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2019.08.24

「親権者は私なのに元夫が息子を連れ去りました。取り戻すにはどうしたらいい?」【教えて!離婚駆け込み寺】

「離婚したいけど、お金や離婚後の生活のことを考えると動けない。誰に相談すればいいかわからない」―そんなお悩みに弁護士の中川裕一郎先生が答える、ワーママの離婚駆け込み相談室。今回は、子供の連れ去りに関するお悩みをご紹介します。

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Q.離婚後、夫が息子を連れ去って育てています。親権者は私と決めて離婚したので私が育てたいのですが、どうすればいいですか。(41歳・5歳の息子のママ)

A.「子供のいわゆる『連れ去り』の場合、取り戻しには多大な労力と時間を費やす事になり,しかも非常に困難な状況になります。というのも、これが物や金銭であれば差し押さえや強制執行なども可能ですが、人間が対象となると、簡単にそうは行かないからです。

例えばお子さんがお父さんに懐いていて、離れたくないと泣き叫んでいるところを、無理やり父親から子を力尽くで引き離すのはかわいそうだと思える場面も出てきますよね。直接強制といって裁判所の執行官が子供を直接取り戻そうとした場合に、当該執行官が躊躇をしてしまい、執行が失敗に終わる事もあります。また、このようなケースもあるため,最近では裁判所が直接強制ではなく、『引き渡さない限り1日あたり金〇円の罰金を支払え』という命令を出す、間接強制のみを認めるケースも増えてきています。

もちろん、お父さんとお母さん、どちらのもとで育つのがお子さんにとって望ましいのかということは裁判所で決定することができます。

ご質問者様のケースでは既に親権者がご質問者様と決まっているので良いのですが、仮に離婚の際に親権者を夫と定めてしまった場合でも、調停又は審判で『親権者変更申立』という手続きを経て離婚後に親権者を妻に戻したうえで、子の引渡しを求める事が出来ます。そのうえで連れ去った側が素直に引き渡してくれれば、問題はないということになります。

問題は、家庭裁判所により子を引き渡せとの命令が出ているのに、相手が引き渡しを渋った場合です。

過去には、子を連れ去った父親側が引き渡しを渋ったため、彼がその場に居合わせないタイミングを見計らって、裁判所の執行官が幼稚園から子どもを連れ出してお母さんに引き渡した、というケースもありました。

子どもの連れ去り事案にはさまざまなケースがあり一概には言えないのですが、一般論として私が思うのは、どちらが親権を取るかという夫婦同士の争いよりも、いちばんに考えるべきは、まずはお子さんの気持ちではないでしょうか。お子さんにとっては、どちらも大切な父と母なのです。夫婦のいがみ合いに巻き込んで、幼い心に一生残る深い傷を負わせることだけは、絶対に避けるように心がけていただきたいのです。

そのためにはどちらが親権を取ったとしても、子供が望んだときに自由に両親の元を行き来できる関係を、できる限り築いてあげる事が重要です。

そして一緒に暮らせない側の親御さんも、お子さんに十分な養育環境を与えられるよう、養育費等を払い続けるなどして、離れていても親としての責任を果たし、愛情を送り続けることです。

そうすれば、たとえ一緒に暮らしていないとしても、お子さんはご両親どちらの愛情も感じながら育つことができます。そのためにも、お子さんに別れたパートナーの悪口を吹き込みながら育てるなんてことは、くれぐれもなさらないでください。『大好きなお父さんとお母さん』と、胸を張って言えるお子さんに育ててあげてくださいね!」(中川裕一郎先生)

●本連載では離婚に関する慰謝料や養育費など、法律的な悩みや疑問にプロの弁護士が直接回答します!ご相談ごとがあるかたは、domani2@shogakukan.co.jpまでメールでお寄せください。 件名に「離婚相談」と書いてなるべく具体的な内容をお送りください。すべてのご相談にお答えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。

中川先生によるお悩み相談過去記事はこちら▶︎離婚駆け込み寺

中川裕一郎

お悩みに回答してくれたのは・・・

中川裕一郎先生

弁護士。東京中川法律事務所経営。https://tokyo-nakagawa.com
商社勤務時代にバックパッカー旅行に飛び出し、世界中を回ってみつけた、弁護士となって社会的正義を守るという生涯の目標のため、紛争を未然に防止し、目の前の依頼者を笑顔にするために日々奮闘中。親身になってアドバイスをくれる人情派弁護士として、依頼者たちからの信頼も篤い。

インタビュー・文

さかいもゆる

出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。Web Domaniの人気連載「バツイチわらしべ長者」で様々なバツイチたちの人生を紹介している。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」では、アラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。

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