油汚れに焦げつき……キッチンの掃除のポイントは?
油汚れや焦げつきなど、頑固な汚れが多いキッチン。日頃簡単な掃除はしているけれど、落としづらい汚れは大掃除の時期にまとめて、という人も多いのではないでしょうか。今回は、困った汚れが特にたまりがちな換気扇 (レンジフード) とガスコンロの掃除方法を、お掃除のプロ【ダスキン】に聞きました。
換気扇 (レンジフード) &ガスコンロまわりの掃除方法
換気扇とガスコンロは掃除の仕方が同じなので、同時に取り掛かるのがおすすめです。どちらも「外せる部分」はつけ置きし、その間に「外せない部分」の掃除をするとさらに効率的! 所要時間の目安は1時間ほど。
【準備するもの】
・ぞうきん
・ふきん
・ヘラや割り箸
・バケツ
・洗いおけ
・スポンジ
・台所用ラップ
・ゴム手袋 (洗剤を使用する場合は、ゴム手袋をはめます。液がたれないよう端の部分を少し折り返します)
・酸素系漂白剤
・台所用洗剤
・油汚れ用洗剤
・石けんつきスチールウール
・場合によっては、ペーパータイプのキッチン用おそうじクロス (全体的に汚れが軽い場合は、ペーパータイプのキッチン用おそうじクロスで拭きます)
・場合によっては、IH用スポンジ
POINT:安全のために換気扇の電源は切っておきます。
POINT:安全のためにガスの元栓を閉めます。
POINT:窓を開けて風通しをよくし、換気してください。ガスコンロだけの掃除の場合は、換気扇も回します。
注意:洗剤を使用する際は、変色したりツヤがなくなったりしないかどうか、あらかじめ目立たない所で試してから行ってください。
注意:換気扇 (レンジフード) ・ガスコンロの状態によっては、掃除することで汚れと一緒に塗装がはがれることがあります。これは洗剤が原因ではなく、こびりついた汚れが塗装にくっつき、汚れを取ることによって塗装も一緒にはがれてしまうためです。
【掃除方法】
(1) 外せる部品をすべて外す
換気扇の外枠・ガード・羽根部分、ガスコンロの五徳・受け皿・グリル・網など、外せる部分をすべて外します。外したものは、流し台のシンクにぞうきんやふきんを敷き、その上に置いてください。
(2) 養生する
レンジフードの付近を、幅広のマスキングテープや包装紙などで養生します。
(3) 外せる部分の油汚れを削り落とす
外せる部分にこびりついた油汚れを、ヘラや割り箸などで削り落とします。ヘラは、古いカードやものさしなどで代用してもOK。汚れが柔らかい場合は、綿の古布や新聞紙で拭き取ってください。
注意:油を削り取る際、キリなど先が鋭いものを使うとキズがつくので避けてください。
(4) シンクに栓をする
外した部品をつけおきするため、シンクに栓をします。ぞうきん (ふきん) はシンクに敷いたままにしておいてください。
POINT:シンクに場所がない場合は、ナイロンの大袋や大きなプラスチック容器などに溶液を作り、その中につけこむ方法も。
(5) つけおきのための溶液を作る
外した部品をつけおきするための漂白剤溶液を作ります。40~50℃くらいのお湯を外した部品が浸かる程度にため、酸素系漂白剤を表示通りの分量溶かします (お湯2リットルに対して8gが目安) 。そこに台所用洗剤をティースプーン1~2杯程度加えてください。
注意:素材がアルミの場合、酸素系漂白剤につけこむと黒っぽく変色することがあります。また、塗装が弱いものもあるので、つけおきは確かめてから行ってください。
(6) 外した部品を溶液につける
漂白剤溶液の中に、外した部品が完全につかるように入れます。そのまま15~20分ほど放置してください。
注意:ガススイッチのつまみは素材によっては漂白剤溶液に適さないため、つけおきは避けてください。
(7) 外せない部分の油汚れを削り落とす
外した部品をつけおきしている間に、換気扇、ガスコンロともに外せない部分 (ガス台や換気扇の表面部分など) の掃除をしましょう。外せる部分と同様に、まずはこびりついた油汚れを、ヘラや割り箸、古いカード、ものさしなどで落とします。汚れが柔らかい場合は、綿の古布や新聞紙を使用してください。
POINT:ガスコンロのバーナーの穴の部分は、金属製のブラシや金串などを通してこびりついた汚れを取ります。
(8) 外せない部分を洗剤を使って拭く
水に浸して固く絞り油汚れ用洗剤をスプレーしたぞうきん (ガスコンロの場合はふきん) か、あるいは漂白剤溶液に浸し固く絞ったぞうきん (ふきん) で、外せない部分を拭きます。
POINT:ガスコンロのゴム管ははさむようにして汚れを取ります。
(9) 外せない部分を水拭きする
外せない部分を洗剤や漂白剤溶液を使って拭き終わったら、水に浸し固く絞ったぞうきん (ふきん) で汚れや洗剤分を拭き取ります。
(10) 外せない部分にラップを貼って汚れを落とす
外せない部分に (7) (8) をやっても汚れが残っている場合は、台所用ラップを使いましょう。台所用ラップを、汚れの部分よりも大きめにカットします。汚れの部分に油汚れ用洗剤、または漂白剤溶液を塗り、その上からカットした台所用ラップを手早く貼りつけます。そのまま10~15分ほど放置してください。
POINT:油汚れ用洗剤、または、漂白剤溶液を含ませたキッチンペーパーを湿布のように貼った上にラップを重ねると、より洗剤が浸透しやすくなります。
注意:汚れが目線より上にある場合は、洗剤をスプレーして塗布するのはやめましょう。ぞうきんやハケに含ませて塗布するようにしてください。
(11) つけおきした部品の溶液を洗い流す
外した部品のつけおきを始めてから15~20分ほど経ったら、シンクの栓を外して漂白剤溶液を流します。部品に汚れが残っている場合は、スポンジで汚れをこすってください。その後水をかけながら、残った汚れや漂白剤を洗い流します。
POINT:漂白剤溶液を流すことで、排水口内の汚れも落とせて一石二鳥!
(12) つけおきした部品の水気を拭き取る
つけおきした部品の汚れや漂白剤を洗い流したら、乾いたぞうきん (ふきん) で水気を拭き取ります。
(13) 外せない部分に貼ったラップをはがし、水拭きする
外せない部分にラップを貼って10~15分ほど経ったら、ラップをはがし、水に浸し固く絞ったぞうきん (ふきん) で汚れや洗剤分を拭き取ります。
(14) 乾燥させる
外せる部分、外せない部分ともによく乾燥させましょう。
(15) ガスコンロの焼けこげなどの汚れを落とす
ガスコンロの焼けこげなどの汚れが残った場合は、水で湿らせた石けんつきスチールウールでこすり落とします。その後、外せるものは水をかけながら汚れや洗剤分を洗い流します。外せないものは、水に浸し固く絞ったふきんで拭き取ってください。
注意:石けんつきスチールウールで強くこするとキズがつくことがあるため、目立たないところで試してから使用してください。
注意:石けんつきスチールウールを使った後は、シンクにも水をかけて金属片を洗い流してください。わずかでも金属片が残っているとサビの原因になります。
普段のお手入れのコツ
たまった汚れを大掃除で落としたら、なるべくそのきれいな状態を保ちたいと思う人も多いはず。来年の大掃除が格段に楽になる、普段のお手入れのコツをご紹介します。
【換気扇 (レンジフード) 】
換気扇の油汚れも、ついてすぐなら簡単に落とすことができます。使用後余熱でまだ温かいうちに、水に浸し固く絞ったぞうきんで、フードの外側・内側やフィルターの枠、表面など、手の届く範囲を拭いてください。軽い汚れがある場合は、キッチン用おそうじクロスを使います。
時間があるときには、フィルターを取り外してフィルターの裏側も拭いておくと、次回の大掃除が楽に。また、レンジフードフィルターを取りつけて定期的に交換すると、さらに汚れを防ぐことができます。
【ガスコンロ】
換気扇と同様に、使用後の余熱で温かいうちにお手入れするのがポイント。水に浸し固く絞ったふきんで、ガス台の表面や五徳を拭いてください。
同時に行うことで時間が節約できる、換気扇とガスコンロの掃除。外した部品のつけおきや水洗いはシンク内で行うので、シンクを掃除する前に行うのも忘れずに! ぜひ今年の大掃除の参考にしてみてくださいね。
情報提供:ダスキン
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