Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE雑学

2022.02.08

「させていただいております」は間違い? 正しい使い方や言い換え表現を解説

ビジネスシーンでもよく耳にする「〜させていただいております」というフレーズ。表現そのものは日本語として間違いではないものの、使う際には注意が必要です。今回は例文を用いた使い方や言い換え表現、英語表現を紹介します。

Tags:

「させていただいております」は二重敬語?

取引先との電話や、店舗や企業でサービスを受けるタイミングなどで耳にすることのある、「させていただいております」というフレーズ。また、貼り紙などで「本日は臨時休業とさせていただいております」といったものを、目にしたことがあるのではないでしょうか。

させていただいております 二重敬語
一見、丁寧にも感じる「させていただいております」という表現ですが、人によっては違和感を覚えたり、回りくどさを感じるかもしれません。また、文法として間違いだと考える人もいるでしょう。

ここで問題となるのが、「させていただいております」が、二重敬語なのではないかという点です。二重敬語というのは、一つの文の中で、同じ種類の敬語を重ねて使うことです。二重敬語は、単なる間違いと見なされるだけならまだしも、人によっては失礼だと感じることがあります。「させていただいております」のように、文法的に正しいのか間違いなのかがわかりにくいものは、使う際には注意が必要です。

敬語には、「尊敬語」、「謙譲語1」、「謙譲語2(丁重語)」、「美化語」、「丁寧語」があります。二重敬語となる「同じ種類の敬語」というのは、尊敬語と尊敬語謙譲語と謙譲語、というような意味です。

ここで、具体例をひとつ紹介しましょう。ビジネスでもよく使われる、「拝見させていただく」という表現。取引先の担当者との会話や、ビジネスメールでよく登場するフレーズです。耳にする、目にするだけではなく、自身が使っているという人も多いのではないでしょうか。この「拝見させていただく」というフレーズが、実は二重敬語なのです。
させていただいております 二重敬語
「拝見」のような「拝〇」は自分の行動をへりくだる時に使う謙譲語です。「拝見」の他には、「拝聴」や「拝観」、「拝読」などがあります。「拝見させていただく」の後半の「させていただく」も、「させてもらう」の謙譲語。つまり、「拝見させていただく」は、謙譲語と謙譲語が重ねて使われている二重敬語なのです。「拝見させていただく」は、「拝見する」が正しい使い方。同じように、「拝聴」も「拝読」も、「拝聴させていただく」、「拝読させていただく」ではなく、「拝聴する」、「拝読する」が正解。回りくどくなくスッキリと使うのが正しいのです。

【こちらの記事もチェック】「拝見させていただく」は誤り!? 正しい使い方を例文でご紹介

それでは、本題の「させていただいております」という表現はどうでしょうか。より理解しやすいように、「させていただいております」という表現を、「させていただく」、「おります」に分けて考えていきましょう。

「させていただく」は、「させてもらう」の謙譲語です。「おります」の「おる」は、「いる」の丁重語(謙譲語に似た敬語の一分類)「おる」に、「ます」という丁寧語が付いたものです。「させていただいております」という文の中に使われているのは、謙譲語と、丁重語と、丁寧語です。このことから、「させていただいております」は、1つの文の中に同じ種類の敬語が重ねて使われた二重敬語ではないということがわかります。

ビジネス等で使う時の注意点

「させていただいております」は、二重敬語ではありませんが、人によっては「文法として、間違っているのではないのか」、「二重敬語ではないのか」と感じる場合も。このことから、ビジネスシーンでは、「させていただいております」という表現は避けた方が無難だと言えます。

使い⽅を例⽂でチェック

実際に「させていただいております」は、どのように使われるのかを例文で確認していきましょう。

1:後任の私が、お客様の担当をさせていただいております

「させていただく」という言葉は、本来、相手の許可を得たうえで行うというのが基本なのですが、昨今では「同意を得られるであろうこと」や、「相手のことを思ってしてあげる」、「してあげるという行為の丁寧な言い方」というニュアンスで使われているのが実情です。

「後任の私が、お客様の担当をさせていただいております」という使い方も、このようなニュアンスを含んだ使い方といえます。

2:拝見させていただいております

前で少し触れましたが、「拝見させていただく」は、ひとつの文の中で謙譲語と謙譲語が重なる、二重敬語です。もちろん、「拝見させていただいております」と語尾が変わっても、二重敬語には変わりありません。

3:お断りさせていただいております

させていただいております 二重敬語
この「お断りさせていただいております」は、「させていただく」という言葉を使いながらも、明確な意思が感じられる表現です。身近なところでは、1杯のドリンクで、長時間自習する学生に困ったカフェなどで、「お席での長時間の自習はお断りさせていただいております」という貼り紙を目にした人もいるのではないでしょうか。

⾔い換え表現にはどのようなものがある?

「させていただいております」の言い換え表現についてもチェックしておきましょう。

1:~しています

「~しています」は、「している」に、丁寧語の「ます」を付け加えた表現です。

2:~しております

「~しております」は、「~しています」の「いる」を、丁重語の「おる」に置き換えた表現です。「~しています」よりも「~しております」のほうが、丁寧な表現になります。

英語表現は?

日本語には尊敬語や謙譲語、丁寧語などの敬語が存在しますが、英語で「させていただいております」のような謙譲語に相当する表現は、どのように表せばいいのでしょうか。

英語で「させていただく」というニュアンスを伝えるには、「be ready to~」が使えます。

We are ready to offer you a 30% discount」なら、「30%の値引きをさせていただきます」という意味になります。また、「be happy to~」も、「喜んで~する」という意味で、ニュアンス的には近いものになります。

最後に

人によって捉え方の異なる「させていただいております」という表現。厳密には二重敬語ではなく、文法的に問題はありません。しかし、「させていただいております」という言葉には、違和感を覚える人もいるので、ビジネスシーン、特に目上の人との会話では、避けた方が無難ともいえます。状況によって、回りくどくないスマートな言葉に置き換えて使うとよいでしょう。

こちらの記事もたくさん読まれています

「確認させていただきます」が誤用になるケースとは? 使える状況や言い換えについてご紹介
「おっしゃる」は、正しい敬語? 「おっしゃる」の使い方から英語表現までご紹介

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら

Read Moreおすすめの関連記事