【目次】
・大物の洗濯はとにかく面倒… でも“絶対にやっておいて損はない!!”
・洗えば汚れにビックリ!?【レースカーテン編】
・足踏み洗いをマスターしよう! 【カーペット・ラグ編】
・夏にかいた汗の汚れとニオイをすっきり【タオルケット・敷パッド編】
【目次】
大物の洗濯はとにかく面倒… でも“絶対にやっておいて損はない!!”
陽射しは鋭い日があるものの、風と空気はすっかり秋めいている今日この頃。少しずつ、秋晴れのお洗濯日和も増えてきました。「夏用のあれとかこれとか、洗わなきゃな~」と思いながらも、面倒でなかなか実行できないという方もいらっしゃることでしょう。ライオン株式会社が行ったアンケートからも、皆さんの葛藤が伺えます。
なんと58.4%と半数以上の方が『レースカーテン』をスルーしがちと答え、次いで夏用カーペット、タオルケット・敷パッドの夏用寝具と続きます。たしかにレースカーテンは洗濯はおろか、そこにたどり着くまでを考えるだけで筆者も気が滅入ります。スルー率No.1も納得です。
しかし「レースカーテンには、皆さんが思うよりもずっと、じわじわと汚れが蓄積されているんですよ…」と呟くのはライオンお洗濯マイスターの大貫和泉さん。お洗濯のプロにこう言われてしまうと最早看過できません。この際ですから大貫さんに夏の大物アイテムたちの洗い方とコツを教えて頂き、面倒くささとおさらばしてしまいしょう!
洗えば汚れにビックリ!?【レースカーテン編】
カーテンはシーツなどと違って汚れが目立ちづらいため、この夏といわず数年洗っていないという人もいらっしゃるかもしれません。ですがカーテンは、部屋のホコリなどで驚くくらい汚れているんです。
▲(左)洗濯後のレースカーテン、(右)10年間洗濯していないレースカーテン
写真から分かるとおり、10年間お洗濯をしていないレースカーテンは、窓からの光を取り込みにくく、部屋の照度(光の明るさ)が落ち、暗い印象になってしまいます。一方、お洗濯をしたカーテンには窓からの光が明るく差し込んで、明るくさわやかな印象になりました。汚れたカーテンを使用していると、部屋の照度にも影響し、お部屋自体が暗くなってしまうんですね。
▲一見、キレイなレースカーテンも…?
実際に洗濯してみると、水がこんなに汚れていることも…。在宅時間が長かった今年の夏は、なおさら汚れがたまっているかもしれないですね。カーテンが汚れたままだと、お部屋全体も暗くなってしまいますので、ぜひこの機会にお洗濯してしまいましょう!
Step1. レースカーテンを洗う前の準備
その1. 家で洗えるかをチェック
カーテンの洗濯表示を見て確認しましょう。上の洗濯表示がついている場合は、ご家庭で洗えます。
その2. 洗剤を選ぶ
レース素材などのデリケートな素材や色柄を守りたいカーテンの場合は、おしゃれ着用洗剤のアクロンをおすすめします。
▲アクロン 本体 450ml ¥270(税込/参考価格)
Step.2 いざ実践!洗濯機で洗います
1. カーテンから金具を外してホコリをはたき落とす
2. 気になる汚れには『前処理』を
カーテンの上部のギャザーや裾の部分がホコリなどで汚れていたら、気になる部分に洗剤の原液をつけて、キャップの底でたたいてしみ込ませておきます。
3. ジャバラ状にたたむ
汚れが気になる部分を表にして「ジャバラ状」(屏風だたみ)にたたみます。
4.『洗濯ネット』にカーテンを入れる
洗濯表示に「洗濯ネット使用」と書いてある場合やレースのカーテン、デリケートな素材のカーテンは、洗濯ネットに入れて洗いましょう。
5. 洗濯機に入れる
洗濯機に入れる向きも、上手に洗うポイントのひとつ。洗濯機は、かくはん羽根付近が最も機械力が強く汚れが落ちやすいので、縦型洗濯機の場合、汚れている面を洗濯機の底側に向けて入れて洗いましょう。
6. コースを選択する
▲ブライト STRONG(ストロング) 本体510ml ¥240(税込/参考価格)
「手洗いコース」、「おしゃれ着コース」、「ドライコース」などの弱水流コースで洗います。カーテンの汚れがひどい時は、『液体酸素系漂白剤(※)』を適量入れて洗ってみましょう。洗濯中に洗濯液が真っ黒になるようであれば、「二度洗い」がおすすめです。
(※)液体酸素系漂白剤を使用する場合は、洗濯表示を確認してから行いましょう。
7. 柔軟剤で仕上げる
▲ソフラン アロマリッチ 本体520ml ¥380(税込/参考価格)
「柔軟剤」には洗濯じわを防ぐ効果がありますので、よりキレイな仕上がりになります。好きな香りの柔軟剤を使ってお部屋の中をほのかに香らせてみるのも楽しいですね。
Step.3 これで完璧! キレイに仕上がるカーテンの干し方
1. 縫い目を伸ばす
洗濯じわや型くずれを防ぐため、脱水後はすぐに取り出して、手で縫い目を伸ばします。
2.カーテンレールに干す
レースカーテンは、カーテンレールに干すと、カーテン自体の重さで全体のしわが伸びてキレイに仕上がり、干す場所も取りません。干す前には窓ガラスを掃除しておき、汚れがつかないように注意しましょう。
足踏み洗いをマスターしよう! 【カーペット・ラグ編】
飲み物や食べこぼしなど、ひと夏の汚れを受け止めてくれたカーペットは、まるごと洗濯してしまいましょう。浴槽を使った「足踏み」洗いをマスターすれば、しっかり汚れが落とせますよ。また、長引いたおうち時間で気になる汗のニオイ対策もしておくとベストです。では、早速準備に取り掛かりましょう!
Step1. カーペットの「洗濯表示」をチェックする
洗濯表示に「洗濯おけ」や「手洗い」、「洗濯機」の記号がついている場合は、ご家庭で洗濯することができます。洗濯表示に「洗濯おけに×」がついている場合は、ご家庭で洗濯することはできませんので、クリーニング店に出しましょう。
※注意!※
色物・柄物のカーペットの場合は、洗剤の原液を白い布につけて、カーペットの目立たない所をたたいた時に、布に色が移るかを見ます。色が落ちたら、クリーニング店に出します。
Step.2 洗う前の準備
《ホコリや髪の毛を取る》
掃除機や粘着ローラーで、表面のホコリや髪の毛を取り除きます。
《汚れが気になる部分は前処理を!》
シミ汚れがある場合には、おしゃれ着用洗剤(アクロンなど)の原液をつけ、キャップの底で軽くたたいて前処理を行います。
Step.3 前処理が完了したら、いざお風呂へ! カーペット・ラグの洗い方
1. 折りたたむ
汚れた部分を外側にし、浴槽の大きさに合わせて、四つ折りにし、さらに半分に折り、浴槽に入る大きさに折りたたみます。
2. 浴槽で『足踏み』洗い!
カーペットがつかる程度の水を浴槽に入れたあと、おしゃれ着用洗剤(アクロンなど)を使用量の目安を参考に入れ、端から「足踏み」するように洗います。たとえば、浴槽300Lの場合、1/10程度の水量(30L)であれば、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を40ml入れます。
【※転倒に注意※】
足踏みをする時は、必ず壁や手すりなどにつかまって、転んだり滑ったりしないように注意してくださいね。
Step.4「シャワー」で洗剤液を流して、ためすすぎを
足踏み洗いが終わったら、浴槽の栓を抜きましょう。続いて洗剤液を浴槽から流し、シャワーの水を上から当てて足踏みしながら、カーペットに残っている洗剤液を洗い流します。それからカーペットがつかる程度に水をためて、足踏みをしてためすすぎを行います。すすぎの水を浴槽から抜いたら、もう一度シャワーを当てて洗い流し、ためすすぎをします。
Step.5 浴槽のフチにかけて脱水する
すすぎ終わったら、足踏みをして水をよく切って、浴槽のフチ(エプロン部)にかけます。そして、30分~1時間そのままにして脱水します。
Step.6 あとは干すだけ! 2本の竿にかけて乾かす
水が切れて軽くなってから、物干し竿に干します。2本の竿にかけるようにして干すと、空気が通りやすく、乾きも早くなります。直射日光に当たると生地が日焼けしたり、色あせてしまうものもありますので、洗濯表示で干し方を確認し、陰干しマークのあるものは日陰に干しましょう。
夏にかいた汗の汚れとニオイをすっきり【タオルケット・敷パッド編】
就寝中どれくらいの量の汗をかいているかご存知ですか? 暑い夏の夜は、ひと晩で約500〜1000mlの汗をかくと言われています*。寝汗や皮脂はイヤなニオイや黄ばみの原因になりますので、夏用にしまっておくとき、または秋冬用に続けて使用する場合でも、汚れとニオイをしっかり落として、清潔にしておきたいアイテムです。
*都築ら、睡眠時の温熱環境評価、日本建築学会環境工学委員会熱環境小委員会熱シンポジウム、Vol.34(2004)を参考に、温度32℃、湿度80%の環境下で睡眠時の体重減少量を約65(g・h-1・m-2)と仮定し、表面積1.2~2.1㎡(身長145㎝・体重40kg~身長185㎝・体重85kg)が7時間就寝した時の値を算出。なお、汗の量は個人差があります。
Step.1 洗濯表示を確認してから適切な洗剤を選ぶ
洗濯表示をチェックして、家庭で洗えるかどうかを確認します。洗濯表示を見て「一般用洗剤」か「おしゃれ着用洗剤」を使うか、適切な洗剤を選びます。
Step.2 目立つ汚れには前処理をする
目立つ汚れがついている部分には、汚れに直接原液を塗布します。汚れが広範囲に渡る場合には、洗剤を水に薄めた液をスポンジに含ませ、汚れになじませます。
1. 洗剤液をつくる
洗面器などに水を入れ、洗剤を適量加えて洗剤液をつくります。
《水に対する洗剤の量の目安》
・おしゃれ着用洗剤「アクロン」の場合→水4Lに対して10mlが目安
・一般衣料用洗剤「トップ スーパーNANOX」の場合→水2Lに対して2gが目安
※手が荒れやすい方は、炊事用手袋を使用しましょう。
▲(左)トップ スーパーNANOX/(右)スーパーNANOX ニオイ専用 [本体]大サイズ660g 各¥600(税込/参考価格)
2. 汚れに洗剤液をなじませる
汚れを落としやすくするため、やわらかいスポンジに洗剤液を含ませて、汚れている部分に洗剤液をなじませます。生地を傷めてしまうので、スポンジのかたい面でこすらないように注意しましょう。
3. 軽く脱水します
水がたれないように、軽く絞ります。
Step.3 「毛布」「大物洗い」コースにして洗濯機で洗う
汚れている部分が外側になるように「ジャバラ状」に折りたたみ、ロール状に丸めて洗濯ネットに入れます。
Step.4 これでOK! なるべく早く乾かす「干し方」
《外干しの場合》
物干し竿を2本使って「M字干し」すると、早く乾きます。
《部屋干しの場合》
「ジグザグ干し」やハンガーで隙間を広げて、竿にかけます。扇風機を当てると早く乾きます。
▲「ジグザグ干し」
「昨年に引き続き在宅の方も多いと思いますので、秋晴れの日をねらって、夏の汚れやニオイが付いた大物アイテムをしっかりと洗ってスッキリさせたいですね。」と大貫さん。お洗濯のプロが教えてくれた洗い方のコツ、ぜひとも覚えておきたいですね。
この記事を執筆するにあたって、洗濯後と10年洗濯していないレースカーテンの写真を何も知らずに見た筆者。右はブラウンのレースカーテンなのかしら、ちょっとオシャレね~なんてノリで見ていたら、ヒェッと声が出そうな衝撃の事実が突きつけられ、筆が進みました。即お洗濯しなければ…。皆さまも一緒に頑張りませんか。私も頑張ります。
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おしえてくれた人
大貫和泉さん
ライオン株式会社 お洗濯マイスター、消費生活アドバイザー、健康予防管理専門士、繊維製品品質管理士(TES)。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。母親としての経験と研究活動を融合し、日々のお洗濯に役立つ情報をわかりやすく伝えるために奔走中。