例えば、おままごとでママ役の女の子が、パパ役の男の子を叱っているので理由を聞くと「昨日、ママがパパを怒っていたから」と言ってみたり、「明日はホテルのビュッフェ食べに行くの〜」など、子どもの口からびっくりするような言葉が出てくる…。どれも家庭の様子を再現しているものなんです。子どもたちはどうしてこのような言動をするのでしょうか。臨床心理士でもあり、スクールカウンセラーとしても活動している吉田美智子さんにお話を聞きしました。
おしゃべり好きはママの真似!?
「昨日の家での出来事を園ですべてしゃべってしまったり、夏休みの計画をなぜか園の先生が知っているなど、未就学児たちは家庭での出来事を包み隠さず話してしまいます。これにはきちんと訳があります。男女ともに3歳くらいから自分が〝 女の子〟か〝男の子〟かという認識をし、同性の大人の真似をするようになってくると言われています。真似をしながら社会化していくので、まず身近にいる両親をお手本にするため家庭事情が丸裸になってしまうのです」(吉田さん)
そんな子どもの言動は止めるべき?
「子どもがしゃべっている内容によるかもしれません。例えば、おままごとで夫婦喧嘩の様子を再現している場合は、真似をすることで、恐怖をリリースしているとも考えられます。この場合は、止めることなくむしろゆっくりとお話を聞いてあげてください。ほかには、家の予定や夕飯のメニュー、買ったものなどのお話がよくありますが、これらはリアルを伝えていることもあれば、子どもの創作で話していることも。こちらは面白いなと笑顔で聞き流してあげられるといいですね。
家庭内のことを外でベラベラしゃべるのが不適切だなと感じるようになると、自然と話さなくなります。ほんの一時だけなので、言葉や会話のレッスン中だと思っておおらかな気持ちでいてくださいね」(吉田さん)。
家庭の良いところも、悪いところも子どもは無邪気に話したり、親の口癖を真似したりと、母親としてはヒヤヒヤするかもしれません。そんな時期は親も少し意識して、丁寧な生活を送ると自分自身も安心できるのではないでしょうか。
構成・文/福島孝代
写真/(C)Shutterstock.com
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
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