士業を指す「当職」
「当職(とうしょく)」は専門的な資格を有する職業の人が、一人称として使用する言葉です。弁護士・行政書士・公認会計士・社会保険労務士など、「士が付く職業の人」が使うと覚えておきましょう。職務上、必要であれば戸籍謄本や住民票などを請求できる業務であることが特徴です。一般的な職業の人が、一人称として使うことは間違いとなります。
また、一人称以外にも「この職業」「現在就いている職業」という意味もあり、こちらの意味で使用する場合には、職業に関係なく使えます。
≪例文≫
●「当職は〇〇大学法学部を卒業後、〇〇法律事務所に在籍しています」
●「当職では、前職での経験を生かして働けると感じました」
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ビジネス文書で用いる「弊職」
「弊職(へいしょく)」は、その職務に就いている自分を謙遜して使う言葉です。「弊」は、よくない・倒れるなどの意味があり、自分の会社をへりくだった表現にする際に「弊社」と言います。
職種や役職などに関係なく使えますが、弊社と小職をかけ合わせて生まれた造語とされ、ビジネスシーンで使用しない方がよいとする説があることを押さえておきましょう。
≪例文≫
●「この一大プロジェクトを弊職にお任せいただき、ありがとうございます」
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【目次】
小職を使う場合の注意点
間違った言葉の使い方をすると、恥をかいてしまいます。ビジネスシーンではちょっとした言葉遣いのミスであっても、評価が下がる原因になりかねません。
小職を使う際に注意したいポイントを紹介します。
目上の人には使わない
小職は地位の高い人が、自分よりも下の地位にある人に対して使用する言葉です。もし、係長が課長に対して使うと、間違いになります。
謙遜した表現として使われるので混乱してしまいがちですが、目上の人に対してわざわざ自分は下の身分であることを強調する言葉を使うと、嫌味に受け取られてしまうかもしれません。
使いどころが難しいと感じるのであれば、わざわざ使う必要はありません。誰に使用しても問題がない一人称を使った方が安心です。
平社員の場合は「私」を使う
小職は自分の地位を謙遜して使う言葉であることが分かっていれば、そもそもへりくだる必要がない身分の人は使用できないことが分かります。
特に、役職に就いていないのであれば、シンプルに「私」とした方が違和感を与えません。間違って使ってしまうと、言葉の意味が分かっていない人だと思われる可能性があるため注意しましょう。
偉そうに聞こえる可能性がある
小職は自分の地位を謙遜して使う言葉ですから、受け取り方によっては暗に「役職があることを自慢している」とも言えます。へりくだったつもりが、相手によっては「偉そう」「嫌味」だと感じる可能性がありますから、使い方には注意をしましょう。
話し言葉では使わない
小職は基本的に、話し言葉としてはあまり使われません。手紙や書面、ビジネスメールなど、文章で用いるようにしましょう。
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