箔が付くの意味とは?
箔が付くとは、「はくがつく」と読みます。値打ちが高くなる、評価が高まるという意味になります。「箔」とは、美術品などの表面に貼り付ける装飾のことです。肩書きや実績がついて、評価が高まることを表します。女性に使っても間違いではありませんが、一般的には男性に使われる言葉です。
【箔が付く】
値打ちが高くなる。貫禄がつく。「経歴に—・く」
(引用〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
ここでは、箔が付くの意味や、言葉の由来についてご紹介します。
■値打ちが高まること
箔が付くとは、値打ちが高まり高い評価を受けるという意味です。貫禄がつくという意味合いもあります。役職に昇格して肩書を与えられたり、何かの賞をもらったりして周囲から一目置かれ、評価が高まったときに使われます。
■箔が付くの語源
箔が付くは、金属を薄く延ばして美術品などに使う「箔」が語源です。金や銀などの豪華な箔を表面に貼ることで見た目が美しくなり、物の値打ちが高まることから「箔が付く」という言葉が生まれました。
基本的に良い意味で使われる言葉ですが、箔が付くのは表面だけであることから、暗に「中身は大したことがない」という皮肉の意味で使われることもあります。例えば、いろいろな資格を持っていても実績が伴わない場合に箔が付くと表現すると、あまり良い意味には捉えられないでしょう。
■箔とは金属を薄く延ばしたもの
箔が付くの「箔」とは、金・銀・銅・プラチナなどの金属を叩き、紙のように薄く延ばしたものです。古くは古墳の壁画に使われ、仏像や仏画などの装飾にも使われてきました。
絵画や漆の蒔絵、屏風などの美術品、伝統工芸品などにも用いられています。和服でも着物や帯、帯留めなど箔が使われているものがあります。意識して身の回りのものを見てみると、箔が使われているものを見つけられるかもしれません。
箔が付くの例文
箔が付くの意味を理解するには、例文をみるのが一番です。いくつかご紹介しましょう。
<例文>
・同僚は賞を取ったことで周囲からの評価が高まり、箔が付いた
・テレビで紹介されたことで商品に箔が付き、売れ行きが大幅に伸びた
・彼は代表取締役に就任したことで十分に箔を付けることができた
・彼はチームを2度目の優勝に導くことができ、監督としての箔を付けた
・一流企業に就職するだけでも、箔を付けることができる
・私の友人は5年間の海外赴任を終え、箔を付けて本社に戻ってきた
箔が付くの言い換え
箔が付くは、ほかの言葉に言い換えることができます。複数の言い換えがありますが、主に「貫禄がつく」「権威が高まる」「重みをつける」「値打ちをあげる」といった言い換えが可能です。似たような言葉を覚えておけば、表現の幅を広げ、状況に応じて使い分けることができるでしょう。
ここでは、箔が付くの言い換えにできる言葉を、例文とともにご紹介します。
■貫禄がつく
貫禄(かんろく)がつくとは、人間的重みや風格、威厳などが備わることです。箔が付くは社会的評価が高まることを意味しますが、貫禄がつくは人間的な要素に着目した言葉です。その人の身に備わっているもので、必ずしも社会的地位や肩書きが伴うものではありません。
貫禄の「貫」は、中世以降に土地面積の表示に用いられた単位です。租税となる米の収獲高を銭に換算して表したもので、「禄」は、官に仕える者への給与です。これらを合わせた貫禄は領地の大きさや給与の額を示し、武士の値打ちを表すものでした。
貫禄がつくの〈例文〉を見てみましょう。
<例文>
・入社から3年経って、入社当初は自信なさげだった彼もだいぶ貫禄がついてきた
・新しい部長はずいぶんと貫禄があり、頼りがいのある上司だ