虚をつかれる(きょをつかれる)
「虚をつかれる」は、油断していて隙をつかれる、もしくはまったく想定外の場面に戸惑うことです。「虚」は隙のあることを表します。
「虚をつく」は相手の弱点や無防備につけ込んで攻撃する行為です。受け身の形をとると、「無防備なところにきた知らせや行為に驚く」という意味になります。
【例文】
・優勝が間違いないと思われていたチームが早々に敗退してしまい、誰もが【虚をつかれた】ようだった。
・彼女の発言に【虚をつかれて】しまい、何も言い返すことができなかった。
藪から棒(やぶからぼう)
「藪から棒」とは、唐突に物事が起こる様子です。他人からの働きかけが、直前の動作や発言と関連性なく突然であることを表します。
「藪」とは草木が生い茂る場所で、視界が遮られ見通しが悪い場所です。そのような場所から棒を突き出すことは誰もが驚くため、例えに用いられています。また、「物事を切りだす」という意味から、挨拶の冒頭に使われることもある言葉です。
「藪から蛇」という言葉もありますが、「藪から棒」とは異なり、「余計なことをして災難を招く」という意味になります。混同しないように注意しましょう。
【例文】
・彼は会話の途中で【藪から棒】にまったく違う話を持ち出すので、驚かされる。
・彼女は仕事中でも【藪から棒】にひとりごとを言うため、おかしな人と思われている。
(挨拶の冒頭に使う場合)
・【藪から棒】に失礼しますが、本日のご予定はいかがでしょうか。
青天の霹靂(せいてんのへきれき)
「青天の霹靂」は、突然発生する事件や出来事という意味です。「霹靂」は雷や激しい音を表す言葉で、「青天」とは晴れて青い空を表しています。
晴れた青空に、突然雷などが起こる様子を例えにしている言葉です。「寝耳に水」と同じく、良い意味にも悪い意味にも使われます。
【例文】
・転職活動でまったく期待していなかった企業から内定通知が届いたのは、【青天の霹靂】だった。
・出世が約束されていたような順風満帆な彼が急に左遷されたのは、まったく【青天の霹靂】だ。
予想外の(よそうがいの)
「予想外の」は、予想していたのとは違った成り行きになること、思いがけない事態が起こることです。想定外の事態という点で「寝耳に水」と似ていますが、「寝耳に水」ほどの驚きの要素はありません。
【例文】
・アンケートの結果は事前の調査の内容と異なり、【予想外の】結果となった。
・【予想外の】トラブルが相次いだプロジェクトだが、無事に終えることができた。
「寝耳に水」は類義語と一緒に覚えよう
「寝耳に水」は突然の出来事に驚く様子を例えた言葉です。良い知らせ、悪い知らせともに使います。類義語には「虚をつかれる」「青天の霹靂」「予想外」などがあり、あわせて覚えておくことで「寝耳に水」の理解がより深まるでしょう。
さまざまな場面で適した使い分けもできます。例文も参考にしながら、「寝耳に水」を正しく使うようにしてください。
写真・イラスト/(C) shutterstock.com