片言隻語の意味と読み方
片言隻語とは、「ほんのちょっとした言葉」を意味します。会話中に相手の言葉尻や、些細な表現のニュアンスが気になることもあるでしょう。そんな時に使えるのが、「片言隻語」です。読み方の難易度も少々高めであるため、正しい意味と併せて読み方も確認しておくと安心です。
意味は「ほんのちょっとした言葉」
まずは、辞書を引いて意味を確認してみましょう。
【片言隻語】へんげんせきご
ほんのちょっとした言葉。片言隻句。一言半句。「片言隻語も漏らさず書き留める」
引用:デジタル大辞泉(小学館)
長いスピーチや会話の全体を指すのではなく、その中の些細な言葉遣いやちょっとした表現を意味します。例えば、話に集中して細部まで聞き取ろうとするさまを「片言隻語聞き逃さないようにする」などと表現できます。
知っておきたい正しい読み方
片言隻語の正しい読み方は、「へんげんせきご」です。すべての漢字を音読みにするんですね。「片言」を「かたこと」と訓読みにしてしまい、「かたことせきご」とする誤用が多いため、注意しましょう。
片言隻語の成り立ち
片言隻語は、似た意味を持つふたつの言葉「片言」と「隻語」が組み合わさった四字熟語です。どちらもあまり耳慣れないかもしれませんが、どのような意味なのでしょうか? デジタル大辞泉によると、次の通りです。
片言の意味
【片言】へんげん
1 わずかな言葉。ちょっともらした言葉。片語。「片言もゆるがせにしない」
2 一方の人の言葉。片方の言い分。
なお片言には2つの読み方があり、それぞれ意味が異なる点には注意しましょう。
今回ご紹介したのは「へんげん」と読む場合の意味。「かたこと」と訓読みで読む場合は「かたことの日本語」などというように、言いまわしや使い方などが不完全・不正確な言葉を意味します。
隻語の意味
【隻語】せきご
1 ちょっとした言葉。短い言葉。「片言隻語」
「惨として―無く」〈露伴・運命〉
2 かたこと。特に、子供のかたこと。
「隻」の漢字には、1つという意味が込められています。長い文章や会話の中の1つの言葉という意味から、ちょっとした言葉、些細な言葉を意味するようになりました。
隻語は、他の表現としてはあまり使用頻度が高くない言葉です。今回初めて知ったという方も、意味や読み方を正しく知っておきましょう。
片言隻語の4つの類義語
「ちょっとした言葉」を意味する、片言隻語の類義語を4つご紹介します。
・「一言半句(いちごんはんく)」
・「一言一句(いちごんいっく)」
・「片言隻句(へんげんせきく)」
・「片言折獄 (へんげんせつごく)」
類義語を知っておくと、言葉の言い換えが可能になり、表現のレパートリーを増やすことができます。各表現のちょっとしたニュアンスの違いにも注目して、4つの言葉を学んでいきましょう。
「一言半句」
片言隻語の類義語1つ目は「一言半句」で、読み方は「いちごんはんく」です。「いちげんはんく」と読んでも間違いではありません。一言半句は、ちょっとした言葉という意味をもち、片言隻語が使えるシーンで問題なく利用できます。
例文:「今回の試験での一発合格を目指して、講師の話す一言半句に集中した」
「一言一句」
一言半句と類似した表現に「一言一句」があります。読み方は「いちごんいっく」です。こちらは日常生活で耳にする方も多いかもしれませんね。文字通り1つ1つの言葉、わずかな言葉を意味します。
例文:「大好きな野球選手の一言一句を聞き漏らさず、しっかりとメモに残した」
「片言隻句」
片言隻句の読み方は「へんげんせきく」で、片言隻語と比べると四字熟語の後半が「隻句」に変わっています。意味としては片言隻語とほぼ同じと考えてよいでしょう。言い換えをしたい場合にはピッタリの表現であるため、片言隻語と一緒に覚えておくのがおすすめです。
例文:「口下手な友人の片言隻句の応援に励まされた。」