子どもを操作するようなやり方は危険!?
同じようなものを持っていたり、買って買って攻撃が激しかったり、与えるにはまだ早いかなと思うものに対して、親はつい「××したらね」と少しハードルの高い条件を提示します。テストの点数や直して欲しい生活態度などを掲げる場合が多いですが、この方法には注意が必要です。
この方法をしている限り、【ご褒美がなければやらない子ども】になってしまいますよね。自律性を摘んでしまうことになります。そして、その先には【いい子でなくては認めてもらえない】と思い込んでしまう子もいるのです。
親の提示したことをしなければ自分には価値がないと追い込んでしまい、自傷行為や摂食障害で辛さを表現する子も少なくないのです。そして、この親が作るご褒美システムは〝条件付きの愛情〟で親子関係が保たれる状態になってしまいます。
ご褒美を引き合いに出さずとも、子どもが自発的に行動できればベスト。とはいえ、勉強やお手伝いなど、子どもが面倒臭がることはなかなか動いてくれません。大人だって〝やらなければならない〟となると目を逸らしたくなりますよね。
そこで試していただきたいのが、【楽しいという体験・面白いという経験】を増やしてみてください。例えば、勉強なら理科の実験のワークショップへ行ってみる、計算問題を親子でタイムを競争してみる。お手伝いなら、料理長(親)とウェイター&ウェイトレス(子)と配役をつけてみる、など工夫をしてみてください。
ご褒美自体が悪いことではありません。〝勉強してもらうためにご褒美を与え続ける〟といった、子どもを操作するようなやり方は危険です。また、ご褒美システムは最初のうちは子どもが頑張る原動力になりますが、段々と気持ちが薄れてしまう場合も。今からでも遅くないので、ぜひご褒美がなくても自発的に動ける子育てにシフトチェンジできるといいですね。
画像/(C)Shutterstock.com
取材・文/福島孝代
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臨床心理士
吉田美智子
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