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2024.08.28

「柘榴」はなんと読む? 花言葉や神話までまとめて解説

びっしりと宝石が詰まったような果物のザクロですが、漢字で「柘榴」と書きます。この漢字はどんな意味を持っているのでしょうか? 今回は「柘榴」の花言葉から神話、柘榴石(ざくろいし)の特徴、英語表現までまとめて解説していきます。

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「柘榴」とは?

昔から「女性の果実」と呼ばれ、美容や健康に効果があるといわれている「柘榴(ざくろ)」。実の中にぎっしりと種子が詰まっていることから、世界中で「子宝」や「子孫繁栄」のシンボルとされてきました。今回は、そんな「柘榴」の特徴や食べ方、花言葉、「柘榴石」について解説します。

柘榴

どんな植物?

「柘榴」は、ミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。代表的な産地は、アメリカのカルフォルニア州やイラン、チリなど。日本でも少量ですが、山梨県や和歌山県で生産されています。「柘榴」は5月頃になると、赤や白、オレンジ色の花を咲かせます。その後、花托(かたく)が発達して丸い果実になり、熟すと実が裂けて粒々とした種がこぼれます。「柘榴」の果実の旬は9月から11月頃で、俳句でも「柘榴」は、秋の季語になります。

日本には平安時代に中国から入ってきたとされ、主に花や果実の姿を楽しむ観賞用として庭に植えられました。また古くから樹皮や根皮、果皮などが薬用として使われてきたそうです。果皮を乾燥させたものは、石榴果皮(せきりゅうかひ)といい、煎じて飲むと下痢止めや虫下しに効果があるとされています。

漢字の由来

“ざくろ”は漢字で、「柘榴」と「石榴」の2通りの書き方があります。由来は諸説ありますが、ザクロはペルシャ北部の「安石国」から、シルクロードを通って中国に伝わり、形が瘤(こぶ)に似ていたため「安石瘤」と呼ばれていたそう。それが略され「石瘤」となり、現在の「石榴」「柘榴」になったとされています。

味の特徴や食べ方

「柘榴」の果実の中には、ルビーのような赤い種がたくさん詰まっています。食べるとプチプチとした食感で、爽やかな甘みと酸味があります。国産の柘榴は小ぶりで酸味が強いものが多く、スーパーで販売されているものは、甘みの強いカルフォルニア産などがほとんどです。

柘榴は生食のほか、ザクロジュースやシロップ、果実酒にも使われます。カクテルで使われる真っ赤なグレナデンシロップは、ザクロ果汁と砂糖で作られたノンアルコールシロップで、味に深みを出してくれます。

海外では、柘榴の実をサラダにトッピングしたり、ヨーグルトに入れたり、他の果物とミキサーにかけて、スムージーとしても楽しまれています。

「柘榴」の花言葉とは?

続いて「柘榴」の花言葉を紹介します。古くから世界中で愛されている、柘榴ならではの意味が込められているようです。さっそく見ていきましょう。

柘榴

結合、子孫の守護

「柘榴」は、真っ赤な果実の中にぎっしりと詰まった種が特徴的。その姿は古くから“子孫繁栄”や“子宝”の象徴とされてきました。「結合」「子孫の守護」も、そのような「柘榴」の歴史的背景から生まれた花言葉であるかもしれませんね。

愚かしさ

こちらの花言葉は、あるギリシア神話の逸話が元となっています。冥界の王ハデスは、豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネに恋をしました。ハデスは娘を強引に冥界へ連れて行き、そこでペルセポネがうっかり食べてしまった果実が「柘榴」でした。

その後、母デメテルが全能神ゼウスに訴えたことで、ペルセポネは天界に戻れるようになりました。しかし、冥界で食べ物を口にした者は、冥界で暮らさなければならない、という掟があり、6つの柘榴を食べてしまったペルセポネは、1年のうち6か月を冥界で過ごすことになったのです。この逸話が「愚かしさ」の由来となっています。

円熟した優雅さ、成熟した美

「柘榴」には、どこか大人の女性をイメージさせるような成熟した魅力があります。その果実は時間の経過とともに赤く染まり、やがて熟して中の種があらわになります。その姿に昔の人々も“成熟した美”を感じたのかもしれませんね。

日本における「柘榴」の神話

日本にも「柘榴」にまつわる神話が残されています。みなさんは「柘榴」を手にする、“鬼子母神”(きしもじん/きしぼじん)という仏教の神様をご存知でしょうか。この鬼子母神、元々は鬼女で500人の子供の母親でした。多くの子供たちを育てるため、人間の子供をさらっては食べ、人々から恐れられる存在でした。

そのことを知ったお釈迦様は、鬼子母神の末子を隠してしまいました。必死で探す鬼子母神に「子供を失う親の苦しみはいかほどであろうか」と説きました。改心した鬼子母神は仏教に帰依(きえ)し、子育てや安産の神様になったといわれています。

このお話がインドから中国にわたった際、鬼子母神が手に持つ「吉祥果(きちじょうか)」の正体がわからず、柘榴が代用されました。鬼子母神を祀るお寺では、必ず柘榴の木が植えられています。

お釈迦様が「もしもまた子供を食べたくなったら、人肉に味が似ている柘榴を代わり食べなさい」と言われた、という説話もあります。これは、日本で付け加えられた内容だといわれています。

柘榴

「柘榴石」の石言葉とは?

真っ赤な「柘榴」は、石の名前にもなっていることはご存知ですか? 深い赤色が魅力的な宝石、“ガーネット”は和名で「柘榴石(ざくろいし)」と呼ばれています。1月の誕生石であり、“愛と情熱”を象徴する宝石です。多くの女性の心をときめかせる、その特徴を見ていきましょう。

ガーネット

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