押さえておきたい〝お詫びメールのマナー〟
ビジネスでのお詫びは、会社に損害や損失をあたえてしまう可能性もはらんでいます。やり方ひとつで大きな差がつく謝罪の常識。今回は、コミュニケーション・ファクトリーの中川路亜紀さんにお聞きしました。
想像力の欠如したお詫びではこちらの誠意は伝わらない
ビジネス・コミュニケーションに精通する中川路さん。インターネットの影響で、言葉づかいはカジュアルになっていますが、伝えるための心づかいとして必要なことは変わっていないと言います。
「お詫びメールを書くにあたっては、相手にどんな迷惑がかかったか想像力を働かせる必要があります。
相手に大きなタイムロスをさせてしまったというときは“大変なお手間を取らせてしまい、申し訳ありませんでした”とお詫びをし、先方に恥をかかせてしまった場合なら“大変失礼なことになってしまい、申し訳ありませんでした”というように、先方の状況や気持ちに沿ったお詫びの言葉をしっかり書きます。
お詫びメールを送る際に注意すべきことがあったら、教えてください。
メールは重大なトラブルがあったときの第一報ではなく、まずは電話で知らせましょう。そのあとで、お詫びのメールを送ります。
お詫びのメールは、お詫び、経過説明、反省の言葉、今後への誓いをセットにするのが基本です(詳しくはこちらの記事を参照)。これはビジネス文書時代からの様式です。
そして何よりも大切なのは、やはり読む相手への想像力をもつこと。経緯の説明の際にはわかりにくい専門用語は使わない。場合によってはお詫びの言葉を重ねながら、丁寧に書いてみてください」
<まとめ>
【1】お詫びメールは説明+反省+今後の誓いが基本
【2】内輪で通じる社内用語や業界の専門用語は使わない
【3】表現を変えて言葉を重ねると丁寧さが伝わる
インタビュー
中川路亜紀さん
なかがわじ・あき/1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てビジネス・コミュニケーションの専門家に。『気のきいた短いメールが書ける本』『気のきいたモノの言い方ができる本』(共にダイヤモンド社)など著書多数
Domani2018年11月号「デキる女は“お礼上手でお詫び上手”なんです!」より
本誌撮影時スタッフ:構成/谷畑まゆみ 再構成/WebDomani編集部