誰かにオススメされた、名著と名高い、勉強になった本の参考文献として載っていた……「本の選び方」には当然、いろいろなやり方がありますよね。
ここでは、そういった予備知識がまったくない本を選ぶ場面を考えてみてください。みなさんはどんなふうに本を選んでいるでしょうか?多くの場合、本屋さんに行って、本の表紙を見て「これがいいな」と感じるものを選んでいると思うのですが、東大生に話を聞くと、実は一風変わったポイントを見ている場合が多いことに気づかされます。
それは「著者のプロフィール」です。著者の経歴を見て、自分とは全然違う経験をしている人であればあるほど、その人のものの考えを知りたいと感じるというのです。
そもそも読書というのは、誰かの思考をインストールする行為にほかなりません。自分以外の誰かは、どのように世界を見ているのか。それを知ることができることは、読書における大きな醍醐味の1つなのです。
自分にないものを持っている人や、自分が経験しえないことを経験している人から話を聞くことができる。頭のいい人や面白い人の思考をコピーすることができる。だからこそ、読書というのは勉強になるのです。
「著者のプロフィール」が凄くて勉強になった本、3選
その観点で見たときに、僕が非常に面白いと感じたのは『ネオ・ヒューマン』です。
オススメ1:まるでSFの主人公!『ネオ・ヒューマン』
これは、人類で初めてAIと融合し、サイボーグとして生きている科学者、ピーター・スコット-モーガンさんの自伝です。
彼は全身の筋肉が動かなくなるALSという病気になってしまったのですが、そこから研究を重ねて自分の身体をサイボーグ化した、SF作品の主人公のような人です。
僕が中学生の時に読んでいたライトノベル『ソードアート・オンライン』の世界の住人のような経歴の人ですが、実際に現代を生きている人だというのだから驚きです。
ピーターさんのような経験は、おそらく彼以外の人は誰もしていませんよね。そういう人の考え方だからこそ、やはり読んでいて勉強になる部分が多いです。
最も印象的だったのは、ピーターさんが考える人類の歴史の本質です。
「人類は、火山の噴火や洪水などの災害を、昔はただ運命と受け入れることしかできなかった。それが、少しずつ運命に立ち向かうことができるようになってきた。ということは、病に対しても同じように、人類はその運命に立ち向かうことができるのではないか」
この考え方は、自分にないものだと強く感じました。人類の発展とはそうあるべきなのだと思ったのでした。