旧正月とは
旧正月とは、いつのことを指すのかご存知ですか?毎年日にちは同じなのか、それとも変わるものなのかを解説します。
旧暦の1月1日のこと
旧正月は、旧暦の正月のことで、主に1月1日のことをいいます。暦には大きく分けて、太陽の運行に沿って日数を数える「太陽暦」と、月の満ち欠けのみで日数を数える「太陰暦」、月の満ち欠けに沿った日付と太陽の運行を組み合わせた「太陰太陽暦」があります。新暦は「太陽暦」、旧暦は「太陰太陽暦」です。
太陽の動きに沿った太陽暦では1年が365日ですが、月の満ち欠けに沿った太陰太陽暦では約354日であるため、正月の日が異なります。日本では新暦で正月を祝いますが、アジア諸国では旧暦の正月を重視して祝っています。
日付は毎年変わる
新暦においては正月が毎年同じ日に行われるため、旧正月も毎年同じ日に行われると思っている人もいるかもしれませんが、毎年日付が変わります。
これは、月の満ち欠けに沿って作られている旧暦を、太陽の動きに沿って作られている新暦におきかえて比較しているためです。
同じ時期にある立春と同じ?
立春のことを旧正月だと思っている人もいるかもしれません。それでは、そもそも立春とはどのような日なのでしょうか?
立春とは春の始まり
2月上旬にある立春は「二十四節気(にじゅうしせっき)」の1つで、暦のうえで春の始まりを意味します。季節は太陽の動きに影響されるので、季節の目安として一太陽年を24等分したものが二十四節気です。
季節には春夏秋冬の4つがありますが、それぞれの季節の始まりが立春・立夏・立秋・立冬です。日本人になじみのある春分・夏至・秋分・冬至なども二十四節気に含まれています。
参考:暦Wiki/季節/二十四節気とは? – 国立天文台暦計算室
旧正月と立春は全くの別物
旧正月は1月下旬~2月上旬に迎えるため、同じ時期にある立春と勘違いしている人もいるかもしれませんが、この2つは全く異なるものです。
旧正月は、太陰太陽暦を基に決められています。一方、立春は太陽の動きを基にして季節を分けた二十四節気の1つです。このように、2つは全く異なる基準で決められています。
ただし、約30年に1度、旧正月と立春が重なる年があり、「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」や「立春正月」と呼ばれています。この日は、とても縁起のよい日とされているのです。
なぜ日本は旧正月を祝わなくなった?
日本はアジア圏の国の中で、旧正月を祝わない数少ない国の1つです。なぜ祝わなくなったのでしょうか?
理由ははっきりしていない
旧暦を用いていた頃は、当然、正月もその暦で祝っていました。しかし、新暦になっても旧暦を基にしたさまざまな風習が残っている中で、なぜ旧正月を祝わなくなったのかについては、はっきりしていません。
旧暦から新暦に変わったのは明治時代で、実際に新暦に変わることが決まってから1カ月未満で施行されています。改暦を急いだ理由はいつくかありますが、その1つは、翌年はうるう月が入って1年が13カ月になる年なので、13回も給与を支払うのが厳しいといった財政的理由だったとか。
なお、横浜や神戸の中華街などでは、毎年、旧正月を祝うイベントが行われているので、興味がある人は足を運んでみてはいかがでしょうか。