植物学者の名前が品種名の「田中」
植物学者の名前が品種名となっている「田中」も代表的な品種の1つです。明治12(1879)年頃に植物学者である田中芳雄さんが東京に持ち帰り育成し始めたのがきっかけとされています。こちらも唐枇杷の派生とされています。
果実は大きく整った釣鐘型が特徴です。見た目に艶があり、食べると甘みが強く、ジューシーな食感を楽しめます。「茂木」に次いで日本で多く栽培されている品種で、愛知県や千葉県、香川県などで栽培しています。
出回っている時期は6月中旬〜下旬頃です。
交配してできた品種「長崎早生」
「茂木」と「本田早生」を交配して作られた品種が「長崎早生」です。昭和51(1976)年に登録されています。寒さに弱くハウス栽培向けの「枇杷」として出回っています。
そのため、露地ものに比べて2ヶ月早く店頭に並びます。大きめで、比較的糖度の高い甘みのある果肉が特徴です。茂木や長崎早生、福原早生を総称して「長崎びわ」と呼ばれています。
「枇杷」に含まれる栄養素
「枇杷」に含まれる栄養素は、実と葉っぱで違います。実には、ビタミンAやクロロゲン酸が含まれています。「枇杷」は食べられると体内でビタミンAに変化し、抗酸化作用を発揮します。
また、粘膜を正常に保ってくれるため、免疫力アップにもつながるでしょう。さらにポリフェノールの一種であるクロロゲン酸によって、活性酸素が抑えられガンやインフルエンザ予防が期待できます。
葉には、サポニンやタンニンが含まれています。サポニンは、脂肪やコレステロールを排除。タンニンは、抗酸化作用や抗菌、殺菌作用が含まれており、薬としても飲まれてきたようです。
美味しい「枇杷」の見極め方
ここからはスーパーで並んでいる「枇杷」から、美味しいものを見極める方法を解説します。以下のポイントに当てはまっているかチェックしてみましょう。
・色が鮮やかなオレンジ色をしている
・ハリがあって産毛が生えている
・左右対称になっている
・ヘタがしっかり付いている
茶色くなっていたり、色が変色していたりするものは、味が落ちている可能性があるため避けましょう。また産毛は新鮮なものにしか生えていないため、必ずチェックしましょう。ヘタにも注目してください。
黒ずんでいたり、新鮮さが無かったりするものは果実の鮮度も落ちている可能性があります。「枇杷」を選ぶときにはよく観察してから購入しましょう。
枇杷の保存方法
枇杷は常温で保存するのがおすすめです。実同士があたったり何かに触れて傷がつくとすぐに悪くなってしまうため、ひとつずつキッチンペーパーに包んで箱や容器などに入れて、直射日光の当たらない風通しの良い場所で保存しましょう。日持ちは3日〜4日ほどと短いため、早めに食べ切るのをおすすめします。
食べ切ることができない場合は、冷凍すると1か月ほど保存することができます。水で洗ってキッチンペーパーなどで水気を拭き取ったあと、常温保存する時と同じようにキッチンペーパーに包んで容器に入れて保存しましょう。この時、枇杷が重ならないように注意しましょう。解凍する時は、キッチンペーパーに包んだまま自然解凍しましょう。半解凍するとシャーベットのような食感、解凍するととろっとした食感の枇杷を楽しむことができます。
また、常温保存した枇杷を冷やして食べたい場合は、食べる1時間ほど前に冷蔵庫に入れると良いでしょう。冷やしすぎると風味が香りが損なわれてしまうため、注意しましょう。
枇杷をおいしく食べる方法
枇杷をおいしく食べる方法を3つご紹介します。
そのまま食べる
枇杷は皮が薄いため、手で剥いて簡単に食べることができます。おしり側に十字に切れ目を入れると剥きやすくなります。中には種が入っているため、注意して食べましょう。あらかじめ種を取りたい場合は、半分に切って取り出すと良いでしょう。また、枇杷は皮にも栄養が豊富に含まれているため、皮ごと食べるのもおすすめです。
枇杷のコンポート
長期保存しつつ枇杷の果肉をそのまま楽しみたいなら、コンポートにすると良いでしょう。皮を剥いて種を取った枇杷を鍋にいれ、水、グラニュー糖、はちみつ、レモン汁と一緒に煮込みます。そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトに入れたりタルトなどにして食べるなどアレンジが効くのも魅力です。
枇杷のジャム
冷凍した枇杷を加工したい時や、枇杷の実が崩れてしまった場合はジャムにすると良いでしょう。枇杷の実と砂糖を鍋に入れて、実を崩しながら煮立たせます。仕上げにレモン汁を少々入れて完成です。コンポートを作って崩れてしまった枇杷を、ジャムに変身させても良いでしょう。
枇杷のサラダ
素朴な甘みが特徴の枇杷は、サラダともよく合います。皮を剥いて種を取った果肉を具材としてサラダに入れるほか、細かく刻んでドレッシングに混ぜて、フルーティなドレッシングにしても良いでしょう。
まとめ
「枇杷」とは、倒卵形の植物のことを指します。江戸時代に中国から日本に渡ってきました。「枇杷」と呼ばれるようになった由来は、葉っぱの形が楽器の琵琶に似ていることから来ています。
種子には有害物質が含まれているため、食べないようにしましょう。代表的な品種は、3つあります。人に有効な栄養素も多く含まれているため、旬の時期に是非食べてみてください。
「枇杷」の選び方がわからないかたは、今回紹介したポイントを参考にしてみてください。
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