【目次】
・燻製には時間と温度による三つの製法がある
・自宅でもキャンプでも必要な道具は主に二つ
・燻製におすすめの食材と簡単にできるレシピー
燻製には時間と温度による三つの製法がある
燻製の製法には、燻煙時の温度が高い順に「熱燻法」「温燻法」「冷燻法」の3種類があります。それぞれ完成までの時間は異なり、高温ほど短く、低温ほど長いのが一般的です。
ジューシーに仕上がる熱燻法
「熱燻法」は80~140℃くらいの高温で、数十分ほど燻煙する製法です。燻煙の時間が短いため、食材の水分が多く残り、ジューシーに仕上がります。
温度管理が簡単で時間がかからないため、キャンプやバーベキューなどのアウトドア調理や、夕食のおかずにも最適です。食材がしっかり加熱されることもあり、初心者でも安心してチャレンジできるでしょう。ただし、熱燻法で作った燻製は水分が多く、保存がききません。作ったらすぐに食べ切るようにしましょう。
もっともポピュラーな温燻法
50~80℃で、数時間から1日かけて燻煙するのが「温燻法」です。燻製と言えば、一般的には温燻法で作るものを指し、ベーコンやソーセージなど、ほとんどの燻製はこの製法で作られています。食材の水分が半分程度に減るため、数日は保存が可能です。温度を一定に保つコツさえ押さえれば、自宅でも簡単に作れます。
長期の保存が可能な冷燻法
「冷燻法」では、25℃前後の低温で2週間以上かけて燻製します。ほかの製法に比べて完成後の水分量が少なく、長期の保存が可能です。ただし、低温を保つために大型の設備が必要で、設備があっても外気温が25℃を超える季節には作れません。日本では北海道や高原などの涼しい地域を除いて、作れる季節が限定されます。
自宅でもキャンプでも必要な道具は主に二つ
いざ燻製作りをしょうと思っても、何を用意すればよいのか迷いますよね。いろいろな道具が必要なイメージがあるかもしれません。しかし、「スモーカー(燻煙器)」と「チップ」のたった二つで燻煙ができるのです。これらがあれば、自宅でもキャンプ場でも手軽に燻製が作れます。
製法によっても変わるスモーカー
「スモーカー」の種類は、燻煙法によって選ぶのが基本です。熱燻法には熱源と材料の距離が近い、小型のスモーカーが適しています。また、温燻法には中型、冷燻法には大型と覚えておきましょう。
熱燻用の小型タイプは、ガスコンロなどの熱源に乗せやすいように鍋のような形をしたものが多く、中型になると筒のような形が多くなります。キャンプなどに持って行くなら、段ボール紙でできた組み立て式のスモーカーもおすすめです。軽いですし、かさばらないので使い勝手がよいでしょう。
燻製の色と香りを決めるチップ
燻煙時の「煙」の元となるのが、木を細かく砕いた「スモーキングチップ」や、木の粉を押し固めた「スモーキングウッド(ブロック)」と呼ばれる燻煙材です。
材料となる木の種類によって、味や香りが決まるため、燻煙材選びは燻製作りの大きな楽しみと言えます。燻製にしたい食材と相性のよい木を選びましょう。慣れてきたら複数の木をブレンドして、オリジナルの味を追求するのもおすすめです。
燻製におすすめの食材と簡単にできるレシピ
燻製にはさまざまな食材が使えますが、初めて挑戦するなら、面倒な下ごしらえや後片付けができるだけ少ないものがよいでしょう。洗い物が減り、キャンプにもおすすめです。最も手軽な熱燻法を使ったレシピを紹介します。
燻製といえば!【チーズ】
チーズの燻製は下準備がほとんどなく、とても手軽に作れます。キャンプやバーベキューはもちろん、ちょっとしたおつまみにもぴったりのメニューです。燻製には、溶けにくい固めのプロセスチーズが適しています。6Pチーズやキャンディチーズを使えば、一口サイズにカットする手間もかかりません。
スモーカーにチップをセットしたら強火で加熱し、煙が出たら弱火にして網にチーズを乗せてフタをします。5~10分おきにフタを開け、チーズに付いた水滴をキッチンペーパーで拭きましょう。拭き取る手間は少々かかりますが、きれいな色に仕上げるためには大切な工程です。そして、チーズが溶けない程度の火力を保ち、30分ほど燻煙したら取り出します。
できあがったチーズはすぐに食べてもおいしいですが、粗熱を取り、冷蔵庫に数時間入れておくとさらにおいしくなります。自宅で作るときは、1日くらい寝かせてから食べるとよいでしょう。
こちらも定番!【ゆで卵】
いつものゆで卵も、ひと手間かけて燻製にすると、また違った味わいになります。卵はお好みの固さにゆで、「燻製液」につけて冷蔵庫で数時間寝かせます。
燻製液はだし汁100ccに対してしょう油・みりん各大さじ4杯が目安です。市販のめんつゆで代用してもよいでしょう。卵を取り出し、表面をキッチンペーパーなどで拭いて、冷蔵庫に1日ほど入れ乾燥させます。チーズと同じように、スモーカーに並べてフタをし、10分ほど加熱したら完成です。
お店みたいな味が出せる!【鶏肉】
肉類にチャレンジするなら、シンプルな材料でお店のような味が簡単に出せる「鶏肉」がおすすめです。鶏もも肉1枚に、塩小さじ1と適量の胡椒をよくもみ込みます。味がなじむまで10~20分ほど休ませたら、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。そして、網に乗せて風通しのよい場所に置き、表面を乾燥させましょう。
乾燥には30分以上かかるため、室温が高いときは冷蔵庫に入れておきます。スモーカーにチップをセットしたら、肉汁がかからないようにチップの上にアルミホイルをかぶせておきましょう。網に肉を置き、フタをして、弱火で好みの色になるまで加熱したらできあがりです。チーズ同様、数分おきにフタを開け、表面の水分をこまめに拭き取りましょう。
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