間違ったことを指摘できる
誰かを注意したり叱ったりすることは、本当の優しさがなければなかなかできません。逆恨みにより関係が壊れることも考えられます。今後の付き合いを考えて、「あえて注意しない」選択をする人も多いものです。
改善すべき間違いや短所をきちんと指摘してくれる人は、本当に相手のためを思っている人といえます。言葉が厳しいと気付きにくいものですが、いわゆる「嫌われ役」こそが本当に優しい人だった、というケースは多々あるものです。
逆に、耳あたりのよい言葉ばかり口にする人には注意しましょう。相手の言葉を肯定してばかりいる人は、本音で付き合っていないのかもしれません。面倒を避けるため、優しいフリをしている可能性があります。
▼あわせて読みたい
優しい人の心情
「人に優しくしよう」「優しくしなければ」と思っているうちは、本当に優しい人とはいえません。優しい人は、「優しくしよう」と考えなくても行動できるものです。
とはいえ、意識せずに優しい行動をするのはたやすいことではありません。優しい人の行動には、どのような特徴があるのでしょうか。
見返りを求めていない
優しい人の言動や行動には、見返りを期待する気持ちがないものです。
「この人を助けたらどんなメリットがあるか」など考えないため、たとえ相手からお礼や感謝がなくてもいちいち気にしません。「あなたは優しい人だね」と言われれば、「どこが?」と疑問を持つことさえあるかもしれません。
一方、見返りを期待する人には「感謝してほしい」「自分は特別なことをしてやった」という思いがあります。
相手から期待通りの反応を得られなければ、「せっかくしてあげたのに」「お返しくらいすれば」といった言葉が出てくるかもしれません。恩着せがましい優しさは、周囲の人からは敬遠されがちです。
▼あわせて読みたい
過去にトラウマを持つ場合も?
周囲から優しい人だと評されている人の優しさは、傷つけたり傷つけられたりした過去の経験からきているのかもしれません。
心に深い傷を負ったことのある人は、人の痛みや悲しみに敏感になる場合もあります。誰かが悲しんだり困っていたりすれば、見過ごせないと感じることもあるでしょう。損得を考えず、相手の立場に立って手を差し伸べようとするのです。
また、誰かに助けられた経験のある人も、人に対して優しい気持ちを持つことができるのではないでしょうか。「優しくしてもらってうれしかった」「ありがたかった」という気持ちを知っている人は、同じように振る舞えば相手が喜ぶと知っているはずです。「自分も誰かに優しくしよう」という気持ちになるかもしれません。
優しい人になるには
無意識に他人に手を差し伸べるのが「優しい人」とはいえ、実行するのは難しいことです。優しい人になりたいと思った場合、どのように振る舞えばよいのでしょうか。
優しい人になるために、日々気を付けたいポイントを紹介します。
相手の気持ちを考える
まず大切なのは、相手の立場に立って考える習慣をつけることです。よかれと思ってすることと相手が望むことは、必ずしも同じとは限りません。「こうしたら相手はどう感じるかな?」「喜んでくれるかな?」と考えるクセを付けましょう。
また、優しい人は、他人の価値観を尊重し受け入れることができる人だといえます。たとえ自分と意見が合わないとしても、「違う人間だから当たり前」と考える度量の広さを持っているということです。
自分の価値観ではなく相手の価値観で考えられるようになれば、相手の欲する行為や言葉が自然に分かるようになるかもしれません。それをくんで行動していけば、「優しい人」に近付くのは難しくないのでは。
▼あわせて読みたい
感情的にならない
次に大切なのが、感情的にならないよう努めることです。
優しい人は、基本的に穏やかで物腰の柔らかい人が多いと感じませんか?これは、「感情のままに発せられた言葉や態度は、人を傷つけたり不快にさせたりする」ということを、よく知っているためではないでしょうか。
また、感情的な言動にはときに説得力や信頼性がないと感じられることがあります。たとえ誰かのために行動しても、「自己中心的な振る舞い」「自分勝手」と受け止められるおそれがあります。
優しい行動をとるには、常に冷静な態度を保ち、周囲を見ていることが大切です。優しい人になりたいと思うなら、感情を押さえる術を身につけることも必要かもしれません。
▼あわせて読みたい
余裕を持つことが大事
心に余裕を持つことも、優しい人になるうえで大切なポイントです。
自分のことでいっぱいになっていると、他人を気遣う余裕がなくなってしまいますよね。目先のことに追われていれば、周囲で何が起こっているのかも分からなくなるものです。優しい人になりたいなら、心にいくらかの空きスペースを残しておきましょう。
具体的にどうすればよいか分からない人は、スケジュール管理を徹底することをおすすめします。仕事でもプライベートでも、時間に追われる生活には余裕がありません。不安や焦りが生じているときは、誰かに優しくするのは困難です。
時間の余裕は心の余裕に直結するのではないでしょうか。冷静に周囲を見て他人を気遣うには、余裕のある生活が必要です。
トップ画像・アイキャッチ/Shutterstock.com
▼あわせて読みたい