はさまれキャリアが〝人のミスを上手に謝る〟コツ
ビジネスでのお詫びは、会社に損害や損失をあたえてしまう可能性もはらんでいます。やり方ひとつで大きな差がつく謝罪の常識。今回は、プルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパン株式会社 広報マネージャーの林文恵さんにお聞きしました。
事前の打ち合わせと後フォローをするのがコツ
組織の価値を傷つけるような深刻な不祥事や事故が起きた際に備えて、風評リスク管理に取り組む林さん。企業の謝罪会見は日ごろのシミュレーションが大切とのこと。
「起こりうるいくつものシナリオをつくって準備します。たとえば個人情報が大量に漏洩してしまった場合。まずは社内の情報を集めて事実確認。外部に伝える内容を明確にします。次にことの重大さにより、公式サイトやプレスリリースで発表するのか、会見を行うかを決定。説明する相手の優先順位づけも行います。会見に備えて記者役を立てて、質疑応答の予行演習をすることもあります。すべてにスピード感をもって行うことを意識します」
たとえばドマーニキャリアが後輩など人のミスを謝るときは、どんな備えが必要でしょうか。
「バッドニュースファーストと言われるように、まずは電話をかけてミスを報告してお詫びします。お詫びに伺いたい旨を伝えて先方に断られたら、お詫びメールを送って文面に残します。問題は一緒に謝りに行く場合。“全面的に悪かったと謝るからね”と、後輩と事前に打ち合わせを。終了後は“ごめん、ちょっと言いすぎたね”とフォローも。個人ではなく組織として対応することも再確認しておきましょう」
<まとめ>
【1】まずは電話で報告とお詫びをする
【2】一緒に謝る場合は、事前の打ち合わせとフォローが重要
【3】個人ではなく〝組織〟として対応する
お話を伺ったのは
林 文恵さん
はやし・ふみえ/1975年、東京都生まれ。上智大学大学院外国語研究科地域研究専攻博士前期課程修了。前職のIT企業を含め、広報歴は15年。現在、風評リスク管理を含む対外広報を担当中。
Domani2018年11月号「デキる女は“お礼上手でお詫び上手”なんです!」より
本誌構成時スタッフ:撮影/与儀達久 構成/谷畑まゆみ 再構成/WebDomani編集部