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LIFESTYLE子育て

2019.08.20

ザ・小学3年生男子の日常って?【しまおまほのおしえてコドモNOW!】

エッセイストのしまおまほさんが、今を生きるバラエティに富んだ子どもたちに出会い、話を聞き、限られた時間で彼らの本音を引っ張り出す。コドモ連載の第12回が始まります~。

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第12回:寛くん(8歳)

ピンポーン
「はーい!」
インターホン越しに元気な男の子の返事が聞こえたと同時に、ドアが開きました。寛くん、8歳です

まほ:こんにちは。ハイ、お土産どうぞ。

かん:やったー! 揚げせんべい!

小学校3年生になったばかりという寛くんですが、背が高くて小学校高学年と言われても不思議がないほど。アシンメトリーのかっこいい髪型はお母さんの行く美容院で一緒に切ってもらっているそう。そして、家に入った途端思わず中を見回してしまいました。大きな窓から見渡せる街の景色、白い壁に飾られた絵、居心地の良さそうなソファー、元気な盛りの男の子と1歳の赤ちゃんがいるとは思えないほど綺麗な床! 寛くんのお家、とっても素敵です。

かん:OK、グーグル! ピカチューとはなしたい。

Google Home:ピーカピカ☆ピ~カ~☆

まほ:すごい! Google Homeって初めて見た~。

かん:これやると、ひかり(妹)がよろこぶ。

まほ:産まれた時からAIスピーカーがあるのか……。

陽の当たるダイニングの大きなテーブル。そこで寛くんは漫画を読んでいるところでした。

まほ:ナニ読んでたの?

かん:「デュエマ」の11巻。

まほ:「コロコロコミック」が好きなんだっけ? 「デュエマ」って「コロコロ」で連載してるの?

かん:うん。

「デュエマ」とは「デュエル・マスターズ」のこと。小学生に人気のカードゲーム……というのは知っていたのですが、調べてみると連載が始まったのは、1999年とのこと。意外と息の長い流行なんですね。ちなみに今まで主人公は3人いて、初代から切札勝舞(きりふだしょうぶ)、切札勝太(きりふだかった)、切札ジョー、という名前らしいです。3代目は”勝三”(かつぞう)のほうがいいんじゃない?と、思ったり。

ザ・小学3年生男子の日常って?

まほ:今の小学生にも「コロコロ」は人気あるんですね。

母:そうみたいです。寛は、ザ・小学3年生男子ですよ。

かん:うん……まあ、そんな感じ。

まほ:自分でもそう思うの?

かん:うん!

まほ:「オレって”ザ・小学3年生男子”だな~」って?

かん:うん! ザ!

まほ:毎日どんなことしてるの?

かん:ミー?

まほ:(笑)そう、ユーは何してる?

かん:朝、走ってる。

まほ:ジョギング?

かん:そー。

まほ:どれくらい?

かん:にーてんごキロ。

まほ:2.5km! 結構あるね。

かん:ミーは、6時に起きて、20分ぐらい走ってる。

まほ:(笑)ひとりで?

かん:最初はお父さんと5キロ走ってた。

まほ:お父さん、脱落したんだ。

かん:よる、仕事でおそくなったりとかして。いつのまにか。

まほ:ひとりで走るようになった、と。

かん:夜9時に帰ってきても、お酒とかのんだりするから、(起きるのが)おそくなるんだよ。お酒とかのまなかったらおそくならないんだよ。

まほ:お父さん、よく飲むんですか?

母:外ではほとんど飲まなくなりましたね。家に早く帰りたいみたいで。

まほ:赤ちゃんもカワイイしねえ。

母:だから、家飲みになってますね。

まほ:いいお父さんじゃない。

かん:のむだけのんで、寝ちゃう。

まほ:でも、それで自分も辞めるんじゃなくて、ひとりで続けてるのエラいね。好きなんだね。

かん:毎日イヤイヤ走ってる。

まほ:えーそうなの? 毎朝走ってるのに?

かん:うーん……。

まほ:得意だから続けられるのかな。

母:町内会のマラソン大会の小学生の部で2位になったもんね。

まほ:すごい!

かん:でも、賞品が”プーマのタオル”でガッカリした。

まほ:何だと嬉しいの?

かん:お菓子の詰め合わせ。

まほ:(笑)

母:タオルの方がずっと使えるし、いいじゃない。

かん:えー。お母さんが子どもだったら、ぜったいお菓子の方がいいって思うと思うよ?

まほ:なかなか鋭いこと言うねえ(笑)。

かん:ねえねえ、コレ(レコーダーを指して)なにしてんの?

まほ:え、急に(笑)? インタビューを録音して、後で原稿書くんだよ。

かん:ふーん。

イヤだけど続けてる? ナイショの習い事。

寛くんには、他にも続けていることがあります。それはクラシックバレエ。

まほ:いつからやってるの?

かん:1年やってる。

まほ:男の子で珍しいんじゃない?

かん:バレエ教室では、25人くらい中2人。

まほ:トウシューズ履いて?

かん:男はトウシューズは履かないよ。

まほ:そうなんだ。発表会もあるでしょ?

母:この前あったんだよね。

かん:写真、見る?

まほ:あ、見る見る。

お母さんが写真を取りに席を立つと、寛くんが我先にと走って部屋を飛び出しました。

かん:オレが取って来る!

寛くんの”オレ”の発音は「オレオ」の「オレ」と同じ”オレ”。

かん:コレ!

まほ:おー。メイクばっちり。つけまつげもしてる。

かん:変なのいっぱいつけられた! ふぁんでーしょん……とか。

まほ:ホントだ、男の子2人。

かん:顔、めっちゃ真っ白になった。

まほ:舞台で映えるようにしないといけないからだよ。”映え”ってやつだよ。

かん:(メイク中)ずっと目をつぶってるのとか、ヤダった。

まほ:友だちは呼んだの?

かん:ぜっっっったい呼ばない!

まほ:あ、恥ずかしいんだ。

母:友だちには、絶対言わないでって言われてるんです。

まほ:それは発表会をナイショにってこと?

かん:いや、バレエやってること。

まほ:そうなんだね。

母:「女がやるもの」ってからかわれたらしくて。

かん:うん。泣かせたけど。蹴って。

母:え? 蹴ったの?

かん:いや、いや、口で。口で困らせて、泣かせた。

まほ:習い事に、男も女も関係ないのにね。

かん:ある! カンケイ、ある!!

まほ:でも、好きなんでしょ?

かん:いや、キライ。

まほ:えっ、そうなの?

かん:うん。

まほ:ちょっとは好きでしょ?

かん:好きは0.1%。

まほ:えー、さっき写真見せてくれた時、すごく嬉しそうだったけど。

かん:…………。

まほ:続けてるじゃん。

母:そこが面白いんですよね、キライとか言っているけど、消極的ではなくて。

かん:セイタ! セイタがいるから!

まほ:セイタ?

母:写真に写ってる、もうひとりの男の子です。

まほ:仲良しなんだ。

かん:うん!

まほ:(写真を見ながら)背は寛くんの方が大きいけど、同い年くらい?

かん:ううん。セイタは5年生。

まほ:2つ上なんだ。

母:セイタくんは普通なんですけど、この子が大きくて……。

かん:ねえお母さん、セイタは小6になったらバレエ辞めちゃうから、オレも4年生で辞める。

母:え? そうなの?

かん:あのね、セイタが何年生で辞めるか、めっちゃ気になってて、あの、めっちゃ気になるから、えっと、お菓子あげるから教えてって言って、教えてもらった。

まほ:お菓子あげて!?

かん:うん。あげた!

母:あげなくても教えてくれるでしょ(笑)。

かん:でも、あげた。

まほ:バレエ始めたキッカケは?

かん:え、お父さんとお母さんに言われたから。

まほ:そうなんだ。

母:一緒に見学に行って、踊り見たらすぐ「やる」って言ったんですよ。

かん:いや、ふたり(両親)で「やりなさい」ってめっちゃ攻めてきた。

まほ:どっちがホントだろ~(笑)。

かん:あ!

まほ:なに?

かん:(わたしの手元のノートを見て)2ページ使って書いてる!

まほ:あ、これ? 寛くんの言ってること忘れないようにメモしてるんだよ。

かん:ふーん。

雨の日の哀しい思い出。

まほ:家でお手伝いとか、する?

かん:お風呂掃除やってる。

まほ:エラい! 毎日?

かん:まいにち。

母:ちゃんとやるよね。

かん:(大きくうなずく)

まほ:エラいなあ。宿題は?

母:これが、帰ったらサッとやるんですよ。

まほ:え! スゴイ。

かん:先にやっておいた方が後でたくさん遊べるじゃん。

まほ:いや、それが出来ないからみんな苦労してるのよ……。ついついテレビ観たり、ゲームしちゃってさ……。

かん:半年くらい前に、オレがテレビ観過ぎてDVD(プレイヤー)捨てられた。

まほ:あ、そういうこともあったんだ。

かん:ずっと観てたら、お父さんが怒って。

母:テレビ消した後もウダウダずっと文句言ってたら……。

まほ:お父さんがキレたんだ。

母:「こんなモンがあるからだ!」って。ゴミ収集所にそのまま。

かん:めっちゃ哀しかった。めーっちゃ泣いた。

まほ:お父さんも、心を鬼にしたんだね。

かん:捨てられたDVD、壊れてた。

母:え? 見に行ったの?

かん:うん。あの後に見に行った。ボカンて壊れてて、その時雨が降ってて……。

まほ:哀しい思い出だ……。

かん:ずっと覚えてるよ。

まほ:自分が悪かったって思った?

かん:思わない。

まほ:えー! そうなの? お父さん、今の発言聞いたらどう思うだろう……。

かん:ボコられる。

母:お父さんそんなことしないでしょ。

かん:殺される。

母:しないって(笑)。

まほ:でも、それからテレビの時間守ろうとか……?

かん:守れない。

まほ:どうしても?

かん:うん、絶対守れない。観ちゃう。「スナックワールド」とか。

まほ:「スナックワールド」って何?

かん:「コロコロ」のアニメ。

まほ:それだけ守れないって自信満々で言うんだから、DVD捨てられてもしょうがないか。

かん:うん! しょうがない!

まほ:ナットクしてるんだ。

かん:うん! してる!

まほ:なんだろ、明るい(笑)。

まほ:かっこいいって思う大人っている?

かん:うーん……。

まほ:尊敬する人とか。

かん:尊敬する人なんてこの世にいない。

母:…………!

まほ:見た目がかっこいいでもいいけどさ。

かん:カーくん……かなあ。

まほ:カーくんて……光GENJIじゃ……。

かん:何それ。

まほ:ないよね(笑)。やっぱり。

かん:「コロコロ」のカーくん。

将来はユーチューバーになる!?

”コロコロのカーくん”とは、「おはスタ」や「コロコロ」のYouTubeチャンネルに出演している名物編集者だそうです。ちなみにカーくん、YouTubeを毎日1~2本更新しているそう。

まほ:そういう人がいるんだ。ホント、「コロコロ」大好きだね。

かん:うん!

まほ:やっぱり、YouTubeも観てるんだ。

かん:ユーチューバーになりたい。

まほ:出た!

かん:ヒカキンみたいになりたい。

まほ:出た~! 都市伝説かと思ってたけど、ホントなんだ……。どこがいいの?

かん:ゲームたくさんできる。

まほ:なりたいってことは、将来の夢?

かん:ユーチューバーしながらフリーターになる。

まほ:おお~。

かん:仕事するの面倒くさい。

母:その「面倒くさい」ってやめなさい……最近の口グセなんです。

まほ:一人暮らしはしたいって思う?

かん:今すぐしたい。ゲームは買ってもらえないし……自由の身になりたい。

まほ:(笑)

かん:ねえお母さん、一人暮らし始めた時の気分ってどんな気分?

母:楽しみが70%でどうなるかなーっていう不安が30%だったかな。

かん:ふーん。お父さんは、夜カップラーメン食べて、朝残りの汁をご飯にかけて食べてたって言ってた。

まほ:なにそれ、美味しそう(笑)。そして、一人暮らしっぽいエピソードだね。

母:最初のうちはいいけど、だんだん寂しくなると思うよ。

まほ:そうだね、お母さんのご飯が恋しくなるね。

かん:ああ……。

まほ:妹のひかりちゃんはまだ実家で暮らしててさ、あー今頃3人でご飯食べてるのかーとか思うとさ。

かん:げ! (ひかりちゃんを見ながら)コイツ最低だな。

まほ:(爆笑)

未来の妄想で思わずひかりちゃんに悪態をつきましたが、大きくなったら自分のお金で映画に連れて行ってあげたいと話す、優しいお兄ちゃんなんです。そして、最初にお母さんが言った通り、気持ちがいいくらい「ザ・小学3年生男子」な寛くん。インタビューの感想を「自分のことが勉強できました!」と言って、最後までわたしたちを笑わせてくれました。

つづく

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文・絵:しまおまほ 編集:小川知子  デザイン:根本真路

エッセイスト、イラストレーター

しまおまほ

1978 年生まれ。主な著書に『ガールフレンド』『マイ・リトル・世田谷』(共にスペースシャワーブックス)などがある。

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