生理中、食欲が止まらなくなる理由は?
女性の「ホルモンバランス」が関係している
女性の食欲は生理周期によって左右されることがあると言われています。
ホルモンバランスの影響により気持ちの変化が大きく出て、食欲のコントロールができなくなったり、だるさのあまり運動をやめてしまったりする人も多いでしょう。
食欲が止まらずダイエットに失敗してしまった経験を持っている方は多いかもしれませんが、女性の場合、こうしたホルモンバランスよる体調の変化が関係してくるので、単なるやる気の問題とは言い切れないようです。
「プロゲステロン」が原因で食欲が増す
生理中、食欲が異常に増すのは「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というホルモンが原因になっている可能性が。
プロゲステロンは一般的に生理前に分泌が増加します。その影響で、身体が「溜め込み体質」に。食欲が出て体重が増えてしまったり、人によってはイライラしやすくなってしまったりもするよう。
生理後はこのプロゲステロンの分泌が減り、エストロゲンというホルモンの分泌が増えるため、身体からの排出が促されるタイミングになり、食欲も落ち着くと言われています。
生理中は「食欲がなくなる」という人もいる
生理中は食欲がなくなってしまう人もいるようです。
理由は主に、生理中に分泌される「プロスタグランジン」が関係しているそう。
プロスタグランジンは、生理中剥がれ落ちた子宮内膜を、流れやすいように経血に変えるために分泌される物質。この分泌量が多いと、子宮の収縮が激しくなり強い痛みを伴ったり、胃や腸にも作用して吐き気やむかつきを感じてしまったりするのだとか。
こういった体の不調から、食欲がなくなってしまう人も少なくないようです。
生理中、太ってしまうのは諦めるしかない?
痩せやすいタイミングと痩せにくいタイミングがあることを知る
ホルモン変化で食欲の増加が起こることは仕方ないのだとしたら、ダイエットなんてできない…と思うかもしれませんが、自分のホルモン周期を知ってそれに合わせたダイエット計画ができれば、挫折することなくダイエットを続けられるはずです。
イシハラクリニック副院長の石原新菜先生によれば、やはりプロゲステロンが増える生理前は食欲が増したり、体に水分・脂肪を溜め込もうとしたりするので、どうしてもむくみが出るそう。
さらには生理直前は体温が下がりはじめ、生理中は低体温の時期になるため代謝が下がり、同じものを食べたり飲んだりしても、代謝できずに体に溜まりやすいのだそうです。
こうした時期は無理に体重を落とそうとして食事制限を強化したり激しい運動をしたりすると、それが逆に体調不良を招く恐れがあるため、冷えを防ぐ対策をしつつ適度な運動を混ぜ、筋肉量の減少を防ぎながら体重キープを目指すことが推奨されているようです。
生理前におすすめのむくみ対策
石原先生によると、生理前には冷え対策をしつつ、水分を摂りすぎないことと血流をよくすることが大切なのだそう。
「飲みものは常温以上のものを選び、入浴やサウナ、岩盤浴などで発汗を促すのもよいでしょう。また、運動、ストレッチ、ヨガなどで適度に体を動かしてみてください。クーラーの利いた部屋にいるときは、腹巻きをする習慣をつけてみてはいかがでしょうか?体を温めつつ利尿作用のある『生姜紅茶』を飲むのもおすすめですよ」(石原先生)
どうしてもむくみが気になる場合は、寝るときに足を心臓より高い位置に置いてみるとよいのだそう。血液を循環させているポンプ機能があるふくらはぎを、心臓より高い位置に置くことで血液の巡りが改善し、むくみ解消につながるようです。
また、タイトなガードル、スキニーパンツといった体を圧迫するアイテムは、血液や水分が滞り体を冷やす恐れが。生理中はできるだけリラックスできる服がおすすめとのことです。
食欲が増しても太らないためにできること
適度に体を動かす
一般的に食欲の増加には「副交感神経」が影響していると言われています。そのため、運動することで「交感神経」を優位にさせることが、食欲を抑制することにつながる可能性があるのだそう。
とはいえ生理中は激しい運動は控えたいですよね。そこで、おすすめなのが「ヨガ」です。
ヨガには体の歪みを改善し、生理痛や腰痛を緩和するなどの女性にうれしい効果があるとされています。
精神のバランスを整えるので健康によいだけでなく、ストレスを軽減したり集中力を高めたりする効果も期待できます。
ゆったりとした動きなので生理中でも無理なく行えますよね。