これにもあれにもつく「包」の正体は?
中国語を勉強していると、「あ、この漢字はこういう括りの言葉に使われるんだ!」というような発見がよくあります。これは漢字を理解する日本人にとっての大きなメリット。その能力を使い、自分なりに言葉を連鎖させていくことで、知っているボキャブラリーの数は面白いほど増えていきます。
たとえば「包」という字。
読んで字の如く、この字が含まれる言葉に共通するのは「何かを包む」ということ。どうも台湾では多くのものが「包まれている」ようなのです…!
ということで、今回は台湾で過ごしていると必ず出合う「包」アイテムを7つご紹介します。
⇨「包」は (Bāo) と読む
1. 小籠包 (Xiǎo lóng bāo) = ショウロンポウ
まずは説明要らず、台湾といえばのこれ。熱々の肉汁をたっぷり抱え込んだ、大きめひと口サイズの小籠包を皮を破らないように気をつけながら箸でもち上げレンゲにのせて、フレッシュな千切り生姜と共に一気にパクリッ。くぅ〜、毎食小籠包でもいいくらい!
2. 打包 (Dǎ bāo) = テイクアウト、持ち帰り用に包む
台湾には以前から持ち帰り文化が根づいているため、お粥であろうが、揚げ物であろうが、あたたかい麺類であろうが、とにかく「幫我打包一下 (Bāng wǒ dǎbāo yīxià)」といえば、どうにかしてもち帰り用にまとめて渡してくれます。さすがにオーダーしたスープが金魚すくいのようなスタイルでプラスチックの袋に入ってきたときには驚きましたが。
3. 麵包 (Miàn bāo) = パン
台湾人も日本人と同じくらいパンが好き。街中の至るところでパン屋さんを見かけます。ただし、店内を見渡すと台湾風アレンジが利いたものや「ここはケーキ屋さんか?」と思うくらいケーキが充実しているところもあり (実際ケーキ屋さんも兼ねているところも多い)、見ているだけでもおもしろい!「これは何だろう?」というようなパンを見つけては、味を想像しながら買ってみるのも台湾パン屋の楽しみかたのひとつです。
4. 包子 (Bāo zi) = 肉まんや野菜まんなど中に具材が入っている饅頭
台湾のソウルフードのひとつ、包子。片手に収まるくらいの絶妙なサイズ感は、小腹が空いたときの食べ歩きにもぴったり。台湾では中に具材入っているものを包子といい、白い皮だけのものを饅頭 (Mántou) と呼びます。なので、日本で饅頭と呼ばれている多くのものは、台湾では包子なのです (混乱)。
5. 茶包 (Chá bāo) = ティーバッグ
茶器を使い、きちんとプロセスを踏んで一杯一杯お茶を入れるイメージがあるお茶大国台湾ですが、もちろんティーバッグもあります。お土産屋さんなどでお茶を買うときに、もし箱の中身がお茶っ葉なのかティーバッグなのかわからないことがあれば、「這是茶葉還是茶包 (Zhè shì cháyè háishì chábāo)?」と聞いてみましょう。
6. 包包 (Bāo bāo) = バッグ全般
先述した通り「包」という字には「包む」という意味があるわけですが、ものを包むいちばん身近なものといえば、バッグではないでしょうか。多くの口語 (や赤ちゃん言葉など) は、「包包」のように同じ言葉を2回繰り返します。形状や目的によって呼びかたも異なり、たとえば背負うスタイルのバッグは背包 (Bèi bāo)、スクールバッグは書包 (Shū bāo) といいます。それをすべてひっくるめ、バッグ全般を「包包 (Bāo bāo)」と呼ぶのです。
7. 紅包 (Hóng bāo) = お年玉
台湾のお年玉は真っ赤な袋に入って渡されます。日本は孫や子どもなど自分よりも年齢が下の世代に渡すのが一般的ですが、台湾では自分の親や配偶者にも渡します。そんなお正月の合言葉は「新年快樂 紅包拿來〜 (明けましておめでとう お年玉く〜ださい!)」
これ以外にも果てしなくある、包ワード。見つけたらぜひマイ包リストに追加してみてくださいね!
【続】
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ライター
有田 千幸
外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経て美容ライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。薬膳コーディネーター。@chiyuki_arita_official