Contents
「所存です」の正しい意味は?
「所存です」は、「〜だと思います」という意味を持つ表現です。単語の主体となる「所存」は「しょぞん」と読みます。誤って「しょそん」と読まないように注意しましょう。「所存」には、以下2つの意味があります。
・心の中で思っていることや考えていること
・思惑
そもそも「所存」とは、訓読の「存ずる所」を省略したものです。「存ずる」は「思う」「知る」「考える」のへりくだった表現です。自分よりも立場が上の人に対して意思を伝える際に使用します。
「所存です」を使うときの注意点
「所存です」を使うときには、気をつけておくべき点が2つあります。具体的には、二重敬語にならないこと、「思う」「考える」と一緒に使わないことが挙げられます。
さまざまなシーンで便利に使える言葉だからこそ、間違った意味で使うと相手に悪印象を与える可能性も。正しい使い方ができるように、「所存です」の注意点について確認しましょう。
「所存でございます」は二重敬語にはならない
「所存でございます」は二重敬語と思われがちですが、日本語として正しい表現です。二重敬語とは、種類が同じ敬語を連続させた言葉のことです。具体的な二重敬語のパターンは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」が挙げられます。
二重敬語は表面的には丁寧な表現であるものの、かえって失礼な印象を与えることから、一般的に適切な表現ではないとされています。その点、「所存でございます」は二重敬語にあたる表現ではなく、正しい使い方です。「所存です」よりも丁寧さがあるため、礼儀正しい印象を与えたいときに使うといいでしょう。
「思う」「考える」と一緒に使わない
「所存です」は「思う」「考える」という意味を含んでいるため、「思う所存です」「考えている所存です」のように、「思う」「考える」と一緒に使用できません。意味が重複した表現は「二重表現」と呼ばれ、誤った日本語です。
二重表現は思わず使ってしまう言葉ですが、誤りであるため使用しないように気をつけなくてはいけません。「所存です」を使う際は意味が二重になっていないかを確認し、誤用しないように注意をしましょう。
「所存です」の正しい使い方と例文4つ
ここでは「所存です」の正しい使い方と例文を4つご紹介します。「所存です」は、主にビジネスシーンにおいて便利に使える言葉です。特に仕事上のメールを送るときや、履歴書・面接で志望動機を伝えるとき、スピーチや新任挨拶のような決意表明をするときに多用されます。
「所存です」の正しい使い方を理解しておくと、適切な場面で活用できるでしょう。
ビジネスシーンでメールを送るとき
「所存です」は、ビジネスメールで謝罪や決意表明するときに使用できます。ただし、1通のメールの中で「所存です」を多用すると、読み手に「くどい」と思われかねないので注意しましょう。
謝罪の気持ちを表すお詫びメールを送る際は、以下の例文を参考にしてください。
・今後は同じミスが再発することのないよう、社員教育を徹底して参る所存です。
・今後は不手際のないよう、精進していく所存でございます。
また、ビジネスメールにおいて「決意・意向」を示す際は、以下の例文を参考にしてみましょう。
・社員一同、全力で取り組む所存です。
・都合が合えば、近いうちにそちらへ参上する所存です。
履歴書や面接の志望動機を伝えるとき
「所存です」は、履歴書を書くときや面接時に使われる言葉です。特に、会社に入った場合にどんなことを目指すかといった決意表明として、自己PRする際に使用します。
自己PRや志望動機に使う際は以下を参考にしてください。
・一日も早く貢献できるよう努力する所存です。
・入社後は貴社の戦力となれるよう努力していく所存です。
「所存です」を用いる際は、意気込みや決意が伝わるように、会社に対してどのように貢献していきたいか述べるといいでしょう。