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「当方」の正しい意味と読み方
「当方」は「とうほう」と読み、「私ども」という意味合いで使用する言葉です。失礼のないビジネスマナーを身に付けるためにも、まずは「当方」の読み方と意味を確認しておきましょう。
読み方は「とうかた」ではなく「とうほう」
「当方」は、「とうほう」と読みます。「道理にかなうこと」「そのものに相当すること」を意味する「当」と、向きを表す「方」で成り立つ言葉です。書面の読み上げで間違えることのないよう、読み方をきちんと把握しておきましょう。
正しい意味は「私ども」「こちら」
「当方」は、「自分の所属している方」や、「私ども」「こちら」といった意味を持つ言葉です。「私たち」というニュアンスで使用するため、「当方としましては~」と意見を述べるときは、個人ではなく部署や会社全体の意向を表します。誤った印象を与えないよう、シーンに応じて正しく使用することが大切です。
「当方」の類義語と言い換え表現5つ
「当方」には、「私ども」「弊社」など、複数の類義語や言い換え表現があります。それぞれの正しい意味を理解し、ビジネスシーンに応じた表現力を身に付けましょう。
「私ども」
「私ども」は、「私たち」をへりくだって表わした言葉です。「当方」と同様に、個人ではなく所属する部署や会社全体を指します。
例文
・この度は私どもの不手際でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
・こちらが私どものおすすめするプランです。ぜひご利用をご検討ください。
「弊社」
自分の会社をへりくだって言うときは「弊社」を用います。ビジネスでは、取引先とのメールや文書で活用されることが多い表現です。
例文
・弊社といたしましては、今後も全力でサポートする所存です。
・弊社のミスで発送が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます。
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「弊方」
「当方」の類語である「弊方」も、自分の所属する組織を指す言葉です。「弊社」と比べ使用頻度の少ない表現ですが、ビジネスに適した言葉であることを覚えておきましょう。
例文
・こちらが弊方の取りまとめた資料でございます。
・弊方で確認を取り次第、迅速に対応いたします。
「小職」
「小職(しょうしょく)」は、官職につく人が自分をへりくだって言うときの言葉です。現在は管理職や弁護士、医者などが用いるケースもあります。
「当方」の類語ではありますが、個人を意味する「一人称」であることが大きなポイントです。目上の人には失礼だと受け取られる場合もあるため注意しましょう。
例文
・どうぞご遠慮なく、小職までご相談ください。
・微力ながら、小職もお力添えいたします。
「小生」
「当方」の類語である「小生(しょうせい)」も、グループ全体ではなく個人を表す言葉です。また、男性が使用する言葉であることが「小職」との大きな違いです。目上の人には使用せず、自分と同等または目下の人に対して用いる表現であることを覚えておきましょう。
例文
・次回の打ち合わせは、小生は欠席させていただく予定です。
・小生でよろしければ、お声がけいただければと存じます。
「当方」の反対語は「先方」
「当方」と反対の意味を持つ言葉は「先方(せんぽう)」です。「先方」は、社外でなく自社内で使用します。そのため、取引先の会社に直接「先方は~」と用いることはありません。あくまでも、相手がいない場で使用することがポイントです。目上の人や取引先を前に呼びかける場合には「○○様」「○○さん」といった個人名や、「御社は」「貴社は」といった表現を用います。
例文
・その件につきましては、すでに先方に連絡済みです。
・午後から先方と打合せの予定です。
・承知いたしました。先方に確認し、折り返しメールを返信いたします。
ビジネスで「当方」を使うときの注意点3つ
「当方」を正しく使うためには、以下の3つの注意点をおさえる必要があります。「当方」の意味や類語を踏まえた上で、それぞれをチェックしていきましょう。