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2022.10.19

今さら聞けない!【借りてきた猫】←どういう意味? 由来、使い方、類語を解説

 

「いつもとは違い大変おとなしいさま」を指す言葉が「借りてきた猫」です。今回は、借りてきた猫の詳しい意味や由来、使い方、例文、使う際に注意するポイントをご紹介します。類語や、混同しやすい「猫をかぶる」との違いも解説しているため、正しく言葉を理解したい方はぜひ参考にしてください。

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「借りてきた猫」の基礎知識

「借りてきた猫」の読み方は<かりてきたねこ>です。猫の習性に例えてできた言葉で、「借りてきてきた猫のようだ」などと使います。

茶トラの猫正面

はじめに、借りてきた猫という表現の詳しい意味や語源・由来、使い方、例文などについて、それぞれ詳しくチェックしていきましょう。また、借りてきた猫を使う際に注意するポイントもあわせて解説します。

■意味は普段と違い大変おとなしいさま

【借(か)りてきた猫】
ふだんと違って、非常におとなしいありさまの形容。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

借りてきた猫とは、「いつもの様子とは異なって、非常におとなしいさま」を形容している表現です。普段は騒がしい人が、いつもと環境が違う場所にいると打って変わってとても静かでおとなしくなってしまうことを指します。

猫の歴史や習性をもとに作られた言葉であるものの、借りてきた猫という言葉で表現している対象は猫ではなく人間です。

■借りてきた猫の語源・由来

借りてきた猫の由来となったのは、猫にまつわる歴史的なエピソードだといわれています。江戸時代の人々は、備蓄してある食材をネズミが食い荒らしてしまうことに悩まされていたのです。

ネズミの駆除に役立つ猫は飛鳥時代に日本に来ていたものの、なかなか繁殖が進まず貴重な動物のままでした。猫を飼っている知人がいる人は、ネズミの駆除のために貸して欲しいと依頼するケースがよくあったようです。

しかし、猫は自分のテリトリー以外では、疑心暗鬼になってしまって普段のようには行動できなくなる習性があります。そのため、せっかく借りてきても慣れ親しんだ場所以外ではおとなしくなってしまい、目的だったネズミの駆除に目立った活躍を示さなかったそうです。

■使い方は「借りてきた猫のよう」など

「借りてきた猫」は「~のような」といった言葉をつけて使う直喩(ちょくゆ)表現でよく使います。ちなみに、直喩の反対は暗喩です。

そのほかにも、「まるで〜」や「~みたいに」、などをつけて使ったり、「借りてきた猫同然に」と使ったりします。いつもは賑やかな人がある場面では柄にもなく静かにしている場合に、「まるで借りてきた猫だ」などと使いましょう。

■借りてきた猫の例文

借りてきた猫の例文は以下のとおりです。

【例文】
・彼女は人見知りが激しいほうだ。初対面の人がいる場所だとまるで借りてきた猫のようになってしまう。
・春になり、クラス替えがあった。知り合いがいないクラスになってしまったので、いつも借りてきた猫同然におとなしくしている。
・楽しそうに話していたのに、苦手な上司が現れた途端に借りてきた猫のように静かになってしまった。

■借りてきた猫を使う際に注意するポイント

借りてきた猫とは、普段賑やかな人を指して表現します。普段からおとなしい人や、いつもと違ってテンションが高いと言いたいときなどは、借りてきた猫を使うことはできません。

また、物理的に静かになることであって、萎縮して意見が言えなくなるような場合にも使えないため、注意しましょう。体調不良や怪我によって静かになっている場合も、借りてきた猫の意味に適していません。

なお、「借りてきた猫のように静かである」は厳密に言えば二重表現かもしれませんが、よく使われている表現であり慣習的に許容されています。

借りてきた猫の類語や似た言葉との違い

関連する言葉もあわせて覚えると、さらに言葉の表現力をあげられます。借りてきた猫と言い換えられる類語は、以下のとおりです。

緊張している女性のイラスト

・内弁慶(内弁慶の外地蔵)
・畏(かしこ)まる

借りてきた猫と似た言葉には「猫をかぶる」がありますが、借りてきた猫とは意味の違いがあります。それでは、借りてきた猫の類語や似た言葉との違いを詳しくチェックしていきましょう。

■借りてきた猫の類語

借りてきた猫の類語とその意味、読み方は以下のとおりです。

内弁慶

【内弁慶(うちべんけい)】
名・形動家の中ではいばりちらすが、外では意気地のないこと。また、そのさまや、そういう人。陰弁慶。「―な子供」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

内弁慶とは、家の中など自分の周りでは威張っているものの、ほかの場所では意気地のない様子になることを指します。これは「内弁慶(うちべんけい)の外地蔵(そとじぞう)」の省略形です。

畏(かしこ)まる

【畏(かしこ)まる】
動ラ五(四)
1.身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる。「陛下の御前に―・る」「―・ってあいさつする」
2.謹みの気持ちを表し堅苦しく姿勢を正して座る。正座する。「―・っていないで、ひざをお崩しなさい」
3.命令・依頼などを謹んで承る意を表す。承りました。「はい、―・りました」
4.堅苦しい感じがする。窮屈である。
「お政は学問などという―・った事は虫が好かぬが」〈二葉亭・浮雲〉
5.恐縮して感謝する。
「かくおはしましたる喜びを、又なき事に―・る」〈源・夕顔〉
6.わびを言う。言いわけをする。
「仏に―・り聞ゆるこそ苦しけれ」〈源・初音〉
7.謹慎する。
「三所ながら―・らせ給へりしかば」〈大鏡・師輔〉

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

畏まるには借りてきた猫に似た意味があります。しかし、目上の人の前などでおそれ敬う気持ちを表現しているなど、借りてきた猫と少し異なる部分もあるため言いたい意味に近いほうを選択して使いましょう。

借りてきた猫に似た意味のほかに、「謹(つつし)んで承る意を表す」「謹(つつし)みの気持ちを表現して、姿勢を正して座ること」「窮屈であること」「恐縮して感謝する」などの意味も含まれています。

■「猫をかぶる」との違い

借りてきた猫と似た言葉だといわれる表現には、「猫をかぶる」があります。猫をかぶるの意味は、「いい子ぶろうとして、うわべをおとなしく見せかけること」です。また、「知っていることをとぼけて、知らないふりをする」という意味でも使われます。

どちらもいつもと違っておとなしくしている場合に使う言葉のため、これらの言葉は混同されやすいです。しかし、猫をかぶるを使う場合には、「意識的におとなしそうに見せる」「かわいこぶる」というニュアンスがあるため、間違えて使わないように注意しましょう。

借りてきた猫の意味を理解して正しく使おう

借りてきた猫とは、「いつもの様子とは違い、非常におとなしいさま」を形容する表現です。普段は騒がしい人が、打って変わってとても静かでおとなしくなってしまうことを指します。

もの影からこちらを覗く猫

借りてきた猫とは、猫にまつわる歴史的なエピソードや習性をもとに作られた言葉です。借りてきた猫を使う際に注意するポイントは、以下のとおりです。

・普段からおとなしい人には使わないこと
・萎縮して意見が言えなくなるような場合には使わないこと
・体調不良や怪我によって静かになっている場合も使わないこと

使うときは「借りてきた猫のような」といったように、直喩(ちょくゆ)表現でよく使います。ほかの言葉に言い換える場合には、内弁慶などの類語を使って表現しましょう。

言葉が持っている意味や語源、使い方、類語などをしっかりとチェックして、さまざまな言葉を正しく使えるようになりましょう。



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