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「ご厚誼」の意味と使用するシーン
「ご厚誼(ごこうぎ)」は、目上の人へ感謝を伝えるていねいな表現です。主にビジネス文書や公の場でのスピーチなど、格式ばったシーンで使用されます。言葉を正しく使用するために、まずは「ご厚誼」の意味と活用シーンを確認していきましょう。
「ご厚誼」は「厚いお付き合い」への感謝を表す言葉
「厚誼」の「厚」には、「ぶあつい」「ゆたか」といった意味合いがあります。「誼」は訓読みで「よしみ」と読み、親しい間柄を意味する漢字です。
ふたつの文字で構成される「厚誼」という言葉には、「厚いよしみ」という意味があります。「情愛がこもった親しい付き合い」という意味でも使用される言葉です。
「ご(御)」は、名詞の前に置くことで、相手への尊敬の意を表します。「厚誼」に「ご」を付けた「ご厚誼」は、「厚くお付き合いしていただく」と、相手を敬うていねいな表現です。そのため、取引先や上司など、目上の人への使用に適しています。
「ご厚誼」を使用するのは格式のあるシーン
「ご厚誼」は、主に格式あるシーンで使用される言葉です。委任や就任のスピーチ、メールなどに用います。正式なビジネス文書にも適した表現です。結婚式や葬儀のスピーチ、喪中はがきなどでも「ご厚誼」を使用します。
かしこまったシーンに適した「ご厚誼」は、日常生活で使用すると相手に違和感を与えかねません。「ご厚誼」はあくまでも、正式な文書や挨拶で使用することを理解し、多用しないように気を付けましょう。
ビジネスで活用!「ご厚誼」3つのフレーズ
「ご厚誼」は、「お願いいたします」「御礼申し上げます」という言葉を続けて使用します。ビジネスシーンで活用できる3つのフレーズを覚えておきましょう。
「ご厚誼のほどお願いいたします」
「ご厚誼のほどお願いいたします」は、「変わらぬお付き合いをお願いいたします」と伝えるフレーズです。目上の人や取引先の挨拶に用います。
直接対面するときだけなく、ビジネスメールでも活用できる表現です。「今年もよろしくお願いします」という意味を込め、年賀状に使用することも合わせて覚えておきたいですね。
例文
・昨年中は格別のご高配を賜り誠にありがとうございました。今後ともご厚誼のほどよろしくお願いいたします。
・この度、新しく課長補佐役に就任いたしました。〇〇と申します。今後ともご厚誼のほどお願いいたします。
「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
「もらう」の謙譲語である「賜る(たまわる)」を用いると、さらにていねいな表現になります。かしこまった表現が好まれる、公式のビジネス文書にも適したフレーズです。主に文章の末尾に使用します。
例文
・本年もご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
・来年も倍旧のご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
「ご厚誼にあずかり御礼申し上げます」
「ご厚誼にあずかり御礼申し上げます」は、「いつもお世話になりありがとうございます」とお付き合いへの感謝を伝える表現です。「あずかる」は「受ける」「もらう」のていねいな表現であり、相手へかしこまった印象を与えます。
「本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを強調したいときには、「厚く」を付け加えると良いでしょう。
例文
・平素は格別のご厚誼にあずかり御礼申し上げます。
・昨年中はひとかたならぬご厚誼にあずかり、厚く御礼申し上げます。
「ご厚誼」を言い換えるなら?3つの類語
「ご厚誼」には、同じように相手を敬う3つの類語があります。正確な意味合いは異なるため、使用時は注意が必要です。特に「ご交誼(ごこうぎ)」は目上の人に使用することはできません。それぞれの意味合いをよく理解しておきましょう。
「ご交誼(ごこうぎ)」
「交誼」には、「友人としての親しい付き合い」という意味があります。「よしみ」という意味を持つ点では「厚誼」と同様ですが、相手が「対等な関係」であることが大きな違いです。
そのため、「ご」を付け「ご交誼」と表したとしても、目上の人に使用することはできません。友人や親戚など、身近な人へていねいな挨拶したいときに使用しましょう。
例文
・どうぞ末永くご交誼賜りますよう、お願い申し上げます。
・来年も変わらぬご交誼をお願い申し上げます。