最近、仕事や家庭で「あの人、私のことを軽く見ているんじゃない?」と感じることはありませんか? そんなときに、ぴったりな日本語表現が「高を括る」です。この言葉が持つ微妙なニュアンスを知ることで、相手の態度や自分の心境をうまく表現できるかもしれません。
本記事では、「高を括る」という言葉が、日常やビジネスシーンでどのように役立つのかを一緒に見ていきましょう。
「高を括る」とは?
「高を括る」の読み方は「たかをくくる」です。「安易な予測」や「見くびっていること」を指す言葉です。
「高を括る」とはその程度だと見くびること
「高を括る」の意味を辞書で確認しましょう。
【高(たか)を括(くく)・る】
その程度を予測する。大したことはないと見くびる。「―・って手ひどい目にあう」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「高を括る」とは、ざっくりと程度を見積もることや最初から見くびることを意味する言葉です。「高」は「金額や物などの程度」を表しており、「括る」とは「まとめる」「予測する」という意味のため、これらを合わせて「程度をざっくりと予測すること」を意味するようになりました。
「高を括る」は、相手や状況を過小評価するような状況で使われます。たとえば、簡単に勝てると思って準備を怠った結果、逆に手ひどい失敗をしてしまうときなどです。
「高を括る」の漢字の間違いに注意
先述のとおり、「たかをくくる」を漢字で表すと「高を括る」ですが、漢字変換が間違っているケースがしばしば見られます。とくに間違いやすいのが「たか」の字で、「鷹」や「多寡」と間違って使っているケースがあります。
「高」は「程度」、「鷹」はタカという鳥、「多寡」は「多いか少ないかの、その量・額」を表す言葉です。「高を括る」という言葉の意味と成り立ちを理解していれば、誤字を減らせるでしょう。
「高を括る」との使い間違いに注意する言葉
「高を括る」と似たような表現に、「木で鼻を括る」と「腹を括る」があります。「木で鼻を括る」という表現は、相手に対して冷淡な態度を取ることを意味します。また、「腹を括る」は覚悟を決めるという意味であり、同様に混同しやすいので注意が必要です。このように、音が似ていても意味が異なる表現があるため、正確に使い分けてくださいね。
「高を括る」の使い方や例文
先述のとおり、「高を括る」は相手を見下すようなニュアンスがある言葉です。他人に対しても自分に対しても使える表現ですが、どちらに対して使うのかによって意図が変わることに注意してください。
それでは、人に対して使う場合の例文と、自分に対して使う場合の例文をチェックしましょう。
人に対して使う場合の例文
人に対して使う場合は、対象となる相手の態度について非難をするような意図を込めることができます。日常生活だけではなくビジネスシーンでも使われており、人のことを自分より下だと思い込んでいるような相手に対して用いられています。
人に対して使う場合の例文
・あなたは浮気をしても許されると高を括っているようだけど、いつまでも自分に好意を持っていてくれるなんて甘い考えだよ。
・彼は優秀だから、後輩だからといってあまり高を括らないほうがいいと思う。