耳垢の種類と耳かきの種類を知ろう
耳垢には、カサカサした「乾性」とベタベタした「湿性」の2種類があります。耳内部を傷つけず、ごっそりと耳垢を取るには、耳垢の種類に応じた耳かきを使うことがポイントです。どのようなタイプがあるのか詳しく見ていきましょう。
乾性にはヘラ型やワイヤー型
日本人の約7割と言われる「乾性の耳垢」は、パイ皮や魚の鱗のように薄く、灰白色をしているのが特徴です。
乾性には、オーソドックスなタイプのスプーン型とも言われる「ヘラ型」が最適です。湾曲した先端は小回りが利きやすく、耳内に分散した細かい耳垢や奥にこびりついた耳垢をしっかりと削ぎとることができます。
一方で、耳垢が取れるのが片面だけなので、下手をすると耳垢を耳の奥に押し込んでしまう場合も少なくありません。
数本の細いワイヤーが束になった「ワイヤー型」は、乾性・湿性のどちらにも有効なタイプです。
乾性の耳垢は引き抜くときに耳垢がポロポロこぼれがちですが、三連続になったワイヤータイプなら、細かい耳垢をしっかりキャッチしてくれます。
湿性にはスクリュー型やスパイラル型
西洋人に多い「湿性の耳垢」は、松ヤニのような粘りがあり、褐色をしているのが特徴です。湿性耳垢の持ち主は、乾性に比べて耳内の耳垢腺および分泌物の量が多く、耳垢もねっとりとした湿り気を帯びてくるのです。
湿性は「スクリュー型」や「スパイラル型」の耳かきが良いでしょう。どちらも先端がネジのような形状で、360度の面で耳掃除ができるのがメリットです。
弾力のあるバネを用いたものは、指の力を吸収するため、耳内部に余計な力がかからず、耳の中を傷つけにくいです。
先ほど紹介した、ヘラ型よりも安全に耳掃除ができますが、先端の大きなものは、耳の入り口付近でストップしてしまうのでサイズ選びは入念に行う必要があります。
耳かきを選ぶときのポイントとは?
耳穴の形や大きさ、皮膚の柔らかさは人によって異なります。耳内はデリケートで傷つきやすいため、自分の耳にフィットした専用の耳かきを持ちましょう。サイズや太さ、材質など、耳かき選びのポイントを解説します。
使いやすいサイズや太さ
耳かきで重要なのは、先端部分のサイズや太さです。先端部分が細いほど耳の奥までしっかり入り、逆に先端が太く大きければ、耳の鼓膜を傷つける可能性は低くなります。
耳の穴の形や大きさは千差万別なので、1本の耳かきを家族みんなで共有するのはあまり好ましくありません。子供にはその子供に合ったタイプを、大人には大人の使いやすいサイズを選ぶことをおすすめします。
先端の大きさの他に、持ち手部分のフィット感や、耳かき全体の長さもチェックしましょう。実際に手で握ってみて、動かしやすく小回りが利くものが理想です。
耳かきの材質にも気を付けよう
耳かきの材質は、木製・竹製・金属・プラスチック・シリコンゴムなどが主流です。
金属などの硬い素材は、耳の薄い皮膚を傷つけてしまうケースがありますが、竹製は「しなり」があり、余分な力を吸収して耳あたりを柔らかくしてくれます。
シリコンゴムやプラスチックを選ぶときは、程良い硬さや重量感があるかを確認しましょう。あまりにも柔らかく軽いものは、耳をしっかりかきにくくなり、耐久性も低いです。
手入れのしやすさもポイント
忘れていけないのが、「耳かきの手入れのしやすさ」です。耳の中は、とてもデリケートで傷付きやすく、汚れが付いた耳かきを使い続けると感染症になる可能性もあります。
ヘラ型のものは、消毒液で拭き取れば簡単にきれいになりますが、スパイラル型やスクリュー型などの形状が複雑なものは、拭いただけでは汚れが落ちない場合があります。できれば、水洗いできる材質の耳かきが好ましいでしょう。
また、竹製や木製の耳かきは表面の汚れは拭き取れても、長年使い続けると繊維に汚れや菌が入り込んでしまいます。
菌が繁殖しにくい「抗菌加工タイプ」を選んだり、定期的に耳かきを交換したりして清潔さを保ちましょう。
電動耳かきの機能にも注目してみよう
耳かきが苦手な人に人気なのが、「電動耳かき」です。普通の耳かきに比べて値は張りますが、安全かつきれいに耳掃除ができるので、子供や高齢者がいる家庭では重宝するでしょう。
電動耳かきと一口に言っても、さまざまな機能を持つものがあります。どのような種類があるのか詳しく見ていきます。
耳垢を落とさないイヤークリーナー
「イヤークリーナー」は、電動歯ブラシのように、機械に掃除用のノズルやブラシを装着して使うタイプで、スイッチを入れると、機械から絶妙な振動が発せられるのが特徴です。
さらに「吸引機能」があるタイプを選べば、耳内に落ちた細かい耳垢をしっかり吸い取ってくれ、パン粉のような細かい乾性耳垢も見違えるようにきれいになります。
機械音があるので気になりがちですが、そっと耳に入れて軽く動かすだけという「扱いやすさ」や先端を外して水洗いできる「手入れのしやすさ」には定評があります。
耳の中を見ることも可能なイヤースコープ
電子耳鏡タイプの「イヤースコープ」は、耳かきの先端に、中を拡大するスコープとLEDライトが付いています。パソコンやスマホと接続すると、耳の内部映像が映し出され、モニターを見ながら作業ができる仕組みです。
自分の耳の中の汚れ具合がチェックできるので、耳の中の同じ箇所を何度も擦らずに安全に耳かきをすることができます。価格は1万円以上のものが多いですが、価格以上に満足感を得られるでしょう。
子供にはライト付き吸引タイプがおすすめ
親が子供の耳を掃除するときは、柔らかい内耳を傷つけないように細心の注意が必要です。小さな耳の中がよく見えるように、ライト付きのものを選びましょう。
前述した「イヤークリーナー」は、振動と吸引のダブル効果で細かい耳垢を吸引するので、耳壁を強く擦る必要がありません。中まで入りすぎない設計のものなら、安心して子供の耳掃除ができます。
乾性の耳垢におすすめの耳かきとは?
乾性の耳垢をしっかりキャッチしてかき出す「おすすめの耳かき」を厳選して紹介します。ヘラ型やワイヤー型を選ぶときは、内壁を傷つけない素材かどうかをチェックしましょう。
耳垢を押し込まない ののじ「爽快ソフト耳かき」
散らばりやすい乾性の耳垢は「綿棒」を使って絡めとるという人もいますが、不器用な人は、耳垢を耳の奥に押し込んでしまいます。
ののじの「爽快ソフト耳かき」は、三連ループの熊手状で、耳垢を中に押し込まずにかきだしてくれるのが特徴です。しなりのある極細ステンレスワイヤーが余分な手の力を抑えてくれるので、想像以上の心地良さが実感できるでしょう。
商品名:ののじ 爽快ソフト耳かき
子供の耳掃除に ののじ「LED ママ・ミエール」
ののじの「LED ママ・ミエール」は先端部分に白色のLEDライトが付いた耳かきで、子供の小さな耳を掃除するママをサポートしてくれます。緩やかなS字カーブは視線を邪魔せず、効率良く耳かきができるでしょう。
耳かきが必要以上に奥に入り込まないよう、耳の外側にカーブが当たる設計になっているのもポイントです。先端は水拭き・水洗いができる「アクリル樹脂製」なので、清潔な状態がキープできます。
商品名:ののじ LED ママ・ミエール
職人の手作り 匠の技「煤竹耳かき」
「煤竹耳かき」は、ヘラ型のオーソドックスな耳かきで、材質には適度なしなりと硬さを持ち合わせた「煤竹(すすだけ)」が使われています。煤竹は藁ぶき屋根の古民家の天井からとれる褐色の竹で、茶道の「茶筅」にも使用されるほど高級です。
この耳かきは、良質な竹を職人の技によって丁寧に磨き上げており、先端にいくほど細くなっているのが特徴です。薄く繊細な皿は、小さな耳の中でも小回りが利き、不器用な人でも耳垢がごっそりキャッチできるでしょう。
商品名:匠の技 煤竹耳かき
湿性の耳垢におすすめの耳かきを紹介
耳壁にべっとりと張り付いた湿性の耳垢をしっかりとこそぎとるおすすめの耳かきを紹介します。湿性の耳垢は匂いのする分泌物が混じっているため、耳かきも丸洗いしやすいものが良いでしょう。
丸洗い可能で清潔 グリーンベル「ミミスキット」
グリーンベルの「ミミスキット」は、全面を使って掃除ができるスクリュー型の耳かきです。らせん式構造となっているため、しっかりと耳垢をキャッチすることができます。
もう片方の先端には細かいブラシが付いており、耳毛に付着した細かい耳垢を一気に落とすことができます。湿性耳垢はもちろん、乾性耳垢の人にも最適でしょう。
材質は、伸縮性がある「ゴム製」で肌当たりが優しく、手入れも楽です。
商品名:グリーンベル ミミスキット
長持ちするチタン製 MARUTO「純チタン耳掻き」
数ある金属の中でも「チタン」は、金属アレルギーを引き起こしにくく、軽くて丈夫で錆びにくいのが特徴です。
MARUTO「純チタン耳掻き」は、3枚のフィンが付いたスクリュー型で、先端が丸みを帯びています。耳壁を傷つけにくく、細かい耳垢を全方向でキャッチしてくれるので、幅広い年齢層に最適でしょう。
後端は丸みを帯びたスティック状になっており、ちょっとしたツボ押しに使えます。高級感があるのでプレゼントにしても喜ばれそうです。
商品名:MARUTO 純チタン耳掻き
手入れがしやすい SCRATCH「スクラッチミミング」
SCRATCH「スクラッチミミング」は、2種類のヘッドが付いたWヘッドコイル耳かきで細かい部分の耳垢がごっそり取れる「スモールヘッド」と、丸みのあるソフトなフィット感の「綿棒型ヘッド」が付いています。
軽く耳の中で動かすだけで、ねっとりした耳垢も細かいカスのような耳垢もきれいにとれるので、一度使ったら手放せなくなるでしょう。
金属の耳かきは耳壁を傷つけやすいのがネックですが、これはヘッドに特殊な研磨加工が施されており、滑らかな肌当たりです。耳かきが苦手な男性や子供でも安心して使えるので、家庭に1本あると便利でしょう。
ヘッドは、ティッシュでクルクルすれば汚れがきれいに落ちますが、ステンレス製なので丸洗いも可能です。
商品名:SCRATCH スクラッチミミング
まとめ
耳かきは、耳垢の種類や耳穴の大きさなどによって、適した形状・材質が異なります。日本人のほとんどは乾性耳かきでヘラ型やワイヤー型が適していますが、残りの3割程度は、ねっとりした湿性で、360度のスクリュー型が向いています。家族みんなで共有するよりも、自分に合った耳かきを持つのが良いでしょう。
耳掃除はやりすぎてしまうと、耳の中を傷つけてしまう恐れがあります。数週間に1回の頻度を守り、耳壁を強く擦りすぎないように注意をしながら、安全に耳かきをしましょう。