【目次】
・「五月蝿い(うるさい)」の3つの意味と例文
・漢字の由来は「五月」の「蝿(ハエ)」
・「五月蝿い」と「五月蠅い」「煩い」の違い
・「五月蠅い」の英語表現と例文
・「五月蝿い」の意味を理解しシーン応じて使い分けよう
【目次】
「五月蝿い(うるさい)」の3つの意味と例文
普段何気なく使う「五月蝿い」という言葉には、「物音が大きくて耳障り」「わずらわしい」「いやになるほど優れている」という3つの意味合いがあります。ネガティブなイメージだけでなく、ポジティブな側面を持つことがポイントです。例文とともに「五月蝿い」の意味を掘り下げていきましょう。
1.「物音が大きくて耳障りである」
「五月蝿い」という言葉は、物音が大きく耳障りに感じるときに使用します。物音に対し、腹立たしく感じることを表す言葉です。日常的に使うシーンでも頻繁に使う表現だといえます。
・近所の工事の音がうるさいのでどうにかしてほしい
・うるさいな!少し静かにして
・映画に集中したいのに隣の人の話し声がうるさい
2.「わずらわしい」
周囲の主張や批評が「わずらわしい」と感じるときにも「五月蝿い」を使用します。また、物がたくさんあり不快に感じるときにも適した言葉です。「五月蝿い」は、耳に聞こえる音だけを指す言葉ではないことを覚えておきましょう。
・細かいことまでいちいちうるさい
・職場のルールがうるさい
・このバッグは形は良いのに装飾がうるさいね
3.「いやになるほど優れている」
「五月蝿い」には「こちらがいやになるほど優れている」という意味もあります。また、「芸事が優れている」という意味もあわせ持つ言葉です。
かつては、細かいところまで配慮が行き届くことを「嫌になるほど素晴らしい」という意味で「五月蝿い」と表現しました。つまり、「五月蝿い」には「良い」と「悪い」両面の意味合いがあります。相手が何かに秀でている様子を表すときには、以下のように使用しましょう。
・彼はワインの銘柄にうるさい
・彼女はいつも服装にうるさい
漢字の由来は「五月」の「蝿(ハエ)」
「五月蝿い」という漢字は「五月」の「蝿(ハエ)」が飛ぶ様子に由来しています。五月といえば、新緑の季節。気候も良くすがすがしい時期に、なぜ「蠅」が現れるのか少しふしぎに感じますよね。
旧暦が使われていたころ、「五月」は雨の季節でした。すっきりと晴れわたる空を表す「五月晴れ」という言葉も、かつては梅雨の晴れ間を意味する言葉だったのです。つまり、じめじめとした旧暦の「五月」は、「蝿」も飛び始める時期だったと考えられます。
梅雨の時期に活動を始める「蝿」は、うるさく騒がしいものでした。そのため「うるさい」とう言葉に「五月蝿い」という漢字を当てるようになったのです。
「五月蝿い」と「五月蠅い」「煩い」の違い
「うるさい」という言葉を漢字変換すると、「五月蠅い」「煩い」といくつかの表現があります。いずれも「うるさい」と読むものの、言葉のニュアンスは微妙に異なりますので、それぞれの違いを確認していきましょう。
■「煩い」は「面倒」のニュアンスが強い言葉
「煩い」は「面倒」とういニュアンスが強い言葉です。「煩」は音読みで「ハン」と読みます。物事が多くわずらわしいことや、面倒なことを意味する漢字です。「五月蝿い」のように、物事が大きく耳障りだという意味合いは持ちません。
漢字には、常用漢字と違う読み方をする「表外読み」があり、「煩」は表外読みで「うるさ・い(煩い)」と表します。表外読みは一般的にひらがな表記されるため、「煩い」と日常生活で使うことはほぼありません。大人の知識のひとつとして、「五月蝿い」と合わせて覚えておきましょう。
■「五月蠅い」は正式な表記
「五月蝿い」とよく似た漢字表記に「五月蠅い」があります。一見すると違いを見落としてしまいそうですよね。
「蝿」は、「蠅」から転じた漢字です。「異体文字」や「書体字」とも呼ばれます。どちらも音読みで「ヨウ」、訓読みで「はえ」と読みますが、正式には「蠅」を用います。
ただし、「五月蠅い」も「五月蝿い」も常用漢字ではないため、公文書では使用できません。あくまでも「うるさい」の当て字であると理解しておきましょう。
「五月蠅い」の英語表現と例文
「五月蝿い」の意味に合わせ、英語表現は「noisy」「troublesome」「particular」と変化します。「五月蝿い」と感じるシーンに合わせた英語表現と例文をご紹介します。
■物音がうるさいときは「noisy」
物音がうるさいと伝えたいときには「noisy」を使用します。「noisy」は「騒々しい」「やかましい」という意味合いを持つ単語です。
・She is noisy.
(彼女はうるさい)
・The dog’s voice is noisy.
(犬の声がうるさい)
同様に「あなたはうるさいよ」と伝えたいときには「You are noisy」と表現できます。しかし、「うるさいから静かにしてほしい」という思いとは違ったニュアンスになるでしょう。「静かにしてほしい」という気持ちを伝えるためには、はっきりと以下のように表します。
・Be quiet!
(静かにして!)
・Be quiet,please.
(静かにしてください)
・Let’s be quiet,please.
(静かにしましょう)
■わずらわしいときは「troublesome」
わずらわしく厄介だという意味で「五月蝿い」を表現するときは、「troublesome」を用います。「面倒な」というほかにも「厄介だ」「うるさい」と多様な意味を持つ言葉です。以下の例文のように、日常生活だけでなくビジネスシーンでも活用できます。
・I have taken on the troublesome work.
(厄介な仕事を引き受けてしまった)
・Questions are troublesome to her.
(彼女は質問をうるさがる)
■優れていることを表す「particular」
相手が優れていることを「五月蝿い」と感じるときには、「particular」を用いましょう。「特別」や「格別」といった意味を持つ「particular」を使えば、ファッションセンスや味覚に優れていることを表現できます。
・They are particular about clothes.
(彼らは服装にうるさい)
・He is particular about the foods.
(彼は味にうるさい)
「五月蝿い」の意味を理解しシーン応じて使い分けよう
「うるさい!」と騒音に対して使うことの多い「五月蝿い」という言葉は、さまざまな意味合いを含んでいます。言葉の意味を正しく理解すれば、会話の幅を広げることも可能です。漢字の由来を知ると、知識はさらに豊かになっていくでしょう。「五月蝿い」の意味を正しく理解し、シーンに応じて使い分けていきたいですね。
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