「素直」とはどんな意味?
「素直」とは、「性格や態度がひねくれておらず、まっすぐなこと」という意味です。また、「ありのままで飾り気がないこと」という意味もあります。このように人の性格や行動を表すときに使うことが多いですが、「癖がなく形などがまっすぐである」という意味のように物の形などについて使うときもあります。
素直な心とは?
では、素直な心とはどんな心でしょうか?それは自分の考えに固執するのでなく、他人を受け入れる心のことです。ビジネス界の著名人も「素直な心」について言及していますのでご紹介しましょう。
例えば京セラ創立者の稲森和夫氏は自身の哲学として「素直な心は、自分自身のいたらなさを認め、そこから努力するという謙虚な姿勢のこと」、「素直な心をもって人の意見をよく聞き、常に反省し、自分自身を見つめることができる人が本当に伸びる人」と述べています。
またパナソニックグループ創業者の松下幸之助氏は、著書『素直な心になるために』で素直な心の内容10箇条を説いています。
そのうちの二つの内容は、「素直な心とはすべてに対して学ぶ心で接し、そこから何らかの教えを得ようとする謙虚さをもった心」、「素直な心とはよいものはよいものと認識し、価値あるものはその価値を正しく認めることのできる心」というものです。
両氏の言葉から、「素直な心」とは自分を成長させるために必要なもの、そして「素直な心になるには、たとえ自分に耳が痛い言葉であっても、人のアドバイスにきちんと耳を傾けることが大事」ということが伝わってきます。
「素直」の類語は?
次に「素直」の類語についてご紹介します。「素直」は使いやすい言葉ですが、いつも同じ言葉ばかり使うのではなく、ときに類語に言い換えることで、表現のバリエーションが広がりより細かニュアンスが伝わりやすくなります。シチュエーションに合わせて使い分けられるよう、類語も覚えておきましょう。
純粋
「純粋」は、「気持ちに打算や駆け引きがないこと」を意味する言葉です。また、「ひたむきなこと。そのことだけを一途に行うこと」という意味もあります。
さらに、「何も混ざっていない」という意味があるので、人の性格だけでなく物の性質にも使うと覚えておきましょう。 ちなみに「純粋」という言葉は、子どもだけでなく大人に対しても使います。
純粋な人は人を疑うこともうそをつくこともありません。それゆえに、人に騙されてしまうこともあれば、反対に自分の何気ない言葉で人を傷つけてしまうこともときにはあるでしょう。
▼あわせて読みたい
無垢
「無垢」は、「心身がともに清らかなで汚れのないこと」を意味します。悪意がないというよりは、悪いことをまだ知らないという意味合いなので、主に赤ちゃんや子どもに対して使うことが多いです。
また、「純粋」と同様に物の性質に対しても使う表現で、「雑多なものが混ざっていないこと」という意味もあります。 さらに、「布地がすべて無地で同色であること」という意味もあり、特に和服においては花嫁衣裳の「白無垢」を指すことが多いでしょう。
無邪気
「無邪気」という言葉は、「悪気がなく、文字の通り邪気が全くないこと」を意味します。また、「あどけなく素直で可愛らしい」という意味もあり、主に赤ちゃんや子ども、若い世代に対して使います。これら二つの意味はポジティブな意味合いだと思ってよいでしょう。
一方で、「無邪気」には「深く物事を考えないこと」という意味もあります。つまり、軽率な行動をしてしまったとき、考え方が単純だと思われたとき、無邪気と言われることもあるのです。これは、どちらかというとネガティブな意味合いかもしれません。
また、無邪気な人は思ったことをそのまま口にしてしまうところがあるので、自分の言葉で人を傷つけてしまったりすることも。それでも無邪気な人は「あの人には悪気はないから」と思われることも多いようです。
「素直」の対義語は?
「素直」には反対の意味を持つ対義語もあります。ここでご紹介する対義語は、三つ。素直の反対の言葉なのでネガティブな意味合いではありますが、ニュアンスは少しずつ異なりますので、それぞれの意味を理解しておきましょう。
強情
「強情」は「意地を張って自分の考えを変えないこと」を意味します。強情な人は、一切人の意見を聞き入れません。自分の考えを押し通そうとする人に対して、この言葉を使います。
他人から間違いを指摘されても、それを認められないのが強情な人です。間違いや失敗をしたのに、自分から謝ろうとしない人に対して、「あの人は強情だから」ということもあるでしょう。