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2021.01.31

旧正月って何?日本でなじみが薄い理由や祝う国々についても紹介

アジア諸国で祝われている「旧正月」。なんとなくその存在は知っていても、具体的な過ごし方までは知らない人もいるのでは?旧正月とはいつのことで、どのように過ごしているのか、そして日本と旧正月の関係などを紹介します。

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【目次】
旧正月とは
同じ時期にある立春と同じ?
なぜ日本は旧正月を祝わなくなった?
旧正月を盛大に祝う中国
他にもある旧正月を祝う国

旧正月とは

旧正月とは、いつのことを指すのかご存知ですか?毎年日にちは同じなのか、それとも変わるものなのかを解説します。

旧正月

旧暦の1月1日のこと

旧正月は、旧暦の正月のことで、主に1月1日のことをいいます。暦には大きく分けて、太陽の運行に沿って日数を数える「太陽暦」と、月の満ち欠けのみで日数を数える「太陰暦」、月の満ち欠けに沿った日付と太陽の運行を組み合わせた「太陰太陽暦」があります。新暦は「太陽暦」、旧暦は「太陰太陽暦」です。

太陽の動きに沿った太陽暦では1年が365日ですが、月の満ち欠けに沿った太陰太陽暦では約354日であるため、正月の日が異なります。日本では新暦で正月を祝いますが、アジア諸国では旧暦の正月を重視して祝っています。

参考:暦Wiki/太陰太陽暦 – 国立天文台暦計算室

日付は毎年変わる

新暦においては正月が毎年同じ日に行われるため、旧正月も毎年同じ日に行われると思っている人もいるかもしれませんが、毎年日付が変わります

これは、月の満ち欠けに沿って作られている旧暦を、太陽の動きに沿って作られている新暦におきかえて比較しているためです。

同じ時期にある立春と同じ?

立春のことを旧正月だと思っている人もいるかもしれません。それでは、そもそも立春とはどのような日なのでしょうか?

旧正月

立春とは春の始まり

2月上旬にある立春は「二十四節気(にじゅうしせっき)」の1つで、暦のうえで春の始まりを意味します。季節は太陽の動きに影響されるので、季節の目安として一太陽年を24等分したものが二十四節気です。

季節には春夏秋冬の4つがありますが、それぞれの季節の始まりが立春・立夏・立秋・立冬です。日本人になじみのある春分・夏至・秋分・冬至なども二十四節気に含まれています。

参考:暦Wiki/季節/二十四節気とは? – 国立天文台暦計算室

旧正月と立春は全くの別物

旧正月は1月下旬~2月上旬に迎えるため、同じ時期にある立春と勘違いしている人もいるかもしれませんが、この2つは全く異なるものです。

旧正月は、太陰太陽暦を基に決められています。一方、立春は太陽の動きを基にして季節を分けた二十四節気の1つです。このように、2つは全く異なる基準で決められています。

ただし、約30年に1度、旧正月と立春が重なる年があり、「朔旦立春(さくたんりっしゅん)」や「立春正月」と呼ばれています。この日は、とても縁起のよい日とされているのです。

なぜ日本は旧正月を祝わなくなった?

日本はアジア圏の国の中で、旧正月を祝わない数少ない国の1つです。なぜ祝わなくなったのでしょうか?

旧正月

理由ははっきりしていない

旧暦を用いていた頃は、当然、正月もその暦で祝っていました。しかし、新暦になっても旧暦を基にしたさまざまな風習が残っている中で、なぜ旧正月を祝わなくなったのかについては、はっきりしていません

旧暦から新暦に変わったのは明治時代で、実際に新暦に変わることが決まってから1カ月未満で施行されています。改暦を急いだ理由はいつくかありますが、その1つは、翌年はうるう月が入って1年が13カ月になる年なので、13回も給与を支払うのが厳しいといった財政的理由だったとか。

なお、横浜や神戸の中華街などでは、毎年、旧正月を祝うイベントが行われているので、興味がある人は足を運んでみてはいかがでしょうか。

沖縄の一部では祝う地域もあり

古くからの風習や独自の文化を大切にしている沖縄では、旧正月を祝う風習が残っている地域があります。正月に飾った正月飾りを旧正月まで飾っておくことも珍しくないようです。仏壇や床の間に、白餅・赤飯・みかん・昆布巻きの炭・水・酒・米などをお供えするのが一般的です。

休日ではありませんが、主に沖縄の伝統料理を中心とした正月料理を囲んで祝います。沖縄の正月料理は、かまぼこ・ごぼう・こんにゃく・昆布・揚げ豆腐・三枚肉・お餅などです。お雑煮の代わりにモツがたっぷり入った「中身汁」や豚肉と白みそを使った「イナムドゥチ」、豚肉・昆布・大根が入った「ソーキ汁」を食べるのも特徴といえます。

旧正月を盛大に祝う中国

中国では、旧正月が重要な年間行事の1つです。過ごし方や食べ物などを紹介します。

旧正月

春節と呼ばれている

旧正月というのは日本の呼び方で、中国では「春節(しゅんせつ)」と呼ばれています。この時期になると、町中の道路や建物に赤い灯籠や提灯といった飾りが取り付けられ、赤一色に染まります。赤色は縁起がよいとされ、春節のテーマカラーでもあるのです。

また、家にも縁起のよい言葉が記された赤い紙を貼り付けます。部屋に年画を飾ったり、窓に切り絵を飾ったりする風習もあります。

家族で過ごす大切な日であるため、帰省する人で交通機関が混み合うのも恒例です。

春節の過ごし方

大晦日の夜は家族が集まり、伝統料理が並んだ食卓を囲みます。日本で言うところの紅白歌合戦のような特別番組も放送されており、毎年、そういった番組を見ながら旧正月を迎える人も少なくありません。

また、「紅包(ホンハオ)」という赤い袋にお金を入れて、目下の人や子どもに渡すお年玉の風習「圧歳銭(あっさいせん)」もあります。

旧正月の期間中は、町のあちこちで文化的なイベントが行われています。爆竹を鳴らし、獅子舞や龍の舞を鑑賞するのも恒例です。日本でも横浜や神戸の中華街で見たことがある人もいるのではないでしょうか。

さらに、屋台も並び、大人から子どもまで楽しめるイベントも多いです。1週間の連休になるため、海外旅行をする人も少なくありません。実際にこの時期に、日本を訪れる中国人旅行客も多いようです。

春節の食べ物

地方により定番の食べ物は異なりますが、餃子(水餃子)を家族で一緒に作って食べる風習があります。本来は5日間連続で食べるのですが、近年は風習が薄れ、餃子の代わりに豪華なご馳走を楽しむ家庭も増えているようです。

毎年、豊かな収穫があるという「年年有魚(ネンネンユウギョ)」という意味を込めて、魚を食べるのも定番です。日本人にもなじみ深い春巻きもよく食べられています。春の象徴的な食べ物であることや、肉や野菜が包まれた春巻きを丸ごと食べることで「終始一貫」という意味になり、縁起がよいとされているためです。

もち米から作られた「年糕(ニェンガオ)」と呼ばれる餅や、小豆あんやごま、くるみなどをもち米で包んだ「元宵(ユェンシャオ)」という団子なども定番料理です。

他にもある旧正月を祝う国

中国以外にも旧正月を祝う国はたくさんあります。それぞれの国で一般的な旧正月の過ごし方を見ていきましょう。

旧正月

韓国

韓国では旧正月は「ソルラル」と呼ばれており、先祖を供養する儀式を行います。そのためこの時期は家族親戚で集まるために、交通機関が混み合います。儀式に使う物を揃える必要があることや、贈り物を贈り合う風習があるため、混み合うお店も多いです。

当日は、まず儀式に備えて朝風呂に入り、正装で参加します。儀式が終わると、餅を使った韓国版の雑煮ともいえる「トックク」を食べるのが伝統的習慣です。

新暦の正月は元旦のみが休みなのに対し、ソルラルは3日間休みになります。それだけ旧正月が重要な行事であるといえるでしょう。

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▶︎韓国はお正月が2回ある!?【ソルラル(설날)】のあれこれ

台湾

台湾でも旧正月は「春節」と呼ばれ、1週間程の連休になります。帰省ラッシュや海外旅行に出掛ける人で交通機関が混み合います。

年貨大街(ニィェフォダージェ)」と呼ばれる年越し商品を販売する歳末市も恒例です。年貨大街では、正月料理の食材・正月飾り・グリーティングカード・お菓子などがたくさん並びます。特に観光地にもなっている問屋街などは、多くの人で賑わいます。

また、大晦日には「年菜」と呼ばれ、縁起がよいとされる伝統料理を食べるのが一般的です。縁起のよい言葉と発音が似ていることから、大根・パイナップル・魚・みかん・年糕などが並びます。長寿を願う長年菜や昔のお金の形に似た水餃子なども定番です。

ベトナム

テト」と呼ばれている旧正月は、お店や公的機関も休みになります。祝日が少ないため、連休となるテトは、年間最大のイベントです。家族で過ごすために帰省ラッシュになり、交通機関が混み合うのも恒例です。

町中がテーマカラーである赤と金で彩られ、たくさんの花も飾られます。大晦日には花火が上がることもあり、町中が活気に満ちています。当日は、ベトナム版の獅子舞「ムアラン」を見られるのも特徴です。

地域により料理に違いがありますが、家族で伝統料理を食べます。食卓には、バインチュンと呼ばれるちまき・煮込んだ肉を冷やしたゼリー・ゆでた鶏肉・キノコスープ・揚げ春巻き・おこわ・ハムなどが並ぶのが一般的です。

マレーシア

マレーシアには中華系の人が多く暮らしているため、「チャイニーズ・ニュー・イヤー」と呼ばれる旧正月を祝う風習があります。中国同様に、この時期は町中がテーマカラーである赤一色に染まります。お金を入れた「紅包」を配るお年玉や、爆竹を鳴らしながら踊る獅子舞を見られる点も同じです。

縁起のよい食べ物をふんだんに使用した伝統料理もあり、「イーサン」と呼ばれています。これは中国にはないマレーシア独自の風習です。

イーサンは、刺身・大根・キュウリ・揚げた餃子の皮・砕いたピーナッツ・かんきつ系の果物に、甘酸っぱいタレをかけ混ぜ合わせて食べます。刺身は長生き、かんきつ系の果物は繁栄、タレの油は富の循環など、それぞれ意味があります。独特なのは、イーサンをみんなで混ぜて食べることです。具材を高く持ち上げて落とすのが特徴で、高ければ高いほど縁起がよいとされています。

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『おうち歳時記』(朝日新聞出版)

年中行事、ならわし、旬の食べ物、まつり…1年を通じて楽しいことがいっぱい! 二十四節気も暮らしに潤いをもたらします。季節とともに暮らすノウハウやちょっとしたアイデアが満載です。

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和文化研究家

三浦康子

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。

写真/Shutterstock.com

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