対義語は「門前雀羅(もんぜんじゃくら)」
「千客万来」とは反対で、人気が無い様子を表す言葉として「門前雀羅」をご紹介します。
・門前雀羅(もんぜんじゃくら):訪問者もなくひっそりしていること
「門前雀羅」は読み方の難易度が高い言葉で「もんぜんじゃくら」と読みます。この機会に覚えておくとよいでしょう。「門前雀」羅は、中国の詩人である白居易の残した『寓意』に「門前雀羅を張る」という表現で登場しています。
詳しい意味は下記を参考にしてみてください。
【門前(もんぜん)雀羅(じゃくら)を張(は)る】
白居易「寓意」から
訪れる人がなくて、門の前には雀(すずめ)が群れ遊び、網を張って捕らえられるほどである。訪問する人もなく、ひっそりしていることのたとえ。
「千客万来」3つの使い方
「千客万来」は多くのお客さんがいる様子を指して使いますが、次にご紹介する3つのポイントを押さえることでより自然に使いこなせるようになります。
【千客万来の3つの使い方】
1.商いが成功しているお店を指して使う
2.普段より客が多い様子を指して使う
3.来客が絶えない様子を指して使う
それぞれのケースでの使い方やポイントをわかりやすく解説します。
商いが成功しているお店を指して使う
「千客万来」は、多くのお客さんが訪れる人気店を指して使えます。例えば、いつも開店と同時に長い行列ができるようなお店は、「千客万来」のお店と表現できるでしょう。
カウンターと数席しかない小さいお店の場合には千人のお客さんは収容できませんが、店内がお客さんでいっぱいで繁盛しているお店の様子も、「千客万来」といえますね。
普段より客が多い様子を指して使う
「千客万来」の2つ目の使い方は、普段と比較してお客さんの入りがよい時です。例を挙げると、「千客万来」を使ってセールなどで特別お客さんの数が多い様子を描写できます。
期間限定でおこなわれるキャンペーンやセールは、同じタイミングで多くのお客さんが訪れるイベントですよね。普段の営業日よりもお客さんが多く、活気にあふれている様子を指して使うとよいでしょう。
来客が絶えない様子を指して使う
実は「千客万来」は、お店のみに使う表現ではありません。商売をしていなくても、家にたくさんの来客があることを指して使えます。
例えば、地域のために貢献した人物のところに、取材や挨拶に訪れる人が絶えない様子なども、「千客万来」で表現できます。「千客万来」は商売との関連が強いですが、他のシーンでも使えることを知っておくと、いざという時に使えるかもしれませんね。
「千客万来」を使った例文
「千客万来」の基礎知識から3つの用法、例文をチェックすれば「千客万来」の使い方はもうバッチリです。
【例文】
・愛想の良い女主人が長年切り盛りするあの店は、いつも人が絶えない【千客万来】の店だ。
・事前の宣伝効果で、イベント当日は【千客万来】だった。
・ノーベル賞を取った教授の家には、取材陣や関係者が訪れ、連日【千客万来】の様子だ。
「千客万来」はポジティブで縁起の良い言葉
「千客万来」はお客さんが多いことを表す、商売をしている方にとっては嬉しい言葉です。縁起の良い言葉として、神社の商売繁盛祈願にも登場します。
「千客万来」は繁盛しているお店の状況や、人が多く集まっている状況を指して使うことができます。「千客万来」をお店だけでなく、自宅への来客についても使える点も覚えておくとよいでしょう。
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(引用全て〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)