食欲が止まらない6つの原因とは
原因1. 生理前のホルモン変化
女性の場合、食欲が増す原因のひとつに生理周期によるホルモンバランスの変化があげられます。
生理前の黄体期には、女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が減少し、逆に「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が増加します。
エストロゲンには過剰な食欲を抑制する働きがあるのに対し、プロゲステロンは妊娠に向けて体にエネルギーを溜め込もうと働きかけます。そのため、生理前が食欲が増加しやすくなるのです。
原因2. 「レプチン」の作用
生理前に多く分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」だけでなく、「レプチン」というホルモンの一種が関係している可能性も。
レプチンとは食欲を司る摂食中枢に作用するホルモンで、食欲を抑制させる働きがあります。レプチンは脂肪細胞から分泌されるため、体内の脂肪が少なすぎるとレプチンの分泌量も減り、食欲がアップすると考えられます。
レプチンだけが食欲に関係するわけではないものの、影響するもののひとつとしてぜひ覚えておきましょう。
原因3. ストレス
〝ダイエット王子〟こと小山圭介先生によると、ダイエットとストレスは大きく関係しているのだとか。ストレス対策は欠かすことのできない重要ポイントだそう。
「食事のコツと一緒で、ストレス発散もできることからやってみましょう。難しい発散方法を設定しちゃうと、むしろそれがストレスになりかねませんから(笑)。楽しかった過去の思い出をひたすら振り返る…とか、そんなことでもOK。旅行もかなり効果的ですね〜。日帰りでもいいんですよ、今住んでいるところから100km離れるといいって言われてます。あとは、笑顔で生活することを意識してみて。口角をあげるとハピネスホルモンが出やすくなって、情緒不安定な気持ちが落ち着き、食欲も自然と抑えられるはずです!」(小山先生)
原因4. 睡眠不足
睡眠が不足すると、食欲を増進させるホルモン「グレリン」が増加。同時に食欲を抑えエネルギー消費をアップさせてくれる痩せホルモン、「レプチン」が減少します。寝付きが悪い自覚がある人は、ラベンダーオイルなどの安眠アイテムを使って自らを眠りに誘う対策をしてみて。朝は瞑想で脳をリセットするのがおすすめ。
原因5. 疲労物質の蓄積
予防医療/栄養コンサルタントの細川モモさんによると、おやつの過剰摂取は体が疲れを感じて血糖値を上げようとしているのが原因かもしれないそうです。
「甘いものを食べると一時的に血糖値が高まり、疲れを紛らわすことができますが、上がった血糖値はやがて下がるため、ひっきりなしに食べることに繋がり、結果として欠食(栄養状態の悪化)や高血糖状態につながります。
同じ甘いものでも、焼き菓子やスナック菓子、グミなどの砂糖菓子ではなく、抗酸化物質を含むおやつにスイッチしましょう。具体的には高カカオチョコレートやクルミ、ココアなど。抗酸化物質をこまめにとることで脳に疲労物質が蓄積するのを防ぐことができ、おやつの過剰摂取を抑えられるかもしれません。また、朝ごはんを抜くと血糖値は乱れやすくなりますので、注意しましょう」(細川さん)
原因6. 甘味依存症
カイロプラクター・姿勢教育指導士の碓田紗由里さんによれば、甘いものがやめられない人は甘味依存症に陥っている可能性もあるそう。
「ダイエットしはじめの人がやりがちなのが、摂取カロリーを減らそうと、人工甘味料を使った製品に手を出すこと。パッと見の摂取カロリーは減りますが、体には決してよくありません。人工甘味料は腎臓に過度な負担がかかり、副作用としては頭痛やめまい、むくみなどが生じる場合も。人工甘味料は味覚を狂わせ、さらに依存性が高いといわれています。例えば、アステルパームは普通の砂糖と比較すると、100〜200倍もの甘さを感じるといいます。これを摂り続けると、『もっと甘いものが欲しい』という状態になり、コーヒーに砂糖を1袋だったものが、2袋、3袋… と徐々に増えていき、甘いもので頭がいっぱい… という状況になるケースも。
実は学生時代、私も似たような経験をしたことがあります。甘いものなしでは生活ができない、おなかいっぱいになっても甘いものを食べてしまう、といった『甘味依存症』になり、結果太ってしまうという状況になりかねないので、注意しましょう。健康食品と認識されがちなドライフルーツにも注意。ドライフルーツは高カロリーで砂糖を食べているようなものなので、こちらも避けましょう」(碓田さん)
食欲が止まらなくなったときに試すべき10の対処法
対処1. 食べるものを変える
食欲が止まらないからといって、ケーキのような糖質・脂肪の多いスイーツを底なしに食べてしまうのはやっぱり避けたいですよね。
食べることがどうしても我慢できないのなら、食べるものを変えてみましょう。おすすめは以下のような食べ物です。
乳製品や大豆製品
乳製品や大豆製品は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」分泌に役立つと言われています。セロトニンは精神安定をサポートする働きがあるホルモン。その生成にはアミノ酸の一種であるトリプトファンが必要ですが、乳製品や大豆製品にはこのトリプトファンが多く含まれているのです。
また、トリプトファンがセロトニンに合成されるには、ビタミンB6も必要。イワシ・マグロなどの魚類、ニンニクなどに多く含まれているので、こういった食材も一緒に摂るとよいでしょう。
果物や野菜
ストレスを感じているのならビタミンCが必要です。ストレスが溜まると、これに抵抗するホルモンが体内に作られますが、その生成にはビタミンCが欠かせないのです。
ビタミンCはいちご・キウイなどの果物、ピーマン・キャベツ・ブロッコリーなどの野菜に多く含まれています。野菜を積極的に摂って、甘いものが欲しくなったときには果物を食べるようにするのが理想です。
魚介類やチョコレート
精神バランスを保つためにはカルシウムが大切。そして気持ちを落ち着かせるにはポリフェノールが効果的だと言われています。
カルシウムを多く含む魚介類、ポリフェノール豊富なカカオで作られたチョコレートを食べることで、これらの栄養素を効率よく摂ることが可能に。間食したくなったら、できるだけカカオ分の多いチョコレートを選んで食べることをおすすめします。
対処2. 食べることの代わりになる行動を見つける
食べる以外の行動で、止まらない食欲が抑えられないかどうかもぜひ試してみましょう。
例えば散歩に行く、ヨガをするなど体を動かすことはストレス発散に効果的です。他には好きなドラマや映画を観る、ペットと遊ぶ、お気に入りの音楽を聴くなど、自分が好きなことをしてみるのもよいでしょう。
対処3. 生活リズムを見直す
食欲の増加が一時的ではなく長く続くようなら、生活リズムの見直しが必要になるかもしれません。
例えば偏った食事、ながら食べなどが当たり前になっていませんか?栄養バランスのよい食事を3食とり、食べている時間とそうでない時間をしっかり区切ること。また、咀嚼も意識的に行うことで満足感が得られます。
ダイエットを意識しすぎるのもストップしましょう。
逆に食への執着が強くなったり、反動でさらに過食してしまったりする可能性が。食べてしまったことに対する罪悪感を持たないことが大切です。
対処4. とりあえずすぐ歯磨きをする
お口の中をスッキリさせるのは、食欲のまま食べてしまうことの防止につながります。
「歯磨きをすると食欲を抑えられるような気がしています。〝歯を磨いた〟という事実によって、その後すぐに何かを食べようという気をなくす効果を狙った方法です。特に歯磨き粉を使うと、口の中に歯磨き粉の味が残るため、食欲が湧きづらくなる気が。毎日歯磨きセットを持ち歩き、食事に限らず、何か食べた後にはすぐ歯磨きをするようにしています」(A・Kさん)
「どうしてもお腹が空いてしまったときは、マウスウォッシュを使って、口の中をすっきりさせます」(T・Yさん)
対処5. 水やお茶などノンカロリーな飲み物を飲む
食べ物ではなくノンカロリードリンクなら、お腹を満たしながら食欲をおさめることができます。
「常温の水や炭酸水、お茶などを飲みます。冷えた飲み物は胃腸を冷やし、働きを悪くする可能性があるので、避けるのがベター。炭酸水はより満腹感を感じる作用が期待できます」(A・Eさん)
「カフェインには食欲を抑制する効果があると聞いたので、コーヒーや紅茶などで食べたい気持ちを抑えることも」(O・Hさん)
ただしカフェインは過剰摂取すると、夜眠れなくなったりカフェイン依存に繋がる可能性もあるので注意しましょう。
対処6. 食欲を抑えるツボを刺激する
ツボを刺激して食欲を抑えている人も。
「手や耳には食欲を抑えるツボがあると聞き、食欲を抑えたいときにツボをぎゅっと押したりもんだりしています。耳のツボは『飢点(きてん)』と呼ばれるツボで、場所は耳の穴の前にある耳順と呼ばれる突起の付け根部分。手のツボは、親指の付け根の生命線に沿った場所です。『胃・脾・大腸区(い・ひ・だいちょうく)』と呼ばれる場所で、ここを指でつねるように強い刺激を与えます」(O・Kさん)
対処7. 毎日グレープフルーツを食べる
管理栄養士・アンチエイジング料理スペシャリストの堀 知佐子さんによれば、グレープフルーツは血糖値の上昇を穏やかにし、食欲を抑制するのに効果的だそう。
毎日1/2個摂取するのがおすすめとのことです。
対処8. 食べ過ぎない工夫をする
Y’sサイエンスクリニック広尾 統括院長・日比野佐和子先生によれば、ナッツ、玄米フレーク、高カカオチョコ、チーズなど、お腹が空いたら体に良いもので空腹を凌ぐのが良いそう。食べ過ぎを防ぐために小分けにして携帯するのがGOOD。
対処9. 値段の高いごはんを食べる
ダイエット王子・小山先生が言うには、食べ過ぎ防止には“高いもの”を選ぶことが効果的なんだそう。
「そもそも値段が高かったら、たくさん買うことを躊躇するでしょ? (笑)」
「買う量も食べる量も、値段が高ければ自然と少なくなるし、いいものはきちんと味わいながら食べようと思うから咀嚼回数もいつの間にか増えるんです。人の体は、日々食べたものでつくられていきます。“高い女”でいたいなら、高いものを食べること!ジャンクフードばかりに頼らず、いいものを美味しく食べて内側からキレイになっていきましょう♪」(小山先生)