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2020.06.21

個性ある書店「青山ブックセンター」の店長が教える!読みたい本と出会う方法

先日「Domaniオンラインサロン」で開催されたオンラインイベント『憧れの書店員さんに聞く!「今だからこそ読みたい本」』。書店員さんだからこそ語れる書店の魅力や雑誌の可能性、今こそ実践したい本の選び方など、Domaniオンラインサロン会員限定の内容をちょっぴり公開しちゃいます!

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Domaniオンラインサロンのイベント、続々開催中です!

先日行われたDomaniオンラインサロンのオンラインイベント。「本屋は好きだけれど、書店員さんとはあまり会話をしたことがない」そういう方は、意外と多いのではないでしょうか。今回は渋谷にある”尖った書店”として知られる青山ブックセンター本店の山下店長をお迎えしてのトークイベントが実現しました。

モデレーターは、Domaniオンラインサロンコミュニティマネージャーの柴山由香さん。山下店長もまた、書店のコミュニティである「青山ブックコミュニティー」を運営されています。本を愛し、またコミュニティの可能性を信じる2人だからこそ話せる内容が満載。今回はイベントの一部をオンラインサロンメンバーの小川がお届けします!

【山下 優さんプロフィール】
青山ブックセンター本店店長。2010年入社。青山ブックセンター本店にて、アルバイトを経て2018年11月に社員になると同時に店長になる。

青山ブックセンター本店が”尖った書店”と言われる理由

出版不況という言葉が叫ばれる昨今、なぜ青山ブックセンターは”尖った書店”としてここまで注目されるのか。イベント冒頭ではその秘密に迫りました。

【その1】出版不況と言われる中、売上を伸ばしている

出版不況、書店不況の時代と言われていますが、そんな中でも青山ブックセンターさんは本の売上を伸ばし続けていますよね。普段、どのような取り組みをされているのでしょうか?

どんな業界でも、売上があるところは楽してそうなっているわけではなく、試行錯誤をしているんですよね。これは書店・出版業界にも例外ではないはずで、出版不況だと嘆く前にまだやれることがある、そう思いながら、SNSを活用してみたり、コミュニティを作ってみたりと、試行錯誤をしています。

今年は新型コロナウイルスの影響もあり、業績に打撃を受けたところは多かったのではないでしょうか。もちろんうちも例外ではありません。ただ、うちは以前からTwitterでの発信に力を入れていたおかげで、青山ブックセンターを応援してくださる多くのファンの方たちとのつながりがありました。Twitterでは本やイベントのご案内をするだけでなく、お店の前年同月比の売上もツイートをし続け、お店の動向をみなさんが知り、応援してくださる形になっていたんです。

2月あたりからコロナの影響が出始め、あるとき「店頭に人が全くいない」とツイートしたことがありました。その途端に、ツイッターを見たお客様が続々とご来店してくださったんです。もちろん、売上もすごく上がりました。ちょっとしたことと思われるかもしれませんが、そのちょっとしたことの積み重ねが大事なんだと気がつきました。

【その2】他店にはない特徴がある売り場の商品棚

青山ブックセンターの商品棚には個性があって、他の書店さんとはちょっと違いますよね。

うちは棚によって担当者がいて、基本的にはその棚の担当者が並べる本の発注をしています。一般的な書店だと、書店員には裁量権がないことがほとんどなんです。本部から送られてきた本を指示通りに置く、という書店もあります。

売れているものを仕入れることはもちろん大事ですが、同じ渋谷でも青山ブックセンターと他の書店では売れるものが絶対に違うはずなんです。もっと広いエリアで考えると、なおさらそう。コスト面のこともあるので、現場に個性や裁量権を持たせることがなかなか難しいことも事実ですが、「みんなと同じもの」って、時代性を考えても合っていないんです。テレビも以前よりリアルタイムで、かつ同じ番組を観ていないですし、ツイッターでも同じ人をフォローしないですよね。雑誌も音楽も同じです。そんな中で、書店も例外ではない。だからこそ、青山ブックセンターでは棚を各担当者に任せ、棚の独自性を大事にしています。

【その3】本屋が自ら出版を手がけている

出版をしようと思ったきっかけはなんですか?

粗利の面も大きいですが、「青山ブックセンターにしかないものを作りたかった」という思いが強かったんです。これまでもTシャツやグッズは扱っていましたが、本でやりたかった。そうすると、その本があるだけで他の商店とは違う棚になるじゃないですか。出版は利益を出すためにある程度売る必要はありますが、他の書店さんとの差別化が図れることは大きいですね。

▲青山ブックセンターが手がける出版第一弾となった『発酵する日本』

雑誌には偶然性の出会いが凝縮されている

「Domaniオンラインサロン」は女性ファッション誌初のオンラインサロンとして、雑誌の新たな可能性を探っているのですが、山下店長からみて、これからの雑誌のあり方についてはどう思われますか。

雑誌の売上はうちでは今も結構の割合を占めています。最近の傾向として、自費出版のような大手出版社以外から出版された雑誌も取り扱っているんですよ。むしろ、今の時代だからこそ、雑誌には可能性があると思います。雑誌は、一冊の中にファッション、美容、ライフスタイルなどさまざまなジャンルの記事が詰まっています。人々の興味を受け入れる入り口を複数もつ「雑誌」という仕様は、今の人々に届ける上でとても理想的だと思っています。

ファッションへの興味から雑誌を読み始めたはずが、興味の対象外であったはずの美容の記事まで読んでいることって、雑誌では普通にありますよね。書店もそうですが、偶然性の出会いが凝縮されているのが雑誌の魅力だと思います。これからの雑誌広告に関しては、今までのような不特定多数に広くふんわりと伝える広告ではなく、明確な共通認識のある濃いところに広告を出す方向に変わっていくと思います。

オンラインサロン「青山ブックコミュニティー」を運営されていますが、書店コミュニティを持とうと思ったきっかけを教えてください。

店頭では十分な時間をかけての満足いく接客がなかなか難しいことや、ツイートの反応を見て考え始めました。ここ数年、青山ブックセンターに関するお客様の呟きが明らかに増えているので、どのような方々が応援してくださっているのかを可視化できたらと思ったんです。あと、単純にこれからの書店を考えた時、不特定多数と作る書店より、濃いファンの方たちと一緒に書店を作っていきたいと思いました。

山下店長はご自身のTwitterのフォロワーも多く、積極的に発信されていますよね。ご自身がインフルエンサーになって店長主導のコミュニティを作ることもできたと思うのですが、書店のコミュニティにしたのにはどんな思いからでしょうか。

難しいとも思いつつ、個人よりも書店としてやることに意義があるかなと。あと、自分がいなくてもコミュニティが回るように、との思いから書店のコミュニティにしました。現在も試行錯誤しているところですが、コミュニティって正直難しいですよね。どんな会社でも組織でも、自発的にというのは難しいです。コミュニティで活発に活動することを求めてない人もいますし。

今コミュニティに入っている方々はどのような方たちですか?お店は渋谷にあるので、地方の方はあまりいらっしゃらないのでしょうか。

本屋が好きで、その中でも青山ブックセンターを一番好きでいてくださる方たちですね。地方の方はまだ少ないです。設立当初、リアルイベントが東京だけになってしまったことも影響していると思います。うちが出版した書籍で全国ツアーをして広めていこうと思っていたのですが、コロナの影響で動けなくなってしまったのは残念でした。

でもそんな中、4月から始めたECのオンラインストアのお客様は地方の方も多いんです。大阪、福岡、熊本、北海道、さまざまな場所からご購入いただいています。オンラインストアを始めてみたことで、直接の来店が難しい地方のお客様にも僕たちの選んだ本を届けることができた。新たな可能性を感じています。

書店だからこそできる体験

本が好きだけど、日々忙しく読書から遠ざかっている現状をよく耳にします。山下店長もさまざまな活動をされていてお忙しいとは思いますが、読みたい本の選び方や読書の仕方について何かアドバイスいただけますか。

書店員ということもあり、本に自然と触れる生活を送っています。読んでいる本の中で紹介されている本も、積極的に読むようにしています。あと、巻末にある書籍一覧も気にしますね。自分の興味のある本を起点に読み進めていると、全然違う本なのに偶然どこかでつなががるという面白い現象が起こります。

時間がない時の読み方としては、小説以外のジャンルなら、まず目次だけに目を通して、できればはじめにと終わりにだけでも読みます。そうやって何冊か同時並行で読むことも多いです。なんとなくでも本の内容を理解しておくと、他の本を読んでいた時に「つながっているかも」と思い出したり、考え事をしている時にその言葉が出てきたりするんですよ。そういった意味では紙の本は便利ですね。電子書籍もキーワード検索ができますが、やっぱり紙の本がいいです。紙の本の他の利点としては、もし時間がなくて中身が読めないとしても、並んだタイトルを見るだけで今の自分が何に興味があるのかを可視化できるところだと思っています。購入したものの読めないまま本を積んでおく「積読」は、今の自分の内面を知る手がかりになるんです。

時間がないとき書店まで足を運べないこともありますが、オンラインショップでも書店の雰囲気が味わえるのでしょうか?

最近オンラインショップを始めた書店も増えてきたので、実際本屋に行けなくても本屋に行けた気分を味わえるとは思います。実際利用されている方も多いようで、うちのオンラインショップでは売上が上がっています。2020年5月は10日時点で先月の倍の売上です。こんな時だからこそ、本屋が本を皆さんに届けなくてどうするって気持ちでいます。

そして、書店で偶然ある本に出会うことによって、自分はこんなことに興味があったんだって気づく体験をオンラインでも再現できないものかとセット販売なども考えたのですが、現段階ではまだ難しいですね。人が能動的に本を選ぶって、何物にも替えられない体験です。僕たちの仕事は、ただ本を売るだけじゃない。今回イベントに参加したことで、みなさんに本を届けるだけでなく偶然性の体験までお届けしたいとの思いがより強くなりました。同時に、リアルの書店に当たり前のようにある雑味さがいかに重要かを改めて痛感しています。

最後に、書店はたくさんありますが、良い書店かどうかを見分ける方法ってありますか。オススメの本もあればぜひ教えていただきたいです。

良い書店かどうかというよりは、入り口の目立つところに何を置いてるかをみて自分と合う書店かどうかを判断するのがいいと思います。入り口は、その書店の顔ですから。テレビで紹介されたものが展開されていれば、そういう人をターゲットとしてる書店だな、とか。「世の中の流れを感じたい時」、「何か考えごとをしたい時」など自分の目的で書店を使い分けると良いと思いますよ。

あと、よくオススメの本を聞かれるのですが、今だからこそ各々の気になる本を読むのが一番いいんじゃないかと思います。本当にこれでいいのかと自問自答しながら、どんなに時間がなくても、自分が考えることが大事で、そこに正解・不正解はないんです。本から無理やり何か知識を得ねばと読む必要はないと思っています。私自身、同じ内容でもスマホ経由だと頭に残らないのに、紙の本だと不思議と頭に残ることが多いんです。おそらく、本の時は自分の頭で何かしら能動的に考えているからだと思います。

人間が自分の頭で考えることをやめない以上、まだまだ本には可能性があるはずです。これからも青山ブックセンターだからこそ出会えたと言っていただける本をお届けできるよう、いろんな可能性に挑戦していきたいと思います。

お気に入りの書店の見つけ方や、本の選び方、いかがだったでしょうか。今後は、ただ本が購入できるだけでなく、青山ブックセンターのような「この書店だからこそ出会える本がある」という理由で購入する書店を決める方が増えていきそうですね。まだまだ自由にお出かけするのが難しい日々ですが、オンラインショップならすぐにでも購入できるのでぜひのぞいてみてくださいね。

Domaniオンラインサロン、2期生募集中です!

今回ご紹介した内容以外にも、ここでしか聞けない話が盛りだくさんでした。これから入会する方も、サロンメンバー限定のFacebookグループにてアーカイブ動画の視聴が可能です。

「Domaniオンラインサロン」では、”Domaniが好き”という同じ想いのもと、さまざまな職種の方たちが全国各地から集まっています。オンラインサロン内ではメンバーが主体となった企画や、編集部発のイベントなども盛りだくさん!現在、2期生を募集中です。一緒に「Domaniオンラインサロン」を作ってくださる方々をお待ちしております!

文/Domaniオンラインサロン(小川 友希栄) 画像デザイン/小野寺美穂

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Domaniオンラインサロンメンバー

小川 友希栄

東京と富山を行ったり来たりの2拠点生活。旅が好きで、旅しながら仕事できるスキルを身につけようと修行中。国内はもうすぐ47都道府県制覇。いつか行ってみたい場所は南極と宇宙。
twitter:https://twitter.com/yukie_toasty422

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