目上の人には「頑張って」もNG
「頑張って」も「ご苦労様」と同様に目上の人に使うのは避けたい言葉。「頑張って」には、「努力しろ」という意味合いがあるためです。そのため、目下の人が目上の人に対して「頑張って」と伝えること自体失礼にあたるため、使い方には注意しましょう。
目上の人を応援したい場合は「頑張って」と表現するのではなく、「〇〇のご活躍をお祈りしております」という言葉で伝えるのがおすすめです。
【ご苦労様】のもともとの使い方は違っていた?
「ご苦労」というセリフを、時代劇で耳にしたことがある方もいるでしょう。実は、昔は「ご苦労様」は使い方が違っていたことをご存知ですか。では、昔はどう使われていたのかご紹介します。
昔は目下の人が目上の人に使う言葉だった
現代では、目上の人が目下の人をねぎらう言葉として「ご苦労様」が使われます。しかし、江戸・明治の頃、「ご苦労様」は、目下の人が目上の人に使う言葉だったのです。
明治の初期までは、目下の家来から目上の主君へ「ご苦労」と日常的に使われていました。
目上の人に使われなくなったのはいつから?
使われ方が変化したのは、明治の初期以降。明治〜大正時代になると目上の人が目下の人に「ご苦労」と使うことが一般的となり、違った形式で使われるように。わずか数十年で言葉の意味が変化したのです。
1980年以降は、目上の人が目下の人に使う挨拶として「様」がついた「ご苦労様」が定着したんだそう。
【ご苦労様】の代わりに目上の人にも使える挨拶
「ご苦労様」の代わりに目上の人にも使える挨拶を紹介します。
社内の目上の人に使える表現
社内の目上の人にねぎらいの言葉をかけたい際には、「ご苦労様」とよく似ている言葉としてご紹介した「お疲れ様」が適切です。広く一般的に利用できるため、親しい目上の人から立場が不明瞭な人まで社内の人であれば幅広く利用できます。
社外の人に使える表現
社外の人に「ご苦労様」を用いたい場合には、「お世話になります」と言い換えましょう。また、「お世話になります」は挨拶やお礼としても利用できます。
「お疲れ様」は社内の目上の人にも利用できるとご紹介しましたが、社外の人に対して使う場合は失礼だと捉えられる場合があるため、利用しないようにしましょう。
同僚や身内に使える表現
同僚や身内に対して「ご苦労様」を使ってしまうと、上から目線だと捉えられる場合があります。そのため、「お疲れ様」や「ありがとう」と言う言葉で、ねぎらいや感謝を伝えましょう。
メールで使える表現
メールの場合、社内の目上の人・同僚・身内に対しては「お疲れ様です」が使えます。また、社外の人に対して送る場合は挨拶として冒頭部分に「お世話になっております」と使うことが一般的です。
【ご苦労様】は正しく使用し、目上の人には適切な表現を使おう
ビジネスシーンなどでよく使われる「ご苦労様」は、相手に対してねぎらいや感謝の意味をこめて使われます。「ご苦労様」は、目上の人が目下の人に向けて使う言葉です。そのため、目下の人が目上の人に使ってしまうと失礼に値しビジネスマナー違反となることを覚えておきましょう。
ビジネスシーンにおいて、目上の人にねぎらいや感謝を伝えたい際は「お疲れ様です」を使うことが正しいとされています。「ご苦労様」の意味や使い方を理解し、ビジネスマナー違反とならないように気をつけましょう。
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