「高を括る」の基礎知識
「高を括る」の読み方は「たかをくくる」です。「たかでくくる」や「たかを積もる」、「たかをしめる」と表現する場合もあります。いずれも「安易な予測」や「見くびっていること」を指す言葉です。
それでは、「高を括る」という表現の詳しい意味や、注意したい表記の仕方、由来・語源について、詳しくチェックしていきましょう。
「高を括る」とはその程度だと見くびること
【高(たか)を括(くく)・る】
その程度を予測する。大したことはないと見くびる。「―・って手ひどい目にあう」
(引用:小学館『デジタル大辞泉』より)
「高を括る」とは、ざっくりと程度を見積もることや最初から見くびることという意味の言葉です。「高」は「金額や物などの程度」を表しており、「括る」とは「まとめる」「予測する」という意味のため、これらを合わせて「程度をざっくりと予測すること」を意味するようになりました。
「高を括る」を使う際はただ予測するだけではなく、見下した姿勢でというニュアンスが含まれます。
「高を括る」の漢字の間違いに注意
先述のとおり、「たかをくくる」を漢字で表すと「高を括る」ですが、漢字変換が間違っているケースがしばしば見られます。とくに間違いやすいのが「たか」の字で、「鷹」や「多寡」と間違っている場合があります。
「高」は「程度」、「鷹」はタカという鳥、「多寡」は「多いか少ないかの、その量・額」を表す言葉です。「高を括る」という言葉の意味と由来を理解していれば、誤字を減らせるでしょう。
「高を括る」の由来
「高を括る」の語源はお米の収穫高です。「高を括る」の「高」には「生産高」や「残高」など、数量や金額に関する見積もりという意味があり、その土地で収穫できるお米の量の基準である「石高」が由来だといわれています。「石高」は豊臣秀吉がおこなった太閤検地以降に用いられた表現で、「石高」が多いか少ないかによって、国自体や統治している家の規模を判断していました。
また「石高」は戦いを挑むときに相手側の兵力を予想する目安でもありました。「石高」を低く見積もって準備をしっかりとせず、相手を侮ったために戦に負けてしまうことを「高を括る」と表現するようになりました。
「高を括る」の使い方や例文
「高を括る」の使い方や例文をチェックして、正しい表現ができるようになりましょう。先述のとおり、「高を括る」は相手を見下すようなニュアンスがある言葉です。他人に対しても自分に対しても使える表現ですが、どちらに対して使うのかによって意図が変わることに注意してください。
それでは、人に対して使う場合の例文と、自分に対して使う場合の例文をチェックしましょう。
人に対して使う場合の例文
人に対して使う場合は、対象となる相手の態度について非難をするような意図を込めることができます。日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われており、人のことを自分より下だと思い込んでいるような相手に対して用いられています。
人に対して使う場合の例文
・あなたは浮気をしても許されると高を括っているようだけど、いつまでも自分に好意を持っていてくれるなんて甘い考えだよ。
・彼は優秀だから、後輩だからといってあまり高を括らないほうがいいと思う。