春のほろ苦い野菜にだって合うワインがあるんです!?
タケノコやアスパラガスなど春のお野菜は力強さと、やや苦味を持つのが特徴。食べることで、その春のエネルギーを体内に取り込みたいですね。オススメなのは、くし形に切った茹でタケノコとアスパラガス、豚ひき肉を一緒に炒めて塩胡椒。さっと火を通すだけで手軽に、美味しい夕食の一品になるのも魅力的です。そこにすりおろした生姜やコリアンダーパウダーを加えて、少しエスニック調にアレンジしてもいいですね。白ワインの持つハーブや柑橘の香りとよくマッチします。
▲ 5分ほど炒めるだけなので、忙しいときにもありがたい一品。
果実感や複雑性のあるビオの白ワイン
▲コストパフォーマンスにすぐれた「シャトー・スオウ ボルドー・ブラン」
「シャトー・スオウ ボルドー・ブラン」は、ボルドーの代表的なブドウ品種であるソーヴィニヨン・ブラン主体で、そこにセミヨンがブレンドされています。ハーブや柑橘、さらには白桃の香りも感じられて、華やか。味わいにも同じく果実、そして深みや複雑性も感じられます。ビオワインならではの生き生きとした酒質ながらお値段は2000円前後と、コストパフォーマンスにすぐれた1本です!
ボルドーでは先駆的な存在の女性栽培醸造家
シャトー・スオウの当主モニック・ボネさんは現在59歳。19世紀末からワインづくりをおこなう歴史あるシャトーを一族が購入、彼女が引き継いだのは25歳のときのこと。「それより前は、栄養士をしていたんです。体内に摂取するものに関わるという意味では、共通点がありますね」。そんなモニックさんがブドウのビオ栽培をスタートしたのは2008年。ボルドーでは先駆的な存在でした。「畑に使用した農薬が原因で、スタッフの顔や両腕が赤くなって、荒れているのに気づいたんです。スタッフの健康に配慮したブドウ栽培ができないなら、ワインづくりをする意味がないとその時に感じて。それがきっかけとなり、ビオ栽培に踏み切ることにしました」。
▲思慮深く、パワフルなフランス人女性らしい魅力を持つモニックさん。
▲ビオの畑。下草が生えているのは除草剤などを使っていない証拠。
女性の栽培醸造家そのものが、まだ希少だった時代。ビオ栽培をはじめると、周囲の男性栽培醸造家からは奇異な目で見られたり、批判されたりもしたそう。それでも、パワフルかつチャーミングな女性トップならではの決断力で、ビオワインを生産し続けてきました。「ビオにしたことで、ワインの質も明らかに向上しました。これからも自然を表現したワインをつくり続けていきたいと思っています」。
輸入元/フィラディス
045・222・8875
シャトー・スオウ ボルドー・ブラン¥1,799円 (税別・参考価格)
レシピ提供/ボルドーワイン委員会(CIVB)
文/鳥海美奈子 写真/Mathieu Anglada
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ライター
鳥海 美奈子
共著にガン終末期の夫婦の形を描いた『去り逝くひとへの最期の手紙』(集英社)。2004年からフランス・ブルゴーニュ地方やパリに滞在、ワイン記事を執筆。著書にフランス料理とワインのマリアージュを題材にした『フランス郷土料理の発想と組み立て』(誠文堂新光社)がある。雑誌『サライ』(小学館)のWEBで「日本ワイン生産者の肖像」連載中。ワインホームパーティも大好き。