スピーチや座右の銘としての使い方
「初志貫徹」という言葉は、スピーチや座右の銘としても使われています。その使い方が確認できる例文は、以下のとおりです。
【例文】
・私は子どもの頃からプロ野球選手が夢でした。甲子園では悔しい敗退となってしまいましたが、ついに【初志貫徹】し、プロ野球の球団に入れることになりました。
・面接で自分にとっての座右の銘を聞かれたため、【初志貫徹】であると面接官に伝えた。
・我が社が困難な状況に立たされたときも、スタッフ一同で【初志貫徹】して業務に取り組み続けてこられました。
なお、「初志貫徹」という言葉に「乗り越える」を繋げて使うと、「初志貫徹」をおこなえば困難に打ち勝てるだろうとの気持ちが表せます。
【例文】
・これからどのような困難があったとしても、【初志貫徹】で乗り越えていく所存です。
「初志貫徹」の類語と対義語もチェック
「初志貫徹」の類語と対義語の例は、以下のとおりです。
・類語は「首尾一貫」など
・対義語は「朝令暮改」など
「初志貫徹」の類語も対義語も、これら以外にもさまざまな表現があります。「初志貫徹」の類語と対義語として使用できる表現の例やそれぞれの言葉の意味、言い換えで注意したいポイントについて、さらに詳しくチェックしていきましょう。
【類語】首尾一貫(しゅびいっかん)など
「初志貫徹」の言い換えができる類語は、以下のとおりです。
<首尾一貫(しゅびいっかん)>
はじめから終わりまで、一つの方針や態度で貫くこと。「首」が最初を、「尾」が終わりを表現している。「一貫」は、貫くという意味の言葉。
<終始一貫(しゅうしいっかん)>
はじめから終わりまで、一つの方針や態度で貫きとおすこと。初志貫徹や首尾一貫と同じ意味の言葉。
<徹頭徹尾(てっとうてつび)>
最初から最後まで貫きとおすこと。「徹」に貫くという意味があり、「頭」がはじめを、「尾」が最後を意味する言葉。
言い換えで注意したいポイント
「初志貫徹」を類語で言い換える際に注意したいポイントもチェックしていきましょう。「首尾一貫」は「初志貫徹」と似た意味を持つ言葉ですが、「初志貫徹」のほうがもっと長い期間志を貫いてきたという表現です。「初志貫徹」は例えば「子どもの頃から」などの長いスパンですが、「首尾一貫」だと「一つのプロジェクトの期間」ぐらいのイメージで使われます。
「徹頭徹尾」も意味は似ていますが、「初志貫徹」と違って「〜する」を付ける表現はしません。「徹頭徹尾する」とは言わないため注意しましょう。
【対義語】朝令暮改(ちょうれいぼかい)など
「初志貫徹」の対義語は、以下のとおりです。
<朝礼暮改(ちょうれいぼかい)>
命令や政令が頻繁に変更されており、一定しないこと。コロコロ変わるという意味を含み、マイナスの表現として使われる。
<臨機応変(りんきおうへん)>
その時々の状況・場合に応じた行動をすること。融通がきくという意味と近く、プラスの表現として使われる。
「初志貫徹」の意味を理解して正しく使おう
「初志貫徹」とは志を持ち、貫き通すことを指す言葉です。スピーチで使用する言葉や座右の銘としても選ばれており、日常生活でもビジネスシーンでも使われているため、正しい意味を理解しておきましょう。「徹頭徹尾」や「首尾一貫」などの言い換えができる類語や、反対の意味を持つ対義語も一緒にチェックするのがおすすめです。
言葉の持つ意味や語源、類語、対義語などをあわせて理解して、さまざまな言葉を正しく使えるようになりましょう。
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