眠りとお風呂の専門家、小林麻利子さんが実践する「寝る前にやりたい5つのルーティン」
1:小さい子どもがいるママは「分浴」で寝る前にもう一度お風呂へ
小さな子どもがいて「ゆっくり湯ぶねに浸れない」「お風呂に入っても自分が寝る頃には体が冷えている」というママには、2回に分けてお風呂に入る「分浴」がおすすめ。夕方、子どもの寝る時間に合わせて一緒に入り、髪や体を洗いスキンケアまで済ませてしまいます。そして、夜、寝る前にひとりで体だけ湯船につかり、温まりましょう。
湯船に体を浮かせることで、地上では考えられないくらいの浮力感を味わうことができ、副交感神経も優位になります。季節の変わり目は特に、寒い=交感神経への刺激となってしまうので、分浴で寝る前にしっかり体を温めてくださいね。はじめは「湯ぶねに2回もつかるなんて面倒!」とおっしゃるママも、実際に試していただくと、その後の眠りの深さに驚かれることが多いんですよ。
2:お風呂→脱衣所→寝室までの照明を暗くする
お風呂から脱衣所、寝室までの照明はとにかく暗く! 光の刺激を極力抑えることが大切です。目ざすはラグジュアリーホテルのような雰囲気。寝室に入るときに照明をつけることをせず、ずっと薄暗い状態のまま、お風呂で築いた脱力感をベッドの上までキープしてください。
3:ポカーンと顔を脱力させる
お風呂から上がったあとは、歩くときも座っているときも、ドライヤーをかけるときも、顔と体からしっかり力を抜きましょう。特に顔は、頭でいろいろ考え事をしているときやストレスを抱えているときに、知らず知らずのうちに力が入っている部分です。眉間にしわが寄っていたり、奥⻭を噛み締めていたりしていませんか? 顔の力を抜くために、座っているときは軽く目は閉じてください。歩いているときも伏し目がちに。口をポカーンと開けて、正面から見たときに舌が軽く見えるくらい脱力してください。
4:アロマを使って嗅覚から自律神経を穏やかに
嗅覚は五感の中でも最も素早く自律神経に作用するため、就寝前のうっとりタイムには、ぜひアロマを使ってください。精油をそのまま拡散できる、ネブライザー式のディフューザーがおすすめです。アロマ精油をボディオイルに忍ばせて、こめかみ、鼻下に軽く塗るのもいいですよ。精油は1種類だけでなく、数種類ブレンドして相乗効果を狙って。おすすめは、鎮静作用のあるラベンダーに、ストレスや緊張感を和らげてくれるヒノキやローズ、ゆずなどを混ぜた香り。アロマを炊くのが面倒なら、天然アロマを使用したアルコールフリー(アルコールが入っているとエタノール臭がするため)のピローミストを使うのも手。香りで気分を寝るモードへ導きましょう。
5:ストレッチorマッサージで血流を促す
一番、凝っているところだけでいいので、寝る前にストレッチかマッサージをしてみてください。それだけでも眠りの質がかなり上がります。凝っている部分は、筋肉の血流が悪くなっているところ。マッサージなどで血流をよくすると心地よく眠れるはずです。妊婦の私は、毎晩お腹のストレッチをしています。四つ這いになって、腰を反ってお腹をゆっくりストレッチ。1日中、子どもを抱っこしているという方は、首と肩をほぐしましょう。座って、ゆっくり肩甲骨を回してみてください。足が疲れている場合は、ふくらはぎをストレッチ。寝転んで、つま先を上下に動かすだけでもスッキリしますよ。
お風呂に入ったり、照明を暗くしたり。どれも、すぐにはじめられることばかり。少し意識を変えるだけで眠りの悩みが改善されるのであれば、やってみる価値あり!ぜひ、今晩から実践してみてください。
教えてくれたのは・・・
小林麻利子
同志社大学卒業、京都市出身。SleepLIVE株式会社代表取締役社長。生活習慣改善サロンFlura主催。眠りとお風呂の専門家、公認心理師。科学的根拠のあるデータや研究を元に、睡眠と入浴を中心とした生活習慣を見直すことで、自律神経を改善していく指導が人気。今までに約2,000名以上もの悩みを解決し、テレビや雑誌など、多くのメディアで活躍中。企業向けには、健康経営や睡眠関連事業支援などを行う。著書に『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン)『不美人習慣を3日で整える熟睡の練習帳』(G.B.)などがある。2歳男児のママで、現在第二子を妊娠中。睡眠や入浴に関する情報を発信するインスタグラムも人気。
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