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2022.01.20

【こけら落とし】の由来は木屑だった!? 言葉の由来や意味を知って正しく使いこなそう!

「こけら落とし」とは新築や改築した劇場の最初の興行のことです。「こけら」は材木の薄い削りくずのことで、屋根のこけらを落としてから1回目の公演をスタートさせたことが由来です。このコラムでは趣ある表現の一つである、「こけら落とし」の意味や由来などを解説します。

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「こけら落とし」とは新しく建築した劇場の初興行のこと

こけら落とし」とは新しく建設、もしくは改築した劇場や映画館などの初興行をあらわす言葉です。テレビの報道などで耳にする機会のある表現ですが、劇場の初興行のことを「こけら落とし」という理由まで知る人は少ないかもしれません。

こけら落とし

「こけら落とし」の意味を辞書でも確認しておきましょう。

【杮落(と)し:こけら落とし】新築または改築した劇場の初興行。また、開場行事。〔補説〕本来は劇場の初興行をいう語だが、運動施設などの開場行事に使われることもある。〔類語〕上演、公演、実演、上場、初演、再演、顔合わせ

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

こけら落とし」の演目は、それぞれの劇場の特性に合わせたものが選ばれ、これといった基準はありません。しかし、一般的には慶事の内容が公演される傾向にあります。

歌舞伎からうまれた言葉で「こけら落としを見ると寿命が延びる」というものがあることからも、おめでたいものであることがわかるでしょう。

由来は「木の削りくずを払い落とすこと」

こけら落とし」という言葉は、「木の削りくずを払い落とすこと」が由来です。そもそも「こけら」とは、薄く削がれた材木のくずのこと。これはさらに、昔は表面を覆っているものを削ぐことを「こく」と言ったことが関係しています。

劇場を新築したり改築したりする最後の工程で、屋根の削りくずを落とすことを「こけら落とし」といい、転じて劇場などの完成後はじめての興行に用いられるようになりました。

漢字では「柿」と書いて「こけら」と読む

こけら落とし」は漢字では「杮落とし」と書きます。こけらをあらわす「杮」は一見、果物の柿と同じ字のように見えますが違う漢字です。目を凝らさないと違いがわからないほど似ているため、間違えないように注意しましょう。

こけら」の杮の右側の部分すなわち旁(つくり)は、縦棒が貫かれているのに対して、果物の柿の旁はなべぶたの下が「巾」で構成されています。「柿」は9画、「こけら」は8画の漢字。柿」はなべぶたを書いてから「巾」、「こけら」は横棒を書いてから「巾」と、筆順が異なります。

劇場だけでなくスタジアムやホールの公演にも

「こけら落とし」の由来が、劇場などを新しく作った際に屋根から出る木くずを払い落とすことであることは既にお伝えしました。そのため本来の意味においては木造建築に限りますが、実際には鉄筋の建造物についても使っても問題ないとされています。また、劇場だけでなくイベントホールやスタジアムなどのはじめての興行についても使われます。「こけら落とし試合」や「こけら落としコンサート」といった言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。

ただし、厳密には屋根のない屋外施設の催し物に対して「こけら落とし」という表現を用いるのは誤用とされるため、注意が必要です。

【例文付き】「こけら落とし」の使い方

ここでは、「こけら落とし」を使った具体的な例文を確認していきましょう。比喩的な使い方をすることはなく、そのままこけら落としの公演などに対して使用します。

こけら落とし

・近所に新しくできたイベントホールの【こけら落とし】コンサートは大盛況だったと聞く
【こけら落とし】公演の評価が、その劇場の今後を左右するといっても過言ではない
そのスタジアムの【こけら落とし】試合のチケットを手にいれられなかったのが悔やまれる
・【こけら落とし】公演を見ると寿命が延びると、昔祖母が言っていた 

「こけら落とし」の類語・対義語

「こけら落とし」には似たような意味で使われる類語や、反対の意味をもつ対義語がいくつかあります。類語は「オープニング」「初興行」、対義語には「千秋楽」があります。いずれも劇場やスタジアムの公演に関連するもので、よく使われる言葉です。

ここからは、「こけら落とし」の類語と対義語の意味や使い方を詳しく解説していきます。

こけら落とし

類語は「オープニング」「初興行」など

オープニング」は開幕や開演、開場のことを意味します。サッカーや野球などにおいては、シーズンの開幕という意味でも使われます。

公演や試合が始まるという意味で、新しくできた劇場やイベントホールでの初めての公演をあらわす「こけら落とし」とは若干意味が異なりますが、類語の一つと考えて良いでしょう。「野球のオープニングゲームを楽しみにしている」というように使います。

「初興行」は「はつこうぎょう」と読み、意味は初めての興行です。「こけら落とし」と同じ意味であり、言い換え表現として使うことができます。「興行」とは観客を集め料金を取って、演劇や音楽、映画などの催し物を公演することです。「芝居の初興行を観に行く」などと使います。

対義語は「千秋楽」

「千秋楽」は芝居や相撲などの最後の興行の日をあらわす言葉です。そのほか物事の最後、終わりという意味をもち、「人生の千秋楽」という使い方もします。芝居や相撲の最後の興行の日をあらわすため、新しくできた劇場などの最初の公演である「こけら落とし」とは反対の意味であることがわかるでしょう。

縁起を担ぎ「千穐楽」という書き方をすることもあります。また、同じ意味ですが「千歳楽(せんざいらく)」「楽日(らくび)」「楽(らく)」など異なる呼び方もあるようです。

「こけら落とし」の由来は屋根に出る木のくずを払い落とすことでしたが、「千秋楽」の由来には複数の説があります。その中で有力なのは、法要などの最後の演奏曲が雅楽の「千秋楽」という曲であったからとする説。また、婚礼などでも歌われる「高砂」という謡曲の歌詞の最後に由来するともいわれています。

「千秋楽」は「こけら落とし」と同様に、日本文化の趣を感じさせる表現です。「千秋楽公演が今から話題になっている」というように使います。

「こけら落とし」の意味や由来を理解しよう

こけら落とし」とは、新しくできた劇場などの初めての興行をあらわす言葉です。

昔は表面を覆うものを削ぐことを「こく」と言っており、木材から出る薄い木の削りかすのことを「こけら」と呼んでいたといわれています。

こけら落とし

木造建築の劇場などの建築における最後の工程が、屋根の「こけら」を落とすことであったため、建物が完成した後のはじめての興行を「こけら落とし」と表現するようになりました。現在は木造建築の劇場だけでなく、鉄筋のコンサートホールやスタジアムの初興行にも使われています。

「こけら落とし」の類語はオープニングや初興行など、対義語は「千秋楽」です。「こけら落とし」は耳する機会はあるけれど、言葉の由来はあまり知られていない言葉の一つです。この機会に意味や由来を正しく理解しましょう。

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写真・イラスト/(C) shutterstock.com

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