く…(泣)。どうすればいいでしょうか?(A・Yさん)
- 【悩み2】帝王切開で出産しました。同時期に出産したママ友はあっという間に元の体型に戻ったのに、私は産後3ヶ月経っても1年経ってもなかなか痩せません…。痩せる人と痩せない人の違いって何ですか?(T・Kさん)
- 【悩み3】出産後、痩せなくてストレスが溜まります。どうしたらいいでしょうか?(E・Yさん)
- 【悩み4】産後、できるだけ早く痩せたいのですが、痩せやすい時期はいつですか?(Y・Kさん)
- 【悩み5】産後太り、特に下半身が気になります(ぽっこりお腹は切実です…)。ズバリ、下半身を痩せる方法を教えてください!(R・Oさん)
- あなたの腹筋年齢はいくつ? 腹筋の状態を今すぐチェック
- デスクワーク中にもできる!ぽっこりお腹を引き締める簡単エクササイズ
【悩み1】2人目を出産し、1人目のように体重が戻りません。産後1年経ちましたが、産前の体型とは程遠く…(泣)。どうすればいいでしょうか?(A・Yさん)
碓田さん(以下敬称略):「理想をいえば、2人目であろうと、産後6ヶ月までに元の体重・体型に戻せるといいのですが、1人目に比べると『産後痩せない』『体型が戻らない』という悩みをよく聞きます。その原因のひとつに骨盤のゆがみがあります。
妊娠・出産により骨盤は開き、ゆがみが生じます。骨盤をゆがんだまま放っておくと、体型が戻らない大きな原因に。骨盤がゆがんだままでは元の体型に戻すことはできません。まずは専門知識のある施術院で骨盤のケアをしてもらいましょう。2人目のママは、1人目のとき以上に育児に追われ、自分のことは後まわしにしがち。1人目のときに比べ、年齢的な衰えも考えられます。体重を減らすことよりも、まずは骨盤をケアし、妊娠中に衰えた筋力を取り戻すなど、体を整え、体力をつけることを考えましょう。体力がつけば自然と体重も落ちやすくなります」
【悩み2】帝王切開で出産しました。同時期に出産したママ友はあっという間に元の体型に戻ったのに、私は産後3ヶ月経っても1年経ってもなかなか痩せません…。痩せる人と痩せない人の違いって何ですか?(T・Kさん)
碓田:「出産は十人十色。人それぞれ妊娠の経過も出産方法も違います。原因は色々考えられますが、帝王切開による出産か経膣分娩なのかで産後の経過は異なります。経膣分娩の場合、赤ちゃんが産まれるときに骨盤が最大限に開き、その反動によって骨盤が戻ります。すると体は『妊娠が終わったんだな』と判断し、妊娠のホルモンが出なくなります。しかし、帝王切開の場合は、その一連の過程を経ずに赤ちゃんが産まれてくるので、体が出産したことになかなか気づきません。帝王切開でも妊娠中、体は出産に向けて骨盤が開いていきます。しかし、出産したことに気づきにくいため、骨盤の戻りが悪く、体は妊娠を継続させるホルモンを出し続けることから、痩せにくい状態が続きます。
さらに授乳をしているか、していないかによっても痩せやすさは違います。母乳をつくるのに、完全母乳の場合は、1日約800〜1000キロカロリー消費するといわれています。単純にエネルギーをたくさん消費するので、それだけでも痩せやすくなります。帝王切開の場合は、母乳を開始するまでに時間がかかったり、お母さんが痛み止めを飲むことによって薬の影響で赤ちゃんが眠くなり、よく眠ってしまうというケースも。するとおっぱいをなかなか吸わず、赤ちゃんが母乳を飲まないことで母乳の出が悪くなる、という悪循環が続きます。
すべての産後ママに骨盤のケアはもちろん必要ですが、帝王切開で出産されたママの方がよりしっかりケアをすべきです。ただ、帝王切開の場合は傷があるので、傷の経過を見てケアしていきましょう。産後1ヶ月も経てばケアは受けられますが、痛みが引き、ご自身が受けても大丈夫、と思えるようになってから施術を受けに行くといいでしょう」
【悩み3】出産後、痩せなくてストレスが溜まります。どうしたらいいでしょうか?(E・Yさん)
碓田さん:「ストレスは心にも体にもよくありませんね。ただでさえ、育児は思い通りにいかないストレスがあります。産後の体型戻しはみなさん難しく考えがちですが、姿勢習慣を見直し、ゆがんだ骨盤を元に戻し、妊娠中に衰えた筋力を元に戻す。この3つができれば元の体型に戻すことは十分にできます。ウォーキングもおすすめです。歩くときは姿勢をよくし、汗ばむ程度の速さで歩くとダイエットに効果的です。赤ちゃんも散歩が好きですから、ママも赤ちゃんも気分転換になるでしょう。あまり頭でっかちにならず、ご自身の生活習慣に取り入れられることから徐々に実践していきましょう!」
【悩み4】産後、できるだけ早く痩せたいのですが、痩せやすい時期はいつですか?(Y・Kさん)
碓田:「早く元の体型に戻したいのであれば、骨盤のゆがみはできるだけ早く取り除くべきです。産後1ヶ月いわゆる”産褥期”は関節が柔らかいため、うまくゆがみを取り、ケアすれば元の状態よりもさらによくすることもできるでしょう。
産後ダイエットを開始する時期は、一般的には産褥明け(産後21日後)が目安。骨盤は産後1ヶ月〜2ヶ月で整え、体重・体型は6ヶ月以内に戻すつもりで取り組みましょう! しかし、元々の体力や産後の経過によって個人差があるので、焦りは禁物。医師や助産師、自分の体と相談しながら無理なく開始しましょう」
【悩み5】産後太り、特に下半身が気になります(ぽっこりお腹は切実です…)。ズバリ、下半身を痩せる方法を教えてください!(R・Oさん)
碓田:「ぽっこりお腹、気にされるママ多いですよね。その原因は腹筋の弱さと姿勢の崩れにあります。腹筋(腹直筋)は、赤ちゃんの成長にともない、お腹が大きくなることによって引き伸ばされ、どうしても弱ってしまいます。
人によっては『腹直筋離開』という、腹筋が裂けた状態、簡単にいえばお腹の肉離れのようなことが起こります。程度の差はありますが、実は、妊婦さんのほとんどがこの状態になっているといわれています。基本的に痛みはないため、ほとんどの人は気づかず、軽いものは自然と治っていきますが、腹筋の弱さは姿勢に大きく影響します。腹筋が弱っていると腰が反りがちになり、お腹をつき出したような姿勢に。すると、ぽっこりお腹に見えてしまいます。
なので、下半身痩せを考えるなら、腹筋のケアからスタートしましょう! ただし、産後は上体を起こす、いわゆる”腹筋”はNG。腹直筋離開も考慮しなくてはならないので、一度専門家に相談してからはじめましょう」
あなたの腹筋年齢はいくつ? 腹筋の状態を今すぐチェック
産後ダイエットに大きく影響する腹筋。産後は腹筋のケアが必須とのことで、まずは自分の腹筋の状態をチェックしてみましょう! ぜひ、ご自身の年齢と照らし合わせてみてください。腹直筋離開も考慮する必要があるので、チェックするのは1回のみ。このチェック法をエクササイズとしておこなわないでください。
【チェック①:腹筋の状態が20代である場合】
⑴ 手を頭の後ろで組む。脚は膝を曲げず、まっすぐ伸ばす。
⑵ ⑴の状態のまま、反動をつけずに起き上がる。これができれば腹筋の状態は良好。20代程度の腹筋といえます。
【チェック②:腹筋年齢が20代後半〜30代前半の場合】
⑴ 仰向けになり、胸の上で手をクロスする。脚は膝を曲げず、まっすぐ伸ばす。
⑵ ⑴の状態のまま、反動をつけずに起き上がる。これができれば、腹筋年齢は20代後半から30代前半程度といえます。
【チェック③:腹筋年齢が30代後半〜40代である場合】
⑴ 仰向けになり、手を垂直に伸ばす。脚は膝を曲げず、まっすぐ伸ばす。
⑵ ⑴の状態のまま、勢いをつけずに起き上がる。これができれば、腹筋年齢は30代後半から40代前半程度といえます。
腕に反動をつけなくてはできない、腕に反動をつけてもまったく起き上がれない場合は、腹筋がかなり弱っています。エクササイズをして、少しずつ取り戻しましょう!
デスクワーク中にもできる!ぽっこりお腹を引き締める簡単エクササイズ
「体重はどうにか戻ったけれど、お腹だけは…」と悩む産後ママが多い中、「腹筋は鍛えるのが大変…」というイメージから、トライしないママが多いようですが、実はとっても簡単&ラク! 仕事中や自宅で座っている時間にできるので、ぜひ今日から実践しましょう!
⑴椅子に座り、お腹に手を当てる。
手を当てるのは意識するためなので、手を当てなくでもOK。
⑵鼻からゆっくり息を吸い、息を「ふ〜っ」と吐きながらお腹をへこませていき、これ以上吐けないところまで吐ききって、お腹をへこませる。そこからさらにひと息「ふっ!!」と吐き、お腹をへこませる。
最後息を吐ききるときは、お腹と背中がくっつくのではないかというくらい薄くする、ボクサーがお腹を殴られても平気なくらい硬くするイメージ。これを5〜10回行うだけで十分腹筋は鍛えられます。妊娠中や産後すぐでもOK。
出産を経験したママは、その体の変化に多かれ少なかれ戸惑うもの。しかし、出産はある意味美しく変化するチャンスでもあります。「出産前と変わってしまった…」とネガティブになるのではなく、出産による変化をポジティブに転換し、さらにキレイを目指しましょう!
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カイロプラクター 姿勢教育指導士
碓田紗由里(うすださゆり)
虎ノ門カイロプラクティック院副院長。これまで女性を中心に、のべ1万人の施術をしてきた経緯と自身の妊娠・出産の体験から、出産前後の女性がかかえる体型の変化や体調不良を改善するためのオリジナルプログラムを開発、提案。自身もこのプログラムにより元の体型に戻すだけでなく、妊娠前の体重よりマイナス7キロをキープをしている。虎ノ門カイロプラクティック院
撮影/黒石あみ 取材・文/村井 絢