【うなされる】ではなく【●●される】
”前後を忘れて夢中になる。のぼせ上がる。„という意味として、【熱にうなされる】という表現を使ったことはありますか?
自分自身が実際に使ったことがなくても、どこかで聞いたことはあるかもしれません。
しかし、この【熱にうなされる】は、正しい表現ではないんです。
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」(平成18年度調査)では、本来の言い方とされている表現を認識している人が35.6パーセントで、本来の言い方ではない【熱にうなされる】を認識している人が48.3パーセントという調査結果が出ているそう。
正解のヒントは【うなされる】の部分。耳で聞くと似ている言葉が入ります。
みなさんは正しく答えられますか?
気になる答え合わせは…?!
正解は…
熱にう【か】される
でした!
【熱に浮かされる:ねつにうかされる】
1.病気で高熱のためにうわごとを言う。
2.前後を忘れて夢中になる。のぼせ上がる。
「―・れていて忠告など耳に入らない」
〔補説〕
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「熱にうかされる」と「熱にうなされる」について、どちらの言い方を使うか尋ねたところ、次のような結果が出た。
[平成18年度調査]
・熱にうかされる(本来の言い方とされる)35.6パーセント
・熱にうなされる(本来の言い方ではない)48.3パーセント
[平成26年度調査]
・熱にうかされる(本来の言い方とされる)57.2パーセント
・熱にうなされる(本来の言い方ではない)27.1パーセント
~この慣用句知ってますか?気まぐれ慣用句紹介~
その1:根を下ろす
【根を下ろす:ねをおろす】
草木がしっかりと根を生やす。転じて、しっかりと位置を占める。定着する。
「漫画文化が若者の間に―・す」
その2:煮ても焼いても食えない
【煮ても焼いても食えない:にてもやいてもくえない】
どうやっても思うようには扱えない。手に負えない。
「―相手」
その3:習うより慣れよ
【習うより慣れよ:ならうよりなれよ】
人に教えられるよりも、自分で経験を重ねたほうが身につく。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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