精油(エッセンシャルオイル)とは?
手軽にいろいろな香りを楽しみたいときは、精油(エッセンシャルオイル)がおすすめです。精油の特徴、合成香料との違いを知り、正しく使いましょう。
植物のパワーを取り入れたいなら天然の精油を
花・葉・果皮・根・種子・樹脂など天然植物から採れたものが、「精油」とも呼ばれているエッセンシャルオイルです。人工的に作られたものではなく、100%植物から抽出されたものに限ります。 副交感神経を優位にしてリラックスを誘ったり、ホルモンバランスを整えるなど、天然の植物が持つさまざまな作用を期待することができます。
合成香料のものも小瓶で販売され見た目が似ているため、違いが分かりにくいと感じる人もいるかもしれません。また、近年は数多くのエッセンシャルオイルが販売されており、アロマセラピーに適さない低品質なものもあるよう。初心者が品質を見分けるのは難しいものですが、パッケージに植物名や学名、産地などが明記されているものを選ぶのも一つの方法です。お店の人に確認してもらうのもよいでしょう。
合成香料は気軽に楽しめる
ポプリ用のオイルは「フレグランスオイル」とも呼ばれています。香りを楽しむために作られたもので、人工の香料やアルコールなどが加えられた合成香料です。近年は、エッセンシャルオイルを加えたタイプも多く販売されています。
純度が低い分、リーズナブルな価格のものも多く、気軽に手に取りやすいのがメリットです。主に部屋や玄関先などの芳香剤として使用されています。肌に刺激となる物質が使われていることもあるため、直接肌に塗るのは控えましょう。
香りの種類はさまざま
エッセンシャルオイルの香りは、主にシトラスノート、グリーンノート、ハーバルアロマティックノート、ハーバルミンティノート、フローラルノート、スパイシーノート、ウッディノート、バルサム・レジンノートの8種類に分類されます。フローラル系の精油でも、植物の種類によって香りが異なるため、いろいろ試してお気に入りを探しましょう。
人気の高い「フローラル系」「シトラス系」
人気は、身近な香りでもある「フローラル系」と「シトラス系」です。花の香りのフローラルノートには、ローズ・ジャスミン・ゼラニウムなどがあります。ほんのり甘いエレガントな香りが特徴で、リラックスタイムに向いています。
シトラス系の代表的な香りは、スイートオレンジ・グレープフルーツ・レモン・ライム・シトロネラ・ベルガモットなどです。すっきりとした香りで、リフレッシュしたいときにぴったり。日ごろ嗅ぎ慣れている香りでもあるため、初めて香りを取り入れる人から人気があります。
落ち着く香りの「ハーブ系」「ウッディ系」
薬草として使われてきた歴史があるのが「ハーブ系」です。ローズマリー・ラベンダー・ペパーミントなどが代表で、さわやかな香りが特徴。すっきりとした清涼感があり、頭の中をクリアにしたいときにおすすめです。
「ウッディ系」は、ヒノキ・シダーウッド・サイプレス・ジュニパーベリー・ホーリーフなど、樹木を連想させる香りです。まるで森林の中でいるような香りで、気分を落ち着けたいときに向いています。
その他の香り
香辛料でおなじみのジンジャー・コリアンダー・ブラックペッパーなど、「スパイス系」の香りも。強く刺激的な香りが多いため、単独ではなく他の香りとブレンドされて使われることも多くあります。
サンダルウッド・イランイラン・パチュリ・ベチバーなどは、まったりとした甘さがある香り。個性が強く、神秘的な東洋を連想させます。
エッセンシャルオイルの注意点
日常生活に気軽に取り入れられる香りですが、注意点もあります。注意点を把握して正しく使い楽しみましょう。
肌には直接使わない
刺激が強く肌トラブルを引き起こす原因になることもあるため、原液は肌に直接使わないようにしましょう。また、誤飲しないよう注意が必要です。使用する際は、キャリアオイルなどで希釈するのが基本です。
多くの商品は、中身が一度にたくさん出すぎないようになっています。1滴が約0.05mlになるようにドリッパーが付いているものが大半です。1%の濃度にするには、50mlのキャリアオイルに対して10滴です。顔に使用する場合は0.5%程度が目安のため、50mlのキャリアオイルに5滴を垂らしましょう。
キャリアオイルはベースオイルとも呼ばれ、植物から抽出された「植物油」のことです。直接肌にぬってマッサージをしたり、エッセンシャルオイルを希釈したりするために使います。ホホバオイル・スイートアーモンドオイル・オリーブスクワランなど、種類はさまざまです。
妊娠中や子どもへの使用は細心の注意を
妊娠中に精油を使用する際は、医師に確認してからにしましょう。購入する際には、専門知識がある人にアドバイスを受けて購入することが大切です。
子どもに使用する場合は、大人と同じ濃度では刺激が強すぎるため、要注意です。エッセンシャルオイルを少量加えた芳香浴をする際も、短時間で済ませるようにしましょう。
ペットがいる場合は使用を控える
家庭で犬や猫などペットを飼っている人もいるでしょう。ペットがいる家庭は、使用を控えた方が無難です。動物によっては深刻なトラブルにつながることもあるためです。例えば、猫やフェレットにとっては、毒物になりかねないエッセンシャルオイルもあることが分かっています。逆に正しく使用すれば問題がない動物もいますが、エッセンシャルオイルが目に入ってしまったり、なめてしまったりというリスクもあります。
自宅で芳香浴を楽しむ方法
ふんわりと心地よい香りが漂う「芳香浴」を楽しむ方法を紹介します。三つの方法があるので、好みのものを試してみましょう。
アロマポットで小さな光と共に
上部がお皿のようになっており、下部にろうそくを置くスタイルの「アロマポット」を使用すれば、簡単に好きな香りを楽しめます。ゆらゆらと揺れるキャンドルが癒やしになるという人も多いかもしれません。
まず上部のお皿に水を入れましょう。お湯を使うと温まるのが早まるため、手早く香りを楽しめます。水やお湯は少し多めに入れておきましょう。気付かないうちに水が蒸発し、空焚きになってしまうリスクを軽減するためです。水やお湯にエッセンシャルオイルを数滴垂らし、キャンドルに火をつけます。エッセンシャルオイルの量は好みに寄りますが、6~8畳の部屋であれば3滴程度がふんわり香る目安です。
ディフューザーで広範囲に
広範囲に香りを漂わせたい場合は「ディフューザー」がおすすめです。超音波を使用して冷たいミストが出る超音波式や、水を加熱させてミストを出すスチーム式があります。近年は、エッセンシャルオイルをボトルごと設置するタイプも人気です。6畳~40畳程度までと種類豊富なため、部屋の広さに合う満足度の高い商品が見つかりやすいでしょう。
2~3時間連続使用できるタイプが多く、その後もしばらく香りが残ります。2~3時間の使用で半日~1日、好きな香りに包まれて過ごせます。より広範囲に香りを届けたい場合は、ディフューザーをできるだけ高い位置に置きましょう。
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アロマストーンは置くだけの手軽さ
もっと手軽に香りを楽しみたい人は「アロマストーン」をおすすめします。キャンドルや電源を使用しないため、夜寝るときにも使用できるのが魅力。アロマストーンは、香りが長続きするように作られているのが特徴です。近年は、見た目にこだわったデザインのストーンもたくさん展開され、選ぶ楽しみが広がっています。
使い方も簡単で、ストーンにエッセンシャルオイルを数滴垂らすだけです。熱で温めるわけではないため、アロマポットやディフューザーほど広範囲に香りが広がりませんが、ほんのりと自然な香りを楽しめます。
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もっと香りを楽しむには?
芳香浴以外にもさまざまな使い方があります。具体的にどのような楽しみ方があるのか、紹介します。
バスタイムに取り入れる
マグカップなどに精油を垂らして浴室に置けば、バスルームが心地よい香りに包まれます。1日の疲れを癒やすお風呂上がりでは、キャリアオイルと混ぜて、顔や足などをマッサージしてはいかがでしょうか。0.5%程度に希釈して使うのが大切なポイントです。1回のマッサージの目安は、小さじ2杯(10ml)のキャリアオイルにエッセンシャルオイルを1滴です。まず湯船に浸かってよく体を温めてから、マッサージを行いましょう。
衣類や寝具をほんのり香りづけ
好きな香りを使ったオリジナルのアロマスプレーを作れば、衣類や寝具などに吹き掛けるだけで、心地よい香りに包まれます。
とくに寝具や寝室のカーテンに使えば部屋によい香りが漂うため、就寝前のリラックスタイムにぴったりです。また、日ごろ持ち歩くハンカチに吹き掛ければ、外出先でも香りを楽しめます。バッグの中に入れておけば、バッグの中もよい香りになり一石二鳥です。ただし、エッセンシャルオイルによっては色がついてしまう場合があるため、カーテンやハンカチに吹きかける際は注意しましょう。
アロマスプレーは、無水エタノールとエッセンシャルオイルを先に混ぜ、その後精製水を加えて作ります。
ハウスキーピングに使う
掃除や洗濯などハウスキーピングにも使用可能です。ティートリーやユーカリは、除菌や殺菌効果が期待できるとされています。水を使って拭き掃除をしている人は、水にティートリーやユーカリのエッセンシャルオイルを数滴混ぜることで、香りを楽しみながら家を清潔にできるでしょう。このとき、エッセンシャルオイルが手につかないよう注意が必要です。
また、洗濯に使うのもおすすめ。すすぎの際に水に少量の精油を垂らせば、洋服にほんのりと香りが移ります。レモングラスやラベンダーの香りは多くの虫が嫌う香りのため、コットンなどに数滴垂らしてクローゼットに入れておくという使い方もできます。
専門知識を身につける
アロマテラピーについて学び、知識を深めて活用の幅を広げるのもよいでしょう。おすすめは、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が実施している「アロマテラピー検定」の取得です。アロマテラピーの正しい使い方や作用など基礎知識が身につき、ヘルスケアや仕事に活用することができます。
また、日本アロマ環境協会には「AEAJ認定アロマテラピーインストラクター」などアロマテラピーのスペシャリストを目指せる資格もあります。アロマを仕事に生かしたい〜専門知識を深めたいといった目的別、基礎知識を身につける〜特定の分野を極めるといったレベル別に検定・資格を案内しているため、自分に合ったものが選びやすいでしょう。
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ):公式サイト
監修/公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)
アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
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