「ご厚誼」は「ごこうぎ」と読み「厚いお付き合い」への感謝を表す言葉です。
Summary
- 「ご厚誼(ごこうぎ)」には、目上の人からの厚意や好意、親切な付き合いという意味がある
- 同じ読み方の「ご交誼」は、目上の人ではなく、同等や親しい関係で使う言葉
- 類語には「ご高配」や「ご厚情」などがある
Contents
「ご厚誼」の意味と使用するシーン
「ご厚誼」は、目上の人へ感謝を伝える丁寧な表現です。主にビジネス文書や公の場でのスピーチなど、格式ばったシーンで使用されます。言葉を正しく使用するために、まずは「ご厚誼」の意味と活用シーンを確認していきましょう。

「ご厚誼」の意味と読み方
こう‐ぎ【厚×誼】
読み方:こうぎ
情愛のこもった親しいつきあい。厚いよしみ。「御—を賜る」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「厚誼」と書いて「こうぎ」と読みます。「厚誼」の「厚」には、「ぶあつい」「ゆたか」といった意味合いがあります。「誼」は訓読みで「よしみ」と読み、親しい間柄を意味する漢字です。
ふたつの文字で構成される「厚誼」という言葉には、「厚いよしみ」という意味があり、「情愛がこもった親しい付き合い」という意味でも使用される言葉です。
「ご(御)」は、名詞の前に置くことで、相手への尊敬の意を表します。「厚誼」に「ご」を付けた「ご厚誼」は、「厚くお付き合いしていただく」と、相手を敬う丁寧な表現です。そのため、取引先や上司など、目上の人への使用に適しています。

「ご厚誼」を使用するのは格式のあるシーン
「ご厚誼」は、主に格式あるシーンで使用されます。委任や就任のスピーチ、メールなどに用いるほか、正式なビジネス文書にも適した表現です。結婚式や葬儀のスピーチ、喪中はがきなどでも「ご厚誼」を使用します。
ただし、かしこまったシーンには適しているものの、日常生活で使用すると相手に違和感を与えかねません。

あくまでも、正式な文書や挨拶で使用することを理解し、多用しないように気を付けましょう。
シーン別「ご厚誼」の使い方を例文でマスター
「ご厚誼」は、格式ばったシーンに適した言葉です。ビジンスシーンでの挨拶のほか、訃報や喪中の知らせでも使用されます。それぞれの具体的な例文を参考に、使い方をマスターしましょう。

異動や委任、就任の挨拶
「厚いお付き合い」への感謝を伝える「ご厚誼」は、ビジネスシーンでお世話になった相手へ感謝を表したい場面に適しています。そのため、異動や委任、就任の挨拶に用いられる言葉です。
「お世話になりありがとうございました」「今後とも変わらぬお付き合いをお願いします」という思いを込め、以下のように使用しましょう。
例文
・このたび〇月〇日付で〇〇勤務を命ぜられ、この程着任いたしました。在勤中は公私とも大変お世話になり、誠にありがとうございました。今後ともよろしくご指導とご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
▼あわせて読みたい
喪中を知らせるはがき
「ご厚誼」は喪中はがきの締めの文章にも使用されます。類語である「ご厚情」で生前の思いやりに感謝しつつ、今後も変わらぬお付き合いをお願いしますという意味を込めて「ご厚誼」を末尾に添えましょう。喪中はがきでは句点や句読点を使用しないことも、合わせて覚えておきたいですね。
例文
・喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
・本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
・明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
葬儀や追悼でのスピーチ
社葬や合同葬といった比較的大規模な葬儀では、友人や社員代表として、参列者がスピーチを述べることもあります。故人を悼む気持ちと遺族を気遣う気持ちを中心に、挨拶の末尾は「ご厚誼」を用いた感謝の言葉を述べましょう。
例文
・生前のご厚誼を深謝し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
▼あわせて読みたい
ビジネスで活用!「ご厚誼」の例文
「ご厚誼」を用いる際は基本的に「お願いいたします」「御礼申し上げます」という言葉を続けます。ビジネスシーンで活用できるフレーズを覚えておきましょう。

「ご厚誼のほどお願いいたします」
「ご厚誼のほどお願いいたします」は、「変わらぬお付き合いをお願いいたします」と伝えるフレーズです。目上の人や取引先の挨拶に用います。
直接対面するときだけなく、ビジネスメールでも活用できる表現です。「今年もよろしくお願いします」という意味を込め、年賀状に使用することも合わせて覚えておきたいですね。
例文
・昨年中は格別のご高配を賜り誠にありがとうございました。今後ともご厚誼のほどよろしくお願いいたします。
・この度、新しく課長補佐役に就任いたしました。〇〇と申します。今後ともご厚誼のほどお願いいたします。




