月とすっぽん
月とすっぽんは、両方とも丸い形をしています。 ただし、形は似ているものの、まったく異なるふたつですよね。このことから、「月とすっぽん」は、ふたつの物が似ているようで、大きくかけ離れていることをあらわしています。「雲泥の差」は、本来は優劣をつけるニュアンスはありませんが、「月とすっぽん」は優劣をつけるニュアンスが含まれています。
(例文)私と姉の学歴は、月とすっぽんほどに違う。
提灯に釣鐘
提灯と釣鐘は、ともに釣り下げて使われるもので、形も似ています。しかし、提灯は大部分が紙でできているため軽く、釣鐘は青銅でできているため非常に重いです。形は似ていても、重さに大きな違いがあることから、物事が釣り合わないことや比べものにならないことを意味しています。
現代ではあまり耳にすることはありませんが、昔は、結婚において両家の身分が釣り合わないことを「提灯に釣鐘」と表現していました。
(例文)○○家と○○家は、提灯に釣鐘だ。
霄壌の差
霄壌の差の「霄」は空、「壌」は大地を表しています。まるで天と地との隔たりのような、計り知れないほど大きな違いがあることを指す言葉です。物事や能力などに差異があることを強調することができる言葉ですから、「雲泥の差」の類語と言えるでしょう。
(例文)営業成績トップの友人と私では霄壌の差がある
雪と墨
雪と墨は、白い雪と黒い墨の色が正反対であるように、物事の正反対であること。また、違いのはなはだしいことのたとえとして使われる言葉ですから、大きな差があるという意味では「雲泥の差」の類語と言えるでしょう。
(例文)彼女と私では雪と墨ほどの差がある
英語表現とは?
「雲泥の差」に当てはまる英語はあるのでしょうか? 紹介します。
1:The paintings of this artist and that artist are as different as day and night.(この画家の絵画とあの画家の絵画とでは、雲泥の差がある)
昼である「day」と、夜である「night」を挙げ、ふたつがまったく異なることを意味するイディオムです。「as different as day and night」で、ひとかたまりの英語なので、そのまま覚えておきましょう。
2:My sister and I are as different as chalk and cheese.(姉と私とでは雲泥の差がある)
チョークとチーズのように、見た目は似ているけれども、まったく違うことを表現する言葉です。例文1との違いは、見た目は似ているという点です。日本語では、「月とすっぽん」のニュアンスに近い英語表現です。
3:There is a world of difference in the earnings between A company and B company.(A社とB社では、収入に雲泥の差がある)
「There is a world of difference」も、ひとかたまりで「雲泥の差がある」「天地の差がある」という意味の英語。「a world of~」で、「非常にたくさんの~」という意味を持ち、それに「違い」を意味する「difference」をつけたものです。たいていの場合は、「between~」や「between A and B」とともに使われます。
最後に
ここまで「雲泥の差」という言葉について解説しました。「雲泥の差」とは、非常に大きな差という意味。格差として伝わってしまうこともあるので、使うときには注意が必要ですが、上手に使えれば、表現力がアップします。さまざまな場面で使ってみてくださいね。
トップ画像・アイキャッチ/(C)Shutterstock.com
▼あわせて読みたい