「杜撰」の対義語
「杜撰」の対義語としてあげられるのは、細かいところに気を配る「丁寧」や、細部まで行き届いている様子を表す「緻密」、細部まで十分に注意して行動する様子の「入念」などです。
「杜撰」の対義語について、意味や例文を詳しく見ていきましょう。
丁寧(ていねい)
「丁寧」の意味は、以下の通りです。
[名・形動]
1 細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。また、そのさま。「アイロンを―にかける」「壊れやすいので―に扱う」
2 言動が礼儀正しく、配慮が行き届いていること。また、そのさま。丁重(ていちょう)。「―な言葉遣い」
3 文法で、話し手が聞き手に対して敬意を表す言い方。→丁寧語
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「丁寧(ていねい)」とは、細かいところまで気を配ることです。礼儀正しい言動で、配慮が行き届いていることも表します。いい加減なやり方を表す「杜撰」とは、正反対な様子を表す言葉といってよいでしょう。
例文
・彼はどんな仕事にも丁寧に取り組んでいる
・丁寧な言葉遣いはビジネスの基本だ
・あの会社に引越しを頼んだら、荷物をとても丁寧に運んでくれた
・丁寧な返信をもらい、かえって恐縮してしまった
緻密(ちみつ)
「緻密」の意味は、以下の通りです。
[名・形動]
1 布地・紙などのきめが細かいこと。また、そのさま。「特別に漉(す)かせた―な紙」
2 細かいところまで注意が行き届いていて、手落ちのないこと。また、そのさま。「―な仕事ぶり」「―に練り上げた計画」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「緻密(ちみつ)」とは、細かいところまで注意が行き届いていることです。布地・紙などのきめが細かいという意味もあります。細部に渡り手落ちがないという意味で、行ないがいい加減という意味の「杜撰」とは対極にある言葉です。
例文
・緻密な調査を行ったことで、正確な資料を作ることができた
・彼は緻密な仕事ぶりで、上司からの信頼を得ている
・緻密な計画を立てたことで、最後までトラブルなくやり通せた
・彼の行動はいつも緻密な計算に基づいているため、失敗がないのも無理はない
ビジネスシーンでの「杜撰」の使い方
ビジネスシーンでは、「杜撰」という言葉をたびたび耳にするのではないでしょうか? ビジネスシーンでは主に、顧客情報や商品管理がいいかげんだったり、仕事に必要なプロセスを省いて処理をした時などに「杜撰」が使われます。
もし、そのような状況に直面した場合、上司に正しく報告することが大切です。例えば、「プロジェクトの計画が杜撰であったため、期日に大幅な遅れが起こりました」、「我が社のマーケティングチームの戦略が杜撰だったため、競合他社に市場シェアを奪われる結果となりました」などと表現してみるといいですね。
最後に
「杜撰」は物事の行ない方がいい加減という意味です。あくまで行ないについて表現する言葉で、人の性格や人物像を表すものではありません。「杜撰な人」という使い方はできないため、注意してみてください。
「杜撰」には乱雑やぞんざいなど類語が多いため、状況により使い分けることができます。対義語には丁寧や緻密といった言葉があり、併せてチェックしておけば、「杜撰」についてより理解が深まるでしょう。
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